魚雷艇学生

魚雷艇学生

330円 (税込)

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予備学生として魚雷艇の訓練を受け、のちに特攻志願が許されて震洋艇乗務に転じ、第十八震洋特攻隊の指揮官として百八十余名の部下を引き連れ、奄美諸島加計呂麻島の基地に向かう。確実に死が予定されている特攻隊から奇跡の生還をとげた著者が、悪夢のような苛烈な体験をもとに、軍隊内部の極限状況を緊迫した筆に描く。野間文芸賞、川端康成文学賞を受賞した戦争文学の名作。

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魚雷艇学生 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2011年02月01日

    作家島尾敏雄が魚雷艇特攻隊員だったというのはつい最近まで知らなかった。この小説は、島尾が海軍に入隊してから、特攻の発進基地となる加計呂麻島に行くまでのところまでが描かれている。大学生として過ごしていた日々が一転、海軍に応召され、それが魚雷艇の特攻「志願兵」としてしぬことを選択する、その過程にいかなる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月15日


    野間文芸賞と川端康成賞のダブル受賞という地味に凄い作品。
    特攻隊から生還したという特異な経験が、当時の感情を交えて静かな筆致で描かれる。
    幾度もキャリアで使われた本テーマが、晩年での想起という点も感慨深い。

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    Posted by ブクログ 2022年04月11日

    海軍予備学生となった主人公の青年が、創設されたばかりの魚雷艇を志願し、特攻隊として戦争にくわわることを予定された彼の日々の訓練をつづった作品です。

    ほかの学生たちにくらべてやや年上の青年は、予備学生となった当初から、周囲から浮いた存在として、彼らのようすを観察していることがえがかれています。それで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年08月30日

    学徒出陣で、リーダーシップが欠如した著者(実際の所は、抑えるべきところは抑えていたのであろうが)が、不本意ながら将校となってしまった著者の特攻という目の前に迫った死と現実の生のリアルな葛藤を描いている。
    強烈な愛国心や責任感を背負った人々を描いた作品・ノンフィクションは多々としてある。しかし、不謹慎...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年04月12日

    海軍士官学校から入隊し、特別攻撃隊に配置され、出撃までの、作者の体験を基にしたフィクション(記録?)。
    独白で話が進むが、作者の言いまわしのせいか、酷く読みづらかった。

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    Posted by ブクログ 2017年10月16日

    ベニア板製モートーボートの特攻隊隊長、という極限状況でありながら、淡々とした記述に終始するのは、戦地赴任前かつ後年の作だからか。島尾さんの本は初めて読んだが、有名な「死の棘」も読んで見たい。

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    Posted by ブクログ 2015年09月23日

    1943年に大学生で、1944年に予備学生で、少尉で、特攻隊で、隊長で、という間に終戦を迎えた著者。普通の大学生が1年も経ずして九死に一生を得ない特攻隊に志願し、しかも指揮官へとなっていく異常な環境の中、なにを思い、なにを考えるのか。。といった内容。戦後何年も経って書かれているせいか、とても読み易い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年10月05日

    毎年8月は戦争ものが書店にならぶ。今年はこの一冊を購入。
    主人公(著者)は海軍予備学生として特攻隊を志願。
    少尉に任官、終戦間際の島に赴く。
    出撃する多くの戦友、部下を見送った心境、葛藤などとともに
    海軍特攻員の生活が詳細に描かれている。
    数々の戦争ものを読んだが、これほど特攻隊員をつぶさに描いたも...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年11月15日

     不思議な世界観。
     Sさんが強いンだか弱いンだか読んでいてわからなくなる。
     特攻を言われた人の開き直り方の一種かもしれない。
     そういう意味で興味深い。

     文中で小さな戦艦という単語が出てきた。
     駆逐艦程度だと思われるが、何か気になった。
     もう少し、士官とか階級をしっかり覚えなくては。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2012年06月14日

     初めて読み切った島尾の小説。面白かった。
     小説としては特攻隊として死を覚悟した人間の感情を描くというところがポイントであろう。当時の日本の戦況から、実に貧弱な装備=魚雷艇しか与えられず、またそうした極限状況にあってもなお世間的な人間関係に悩み翻弄され知らずに世間に染まっていく人間の愚鈍さを描いて...続きを読む

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