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Posted by ブクログ
およそ30年ぶりの復刊。「東京建築探偵団」は、明治〜大正〜昭和(戦前)に建てられた「西洋館」のもつ《異物性》《用途の多様性》《デザインの多様性》に注目、そうした「西洋館」を自分の目と足で見つけ出し、生け捕りにしようという知的な狩猟のような試みである。
冒頭、「建築探偵『九つの心得』」が箇条書きにされているが、そのなかの「二、建物は手で見るをもって上とす」にはこんなふうに書かれている。「すぐ写真を撮るのは下」。町でこれという建物と出会ったら、まず眺め、手で眺め、そうしてペンを握りスケッチをすること。なぜなら「写真頼みの記憶は色褪せやすい」からである。納得。
ここに取り上げられた「西洋館」は、この30年の間にかなりの数が姿を消した。バブル期の再開発で取り壊されたものが多いような気がする。メンバーのひとり藤森照信氏があとがきに言うように、たしかにその意味ではもはやこの本はガイド本としては役立たずということになる。が、しかし、その後も、東日本大震災、2020年に開催予定の東京オリンピックを理由に古い建物はどんどん、なんの未練も躊躇もなく取り壊されている昨今、ぼくらも「建築探偵」にならって、自分たちが生きた時代を、ひとりひとりがその目と足と手で記憶に刻んでゆくべきときなのかもしれない。そういう意味で、いまだアクティブな一冊。
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