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駅の出口の案内は黄色。東京の地下鉄の案内表示は各ラインカラーの「○」――こうした日本の駅のデザインを決めてきたサイン設計の第一人者が、駅のデザインを、自身の手がけた豊富な実例をもとに語り尽くす。案内表示に求められるものとは何か、そのデザイン思想とはいかなるものか、1970年代に始まった日本の空間・サイン整備の歴史をたどりつつ論じ、現在の日本と海外の駅とを比較。混迷を深める日本の公共空間を批判的に検討し、利用者本位の、交通システムのあるべき姿を展望する。
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Posted by ブクログ
日本の公共デザインへの怒りの本。 日本の駅は文字に溢れて迷うことが多い。何故なら、駅の設計が路線の付属物として扱われているために、駅をデザインする範囲が限られているためだ。見通せない駅構内で、文字ばかり増やして、余計に分かりづらくしている現状。また乗換駅で他社線への案内を大きくすべきところを自社関連...続きを読む施設への案内を大きくし、利便性を考えていない。案内図は利用者の為の図であり、広告板ではない。 また東京であれば、相互乗り入れが多いにも関わらず、わざわざ相互乗り入れに複数のラインナンバーを振っている。海外利用者がそれでスッと理解出来るとは思えない。鉄道会社の自己都合である。 駅のデザインは、単なる駅の色合いや素材のことではない。ひとが動く動線を如何にスムーズにさせるか、地下駅でも如何に心地よくさせるか、など実践が試されるである。にも関わらず、最新の駅でも単なる閉鎖空間としてしかデザインされていない場所の多いこと。 というような内容でした。 あとは個人的見解を。 2020年に向けて、国などは観光客を倍増させたいようだが、今のままでは乗り換えに戸惑い、混雑が増すだけで、また来たい場所になっているとはとても思えない。 根本的な総合デザイナーの不在は新国立競技場の騒動でも明らかだが、交通面でも今後にそのような騒動そして混乱が増していく、そんな未来が見えてしまい、落胆する。 さて。いまの忙しすぎる日本人に出来ているのは、小手先のことで相手を満足させることだけである。 総合デザインとは、文化のことであろう。いま、この国の文化は、潰えようとしているのだ。
駅という身近な施設について、パブリックな施設・空間のデザインの重要性を記されている。 具体事例で知っている駅・路線があげられていたので想像しやすく楽しく読んだ。 駅を利用する際にあらたな視点で観察しそう。
筆者は 1972 年から営団地下鉄の案内サインを設計した。本書のテーマは、駅に関し、大きく案内と空間構成から成っている。 案内については、営団地下鉄での成果をまとめた設計マニュアルが、全国で統一されている方がわかりやすいという思想のもと提供され活用された。 その後、横浜駅で乗り入れ五社を一体として...続きを読む捉えた案内が日本で初めて実現したが、その過程でも、JR 東日本の上位層から他社線の案内を拒絶する偏狭な妨害がなされたことが紹介されている。JR 他社でも、他社線への乗換案内より自社系列ホテルや商業施設の案内を優先し、利用者が必要とする案内がなされていない例が示される。 また、営団地下鉄が民営となった時、広告のために案内システムが破壊され、回復困難な状態にあることも知らされる。 空間構成は、日本ではごく僅かな例外を除いて無視されてきており、営団地下鉄はその最たるものであることが諸外国との対比で示される。 利用者にとってわかりやすい構成を仙台地下鉄で提案したら、建設省につぶされた事例が紹介される。その後、首相官邸の隣の営団駅で、理想に近い空間を作れた事例が示される。ここは時間を経てもその状態を保っている。 その後、福岡市の地下鉄新線、みなとみらい線、りんかい線などが、利用者の視点に立った駅設計をしている事例が紹介される。 最後に、首都圏を主な事例として、日本の鉄道の路線名称を中心とする案内が、地域限定の「ローカルコード」にこだわるあまり、外部の利用者にはほぼ理解不能である状況が指摘される。 一例として、田園都市線―半蔵門線―東武伊勢崎線と直通運転が行われているのに運営者ごとの名称が使われていることが挙げられる。利用者にとっては一つの線であり、その運転系統に識別子を付ける方がはるかにわかりやすいことが提案される。 さらに、日本語話者以外に理解されるユニバーサルコードとするためには、使えるのは英字 A-Z と数字 0-9 の 36 文字とごく少ない色だけであることが指摘される。首都圏の事情を考え、英字は一文字だけで 7-8 種に限り数字は二桁まで使う路線コード体系が提案される。 空間構成は一朝一夕に変えられるものではないが、路線コードを含む案内体系は、旅行客だけでなく現にその街に住む利用者への案内も含めて早急に体型立てる必要があることに同感である。このためには、高い視点でのマスタープランが必要であることが指摘されている。 著者が適任であると思う。
駅の「パブリック・デザイン」はいったい何のため・誰のためにあるのか、それをわかっていないから、渋谷駅のような惨状が出来するのだろう(行ったことないけど)。 「駅」に関係する人は必読の書といえる。
「地下鉄の出口看板の色は黄色」など、今となっては当たり前のルールを1970年代に初めて提唱し、以来、「みなとみらい線」や「つくばエクスプレス」などの駅のサイン(案内表示)をデザインしてきた著者による、駅を公共の空間としてデザインする際の基本的な考え方をまとめた本。 著者が改善してきた駅の案内表示の...続きを読む実例は、看板の設置場所から色、フォントの大きさまで、一つ一つの要素を利用者の立場から考え抜いたものになっていて、その結果として実用性と美しさを兼ね備えた優れたデザインになっていると思った。 また、「駅の案内表示にわかりにくいものがあることは事実だが、そもそも駅の構造が利用者にとってわかりにくいものになってしまっている」という趣旨の指摘からは、「戦略の失敗は戦術では取り返せない」というデザイン以外の分野にも当てはまる悔しさが滲んでいるように思えた。たとえその道の第一人者であっても、仕事は完全なフリーハンドでできるものではなく、常に制約条件の中で仕事をせざるを得ないのだ。 ただ、そのような制約条件がある中でも何とかして利用者を迷わせない案内表示を追究して、それを日本各地で形にしてきた著者の仕事に臨む真摯な態度と技術力には頭が下がる。 仕事をしていると、ときに自分たちの都合を優先して部分最適に走ってしまうが、利用者本位の視点に立った、全体最適を追い求めるべきだと思った。
サインや建築に関する本を新書で提供してくれるのはありがたいです。写真満載。老眼にはちと厳しいですけど…。コミュニケーション=情報の送り、受け手、メッセージ、コンテクスト、コード、コンタクト
ようやく読み終える。。日本のデザインの拙さと作者のデザインの先進性を描いて、なかなか面白かった。たしかに日本は過保護というか、結局よくわからなくなっている現状が多い。
この本を読み終わったのは、普段あまり使わない新宿駅に行く途中の電車の中だった。 実際に新宿駅に降り立つと、なるほど本書で指摘されている通りサインが見辛く、サインを目を凝らして見ていれば後ろから突き飛ばされ、また駅の出口もわかりにくく(「高層ビル方面」などという案内を作った人間を小一時間説教してやりた...続きを読むい)、各社各線がまとまりのない乗り換え表示を出している、実にわかりにくい駅であると改めて実感した。 ただし筆者の理想とする駅が終端駅ばかりであるので、それらの終端駅と新宿や渋谷のような途中駅(この呼び方が正しいかはわからない)を同列に比較するのは無理があると思う。
サインを中心に、駅のデザインとは何かということをまとめた本。この本ではパブリックデザインという言葉を使っていて、利用者にとって使いやすいように、問題解決することみたいな感じ。 日本の主要なターミナル駅(新宿とか)の現状と問題点、営団地下鉄やみなとみらい線などで筆者が実際にやったデザイン事例、ヨーロ...続きを読むッパ駅の紹介など、実践的かつ内容が豊富だった。 写真や図版がカラーでとてもお得感がある。
国交省「公共交通機関における外国語等による情報提供促進措置ガイドライン」には むやみな多言語化はせず ユニバーサルデザインの観点から 日本語、英語、ピクトグラム の三種類を基本とするのが良い。 最近は、中国語、韓国語とごちゃごちゃしすぎの感がある。Simple is best.
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赤瀬達三
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