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「京大を蹴って阪大!?」「一橋商vs経」「早vs慶」「Ph.D.の値打ち」「なぜノーベル賞受賞者数ゼロか?」「底辺大は“実務偏差値”を上げよ」等々のトピックから、政策論議にも影響を及ぼす諸学風を歴史的に整理し、経済学の本質に迫る。教育・研究・人材力の観点で、各校の実力を徹底検証。
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Posted by ブクログ
底辺大学というネーミングは、ちょっと安直な気はするが、教育が出来る人材が求められるというのは賛成したい。
橘木先生が書かれたものとは思えないほど軽やかな内容でとても読みやすい。 日本の経済学部、経済学者についてざっくりと、いい意味でミーハーな知識を得るのにとても優れた本です
大学の経済学部について、研究・教育・育成する人材の3つの視座でまとめられている。新書なので関心を誘うトピックと内容が、やわらかい文体で書かれている。日本の経済学説史というより、研究・教育の主体となる機関と教員を主な対象としている点で、高等教育論としても捉えられるのではないかと思った。 帝大がマル経...続きを読むだった理由が旧制高校と法学部の存在があったからであり、戦後も東大・京大にマル経が復職し、近経より優勢だったところから、同学部の歴史が始まるのが興味深い。国の政策と学問は別だったということか。これに対して阪大が、財界からの支援・アメリカ様式の大学院・旧帝大・学外からの人材登用という4点で近経の研究が盛んとなり、今日に引き継がれているとのこと。 参考になった指標ないし変数は、教員の純血率、論文の引用回数(総被引用数、一人当たりの被引用数、中位値)比較、役員数・属性といったものがあった。 本書に紹介された学部の特徴を、天野(1986)の二元重層構造でかなりきれいに説明できると感じた。2つの区分はここでも明確で、その壁は決して越えていない。 シラバスを厳格に運用すると、授業が規格化されていまう(p.197)ことになるという言説は参考になった。大学の水準によって、この効果が異なる。 8章では、二流、三流の大学は理論ではなく実務で役立つ教育を重視すべきと述べている。経済学部であるにもかかわらず、商学寄りの科目をより多く設けるということは、学内外でいろいろな議論があるだろう。研究と教育の分化も同様。
日本の大学の経済学部をテーマとし、各大学の経済学部を研究面、教育面から解説。正直、あまりアカデミックな内容ではなく経済学部をめぐるゴシップ的な内容が中心。 帝大ではマルクス経済学が主流だったという話や、阪大が近代経済学のメッカとなったいきさつなどなかなか興味深いエピソードが紹介されている。 いわゆる...続きを読む、底辺大学をタテマエ抜きでばっさり切っており、そういう大学は「実務偏差値」の向上に力を入れるべきだと主張している。ちょっと上から目線な気もするが、方向性としては著者の意見に賛同する。 はっきりと書かれているわけではないが、著者の自己顕示欲が随所に感じられたのがちょっといただけなかった。
<目次> はじめに 第1章 経済学部は、他学部と何が違うか? 第2章 経済学部盛衰史①―マル経と近経 第3章 経済学部盛衰史②―阪大が「近経のメッカ」 になれた秘密 第4章 経済学部盛衰史③―一橋・神戸など旧高商の 実力 第5章 アメリカンPh.D.の値打ち 第6...続きを読む章 経済学者という種族 第7章 ライバル比較ー研究力と人材輩出力 第8章 底辺大学とトップ大学 第9章 ビジネススクールの可能性 おわりに <内容> 『格差社会』などの著書のある労働経済学の専門家。ただ、私の記憶だと近年は、大学と受験などの著書が多かった紀がする。結構好き勝手に書いてるな、と思うが…。最後のほうは、経済学よりも受験などの話になってしまっている。 内容的にはまずまず内実はわかった。日本の経済学部は2極化して、中堅以下は教育に特化(場合によっては専門学校化)、上位校(特に東大などは)は研究に特化すべしということ。
ニッポンの経済学部というタイトルで、副題に「名物教授」と「サラリーマン予備軍」の実力とあるが、前者が中心で後者の視点は弱いように思う。学者の研究分野や大学の「学風」、人事は業界関係者以外には関心が薄いように思うし、業界関係者ならば比較的(?)知られていることが多く、左程新味はない。全体に著者のいくつ...続きを読むかの旧著(全部読んでるわけではないが)の寄せ集め的な感じがしなくもない。 以下は、1つ大事な指摘。メモ。 p.205-206 「企業はトップの大学の学生に対しては成績を見てこなかったけれども、二流、三流大学の学生に対しては成績をチェックしているのです。入学時点では学力が低かったけれども、大学で何をしてきたのかを見極めようとしているのです。……/ここにチャンスがあります。」
経済学部という視点から大学を論じているが、前半は経済学の一流どころの研究者の紹介。そして、後半は、結局のところ、偏差値と同じく昔からのトップ校・一般校・底辺校の序列があるということか。特に目新しさはない。 一方、海外と日本のビジネススクールの対比と学生レベルの違いなども論じられているが、少子化時代の...続きを読むなか大学院重点政策とやらで、旧帝大からトップ私立大学、地方国立大学に至るまで軒並み院生の定員を増やし、いまだ大学=底辺校増設の動きの中で、いわゆるトップ校大学院の功罪については語られていないのが残念。
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ニッポンの経済学部 「名物教授」と「サラリーマン予備軍」の実力
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