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日本の法人税は本当に高いのか? 法人税が20%台まで下げられるのに、国民に負担を強いる消費税は、2017年には10%に上がる見込み。しかし、巨大企業が正しく納税すれば、消費増税分をはるかに上回る税収が得られるはずなのです。戦後間もなく国税庁に勤務し、その後は中央大学で税務会計学を創始、50年以上税研究に身を捧げた著者による渾身のレポート。法人税38.1%の時期、驚くべき低負担率だった35社の企業名、そのカラクリも明かされます。
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Posted by ブクログ
会計のプロ中のプロである富岡さんの本書では、少し古いですが客観的なデータをふんだんに使い分析されています。 現在でもその兆候は変わっていないと見るべきでしょう。 日本の諸問題は国による政治だけでなく、企業を統括するエグゼクティブクラスの人たちの要因もあるでしょう。 表面上だけの企業側の言葉ではなく...続きを読む、実際のデータを見る大切さを感じました。
今週(2014.11)は忙しくて本を一冊しか読破できなかったのですが、この一冊はかなり衝撃的な内容でした。 日本の法人税は諸外国と比較して40%程度とかなり高いと認識していた私ですが、実際に日本を代表する大企業の納税額は利益と比較して異様に低い企業が多いという事実です。そのような企業がさらに法人税...続きを読むの低減を求めている主張もこの本では紹介されています。 この本の著者の富岡氏は、国税庁勤務の経験もあるほか、公認会計士や税理士資格をお持ちで、今では公表されなくなった各企業の実際の納税額を、財務諸表を読み解くことで計算されています。彼のような能力のおかげでこの本は完成するわけですが、膨大な時間を費やしたその結果を得られる私は恵まれていると思いました。 彼が本で指摘しているように、納税額の少ない企業はけして違法行為をしているのではなく現行法に則った処理をしていて、彼のポイントは現行税法の欠陥が問題であると指摘しています。 消費税の増税が粛々とされていくように、政府はまとまった力の持っていない一般消費者から税をとる安易な方法をとるのだなと改めて思いました。 以下は気になったポイントです。 ・法人税の実効税率とは、税法によって定められている国税の「法人税」、地方税の「法人住民税」「法人事業税」の3つの税を合計した法定の税率である(p22) ・2014.4から、法定正味税率は35.64%へ38.01%から下がった(p23) ・2006年に法人企業の申告所得金額の公示制度が廃止されたので、個別企業の納税情報を分析するには、時間と労力と高度な専門知識が必要となる(p25) ・2013.3月期で実効税負担率の低い大企業ベスト10には、銀行が多く入っている。三井住友FGは、0.002%。五期通算でも同様、メーカでは小松製作所がランクイン(p31、43) ・実効税負担率が低い原因は、2009年に設けられた「外国子会社の配当益金不算入制度」の恩恵がある。受取配当額の95%を益金に参入しないというもの(p51) ・日産の場合、在外連結子会社の税率差5%とある、そこから逆算すると子会社を日本におくよりも、法人税額が258億円安くなったことになる(p53) ・企業が他社の株式を取得した場合、その受取配当金は課税益金に参入しなくてもいい「法人間配当無視」が認められている(p61) ・受取配当金の多い会社として、トヨタ自動車2.3兆円、本田1.1兆円などがある(p63) ・ユニクロの実効税負担率は、6.92%(52.3億円、税引前利益7565億円)である、これは、独英中国の法人税率(20%台)よりも低い(p82) ・2011年法改正により、欠損金の繰り越しが9年に延長、日本航空は2018年まで法人税を払わなくて済む(p84) ・資本金1-5億円の中堅企業が、法定基本税率(25.5)とほぼ同じ率を負担していて負担率がもっとも高い。資本金1億円以下の法人には、軽減税率(15%)適用されるが、資本金100億円以上の企業の負担率は9.6%。原因として、受取配当金の益金除外、繰越欠損金を差し引く「損金算入」がある(p89) ・受取配当金は試算によると、2003からの9年間で65兆円、資本金10億円の大企業が9割の57兆円(p96) ・円安が進行した今では、海外子会社や関係会社から配当金をドル建てで受け取ると、円安差益により笑いが止まらない(p110) ・アイルランドに実体のある会社と、登記のみのペーパーカンパニーの2つの間に、実体のないオランダの会社を介在させてライセンスを譲渡すると、支払が非課税になる。これらを管理する会社をタックスヘブンのバミューダ(イギリス領)におくと、アイルランド国内の会社は法人税も免除(p132) ・国境をまたぐ節税戦略を利用するIT企業は、ソフトをダウンロードする際の知的財産権の使用料を、ライセンス譲渡により低税率の子会社に移し替えられる。デジタル経済に税制が追い付いていない(p136) ・全国250万社の中小企業(資本金1億円以下)のうち黒字法人は3割程度(p169) ・現在の日本財政が弱いのは、税の不公平さに起因することに気付いた(p188) 2014年11月29日作成
これは非常に興味深い内容で、今の日本の仕組みの矛盾点を考えさせられました。 日本のエスタブリッシュメントは、政治家、官僚、大企業だということが改めて理解できました。。
自分用キーワード 消費税法 法人税の仕組み(実効税率/実行税負担率) カリフォルニア州(法人税が高い) タックス・イロージョン 外国税額控除制度 外国子会社配当益金不算入制度 受取配当金益金不算入制度 移転価格税制 資本金階級別法人税平均実効負担率 法人株主の比率 租税特別措置法 土地転がし 移転価...続きを読む格税制(操作) 申告所得金額の公示制度(現在は廃止) ケイマン諸島、パナマ Double Irish With Dutch Sandwich 申告納税者の所得税負担率 配偶者控除の撤廃
ソフトバンクやユニクロそしてメガバンクとなった銀行などがいかに税金を納めていないかを追求している。 会計の知識はほとんどないので詳しいところはわからないが、税制の不備(国際的な税制も含めて)であることは間違いないだろう。 インターネットの書評では最新の税務会計をわかっていないトンデモ本だというものも...続きを読むあるが、企業が投資した場合の配当が無税だというのがおかしい。二重課税にならないようにということが基本的な考え方であるようになっているが、不労所得に関しては個人だろうと企業だろうが税金を重くするというのが当然だと思う。非常に腹立たしい。 以前に「タックスヘイブンの闇」を読み、イギリスやアメリカの金持ちや企業はとんでもないことをやっていると憤慨したが、日本も大同小異だということか。アメリカのMBAなどを取りにいった連中が洗脳されて帰ってきて、企業の社会的責任を忘れているのではないだろうか。
著名な税務会計学者がアベノミクス下の巨大企業優遇税制を批判。論拠には偏りがあるが、よく議論されるべき大きなテーマとして考えさせられる。
税に関するエキスパートな著者による、大企業が適切な税金を納めていないことと、その理由を記した本。 実効税負担率が何故低いのか、日本の財政健全化のための解説と提言が比較的分かり易く書かれている。 節税した具体的企業名と具体的手法が書かれており、A社B社とボカすことはしていない。ここに著者の強い意思を感...続きを読むじる。
巨大企業の減税措置(配当金の益金不算入や優遇税制)に詳しい。富裕層が源泉分離課税で実質的な所得税率が下がっていたことも発見だった。徒に租税は正義だとする考え方には大きな疑問。
世界的な法人税率の引き下げの流れにあるのは、それをしないとグローバル企業に奪われてしまうから、という消極的な理由だけではないように見える。 そもそも法人は自然人とは異なり実態がないのだからそこに課税するのはおかしい。企業活動の果実が個人に落ちてきたときにそこに課税するのが筋だ、という論理があるのでは...続きを読むなかろうか。 本書を通じて感じる違和感は、この視点が欠けたままひたすら庶民対大企業という軸で進むことだ。 大企業に務める庶民もいるし、大企業の提供する種々のサービスを我々は享受していて、それなしでの生活は成り立たない。 また、著者は、配当金の二重課税を避けるための益金不算入は個人が株主であることを前提にしている以上、法人株主が80%である現状では見直すべきだ、と言うがこれも意味がわからない。 配当とは、企業活動の結果としての利益に対して課税もされた後の残滓について、その一部が株主に支払われるものなので、個人であろうと法人であろうと、そこにまた課税するのはおかしい。 極論をいうと、子会社・孫会社が無限に続くグループ会社の場合、一番下の会社の利益を一番上の会社が吸い上げようとしたら、ほぼ100%が税となるような税制が望ましいと考えているのだろうか。 それから、実効税率という言葉の定義がおかしい、というのはそのとおりだが、分子に日本国内で納めた法人税のみをあげ、分母に決算書の税前利益を置くのは公平性を欠くのではなかろうか。 その計算式であれば、当然のことながら海外に子会社を持つ企業の「実効税率」は低くなる。 さしたる分析もなく、平成不況は消費増税によるもので、法人減税は効果がない、と主張。 財源の話では、消費増税はデフレを脱却してからにせよ、というまっとうな話があったかと思えば、パチンコ・パチスロくらいしか娯楽がない地方もあるのに、そこに課税するなんてとんでもない、という話に飛んだり、どうも体系立てて何かを伝えたいという本でも無さそう。 日本の大企業は海外の子会社を使ってズルをしている!懲らしめねば!というよりも、法人税率をより一層下げて、海外のグローバル企業の子会社を誘致して税収をあげよう、という発想のほうが建設的だし、好きですね。 国税庁にはそういう発想は無いのだろうか。 そもそも、日本企業が海外に打って出たのは、税率云々よりも、自動車摩擦なり半導体協定なりで、貿易黒字を減らせと米から突っつかれたからで、結果的に国単位での地産地消が進んだためであることも一因だが、その構造を無視して、グローバル展開は悪だ、と言っても詮無い。 そのあたりは、低税率を求めて動くGAFAなどのグローバル企業とは事情が異なっているはずだが、意図的に混同している。 日本にそんなIT・投資型のグローバル企業無いでしょうに。 と思ったが、ソフトバンクがいた。 そうか、本書はソフトバンク批判の本だったか・・・。
「大企業」が不当に利益を得る一方で、「庶民」が犠牲になっているという、一種のアジテーションのような論調であることや、持ち株会社の実行税負担率が低いのは当たり前ではないのかというように内容に若干の疑義があることから、本書に全面的に賛同することはできないが、法人税制は法定正味税率よりも実効税負担率が重要...続きを読むということや、課税ベースがタックス・イロ―ジョンやタックス・シェルターによって「縮小化」しており、それをなんとかしなければならないという指摘はそのとおりだと感じた。特に受取配当金益金不算入制度の問題や多国籍企業に対する税制の不備の問題は早急に対処が必要だと思う。課税ベースを拡大する方向で法人税制を改革する必要性はもちろんだが、かといって、本書が否定的な消費税増税をしなくてもよいということにはならないと思う。法人税の課税ベース拡大と消費税増税はセットで進めるべきだというのが自論である。
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