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父の遺した店を守ろうと頑張る莉子にアプローチしてくるショコラティエ・椎名悠貴。口に入れられた彼のチョコレートは甘美な媚薬のようで、身体の奥が熱く疼いて――。「欲しかったんだろ、これが」奪われた唇から流れ込む甘い香りに酔わされ、もっと欲しくなって!?抗えない快感に心まで蕩けちゃう! メルティでエロスな恋物語。
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Posted by ブクログ
これは、チョコレートの濃厚な香りが漂ってくるような小説です。 小説の冒頭、少女時代の莉子と「美味しいチョコレートケーキを作る」約束をする少年。 時は過ぎ、莉子は一人親のあとをついで喫茶ソワレを経営していますが、ある日、ふと眉目秀麗なクオーターの青年がやってきてコーヒーを飲みますが、彼は「まずい」と...続きを読む言い、1セントだけ払って出ていってしまいます。 その後も彼はたびたびソワレを訪問し、莉子にある提案を持ちかけます。莉子は当然のごとく拒絶反応を示しますが、悠貴の熱意と、そして何より媚薬のようなチョコレートの甘さと味覚によって、莉子は心まですっかり溶かされてしまうのです。 実は、昔彼女と約束をした少年とは、悠貴だったのです。でも、悠貴がソワレの経営建て直しに力を注ぐのには、莉子に対する思いだけではなかったのです。 読み進むにつれて、チョコレートという食べ物の奥深さとエロスに気づかされます。とりわけ、悠貴がチョコを口写しで莉子に食べさせるシーンは、生唾ものですね(笑)。 そしてこの小説には、大きな時間の流れを彩る言葉があります。それは、莉子の父が母にプロポーズしたときの言葉。 「月が綺麗ですね」 その意味は…… I LOVE YOU. この、大きな時間と空間を感じさせる言葉が、物語に大きなスケールを与えています。
とにかく甘い、甘いお話でした。 作品中に出て来るチョコレートも甘いですが、主人公の莉子と、有名ショコラティエ悠貴の2人も、この上なく甘いです。 読んでいるうちに、お気に入りのコーヒーとチョコレートが欲しくなってしまいました。
他界した父の喫茶店で働いていた娘のところに年を経てショコラティエとなっていた悠貴がやって来る、という所から話がスタートします。 悠貴は出逢った当初、莉子が入れたコーヒーをまずい、と冷たく言ってしまったり、上から物を言うような傲慢に感じられる行動をしますが、莉子とお店のことを本気で考えてくれていたから...続きを読むというのが後々じわじわとわかってきます。年を経て再会し、自分にとってなくてはならない存在である、という意味を悠貴がプロポーズに見立てて伝えるところがカッコ良くて萌えました。莉子と相思相愛になってからは愛情を分かりやすくストレートに伝えるようになったことも読んでいて嬉しく思いました。
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