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庶民から貴族までが小歌に熱狂した室町後期、『閑吟集』は恋歌、明るい諦念の歌など三一一首を収録。無常の世を悟りながら、官能に身を投げ出した室町人の心を「五感」で捉え、豊かな歌謡の世界を描く。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
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Posted by ブクログ 2013年02月11日
植木朝子氏の『五感で読む閑吟集 風雅と官能の室町歌謡』(角川選書、2013)をふたば書房京都駅八条口店で買う。小野恭靖氏の『戦国の流行歌』は16世紀末の隆達節だつたけど、閑吟集は永正十五(1518)年と16世紀初頭に成立している。著者の本を読むのは『梁塵秘抄の世界』(角川選書、2009)以来だから、...続きを読む久しぶりとなる。論文をまとめた関係で、今様から隆達節まででてくることになる。 五感に分けて閑吟集から歌を選んで分析する。「味わう」では、「日本の古典文学において、食べ物やその味わいが詳述されることはまれである。」(14頁)としながらも、「青梅の枝」に若い女の暗示をみる。「愛欲の表現においては、当然予想されることながら、五感のうちでも特に触覚に訴えるものが多い。」(32頁)。「香りは人の記憶をよみがえらせるのに大きな働きを担う。」(92頁)、「小歌は、当然ながら耳で聴くものであり、その旋律やリズムを楽しむものであった。」(150)。「日本の伝統的な和歌の世界では、目で楽しむ四季折々の自然の美しさが重要な詠歌の対象となってきた。」(202頁)としながらも、「季節の風物を恋人の比喩に用いたり」(203頁)、「意匠・文様の世界と深く関わる器物が歌われる」(同)という。著者の読み方はしっかりしているな〜。
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風雅と官能の室町歌謡 五感で読む閑吟集
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