ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
インドで消息を絶った兄が残した「智慧の書」。不思議な力を放つその書に導かれ、隆は自らもインドへと旅立った……。ウパニシャッドからショーペンハウアー、そして現代へ。ムガル帝国の皇子や革命期フランスの学者が時空を超えて結実させた哲学の神髄に迫る、壮大な物語。『不滅の書』を改題。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
目頭が熱くなる。そういう生体現象は何ゆえに生じるのでしょうか? 本書の登場人物らの「知への一途さ」に心を鷲掴みにされました。 この経済社会に身を置いて暮らしている私たち。俗世間の歪みや矛盾や機微、からくり。そういうものに多かれ少なかれ、そして、否応無しにさらされています。それを踏まえてどのように生き...続きを読むるか、というのは多くの人の深層に伏流しているテーマだろうと思いますが、その部分を抉り出してくれる怪作ですね。 哲学関連の本が好きな人(私を含む、普段あまり小説を読まない人)にもオススメです。 何度か(何度も)読み返していますし、また折を見て読むことになるでしょう。 そして同じところでまた目頭を熱くするのです。
久しぶりにフィクションを読んだ。クラウドアトラスを観たあとと同じような壮大な気持ち。こまかなセリフと端々に作者の意志を感じた。ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』を読みたくなる物語でした(個人的には、外とのつながりを感じる作品はいい作品だと思う)。
『ウパニシャッド』にまつわる3つの時代と場所と登場人物で紡がれる重厚なストーリー。サンスクリット語の原典をペルシア語に訳させたインドのダーラー・シコーとムガル帝国の内乱、ペルシア語『ウプニカット』のラテン語訳に取り組んだフランスのデュペロンとフランス革命、そして現代の東京やインドの混乱の中『智慧の書...続きを読む』(ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』)を受け継ぐ隆。 題名のイモータルは不死者の意、原題は『不滅の書』と知った。アートマンたる個々の現れの根本にあるブラフマンの全体性に導かれ、感じ取り、覚悟する主人公たちに学ばされる。 19-20
"智慧の書をめぐる時代を超えた壮大な物語。 行方不明の兄を探す弟は、兄が大事にしていた智慧の書を手にした時から、兄と会話ができるようになる。兄の言葉に導かれ、インドに旅立つ。 智慧の書そのものは原書があるらしいが、時代の言語に翻訳してきた先代たちが歩んできた時代とともに苦難の生きざまが描か...続きを読むれる。フランス革命、ムガル帝国の息子たちの争い、それぞれの時代で、本の持ち主は魂との対話を繰り返し、自らの運命に翻弄されながらも現世とは隔絶した世界をもって生きてきた。 兄を探す弟は、私たち。この智慧の書から何を学ぶかは自分次第。"
帯から「ソフィーの選択」みたいな内容を想像すると大きな肩すかしをくらいます。自己啓発的な内容はみじんもなく、『智慧の書』なるウパニシャッドをペルシャ語に訳したダーラ・シコー、そのペルシャ語訳をラテン語に訳したフランス人のデュペロンのそれぞれの真理への探究の旅路をなぞるという内容でした。はっきり言って...続きを読むシコーもデュペロンも現実の世界では敗者であり、いわゆる負け犬の立場。しかし彼らの業績がショーペンハウアーの思想へと受け継がれ、現代の迷える心へと響く描写は、今はもう消えてしまった星が光となってまたたき、旅人を導くさまにも似て、なにか宇宙的な壮大さを感じました。ムガル帝国やフランス革命時代の描写も素晴らしく、筆者の深い歴史への造詣に感銘します。
智慧の書と呼ばれる本が辿る歴史と物語。ファンタジーを読んだ気分。内容は宗教や哲学など、普段だったら尻込みしてしまうようなもの、しかし物語のなかで出てくると不思議と読みやすい。その結果何を知ったか、というと、結局なんなのだろうと説明は難しいが。 個人的には2章のデュペロンの話が特に面白かった。興味を...続きを読むそそられたのは4章のイスラムやヒンドゥーの話だった。複雑に絡み合っている…のではなく、ここでは複数の要素で成り立っているんだなぁ、と改めて思う。
古代インドの思想書『ウパニシャッド』(=『智慧の書』)にまつわる物語。 物語は現代の日本、革命当時のフランス、タージマハルが建立された頃のムガル帝国、そして現代のインド、と舞台を変えながら綴られていくのですが、どの舞台も当時の目線から描かれる物語がとてもリアルで引き込まれます。 その中で、押し寄せる...続きを読む現実世界を目の前にしての“言葉”の虚しさや無力さを強く感じますが、ラストでそれは美しく昇華されました。 本を読むこと、考えること、の意義を再確認させられたような気になります。 読んでいて、思考が自然と自己の内側に向いてくるような感覚が初めてで新鮮でした。面白かったです。
現代小説としたが、時空を超えた哲学小説とでもいうべきか。主人公が死んだ兄が残した「智慧の書」に導かれて物語はインドへ。そしてウパニシャッド、ショーペンハウアーを経て再び現代へ。ムガル帝国の皇子、革命期のフランスの学者、様々な時代と場所を経て結実した哲学の神髄に迫る壮大な物語。面白い。言葉の持つ意味と...続きを読むそれに命を賭けた人たちが繋げた哲学が現代に蘇るのか。
思考を深める人は、世間とは隔絶されてしまうのかもしれない。いい、わるいはない。いかに生きるか。選択するのでもない。ただ、そうあるのだろう。
本が旅をするという話を聞いたことがある。 バックパッカーが世界中を旅しながらお互いに本を交換する。ある本は日本からインドに渡り、フランスへと旅する。いつか誰かの手によって日本に舞い戻ったりする。 イモータルは『智慧の書』の時空を超えた旅の話だ。 ガンジスの世界観は遠藤周作の『深い河』も想起させる。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
イモータル
新刊情報をお知らせします。
萩耿介
フォロー機能について
「中公文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
息の限りに遠吠えを
食われる国
極悪 五右衛門伝
炎の帝
試し読み
鹿鳴館のドラクラ
「萩耿介」のこれもおすすめ一覧へ
▲イモータル ページトップヘ