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梢野真頼は東京の片隅でシェフを務めている。店に足繁く通う田倉訓とはいわゆる幼なじみだが、昔の関係は封印し冷淡に振る舞っていた。しかし、田倉は屈託なく接してきて――。同じ頃、九州の田舎町。小学六年生の治は、自宅の蔵で古い手紙の束を見つける。差出人「マヨリ」の真っ直ぐな恋心は、やがて同級生・双葉への治の想いと重なっていき……?
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Posted by ブクログ
幼馴染みはいいな。 都会から田舎へ転校したことから始まる2カプの話。 設定、対比が面白くて…あちこちに見落とせないアイテムが散りばめられている。 小学生が見つけた手紙を私達は一緒に読む、訓の知らないこと 真頼も忘れたはずのこと。 鬱陶しい季節からさわやかな季節へと移り変わる中で…手紙が過去と現在...続きを読む、大人と子供の世界を近づける…。 都会はいつもどんより 雨空か夜なのに 田舎はひろびろして爽やかで、人目が鬱陶しい田舎であるのにも関わらず、その描写に惹き付けられる。変わるもの 変わらないもの…。相反するように思えるものが 近づいて重なっていく。 故郷 訓が「おまえが考えるほど、小ノ里は悪い町じゃないって。良くも悪くもない、ただの田舎だ」と言った。営業職でそつなく生きているようで 都会に馴染めないところもあり 真頼が故郷を完全に捨ててしまうことに寂しさを感じているところ、 訓も可愛いな。 真頼にとっては…。 「身を乗り出した梢野の目に飛び込んできたのは、…」P.278の情景がたまらない。 コスモス おむすび おおさんしょううお 夏休み あおい空 プロフィットロール ポルチーニのリゾット オサムに書いたサトルへの気持ち、 治に語った今の訓への気持ち。 色々、妄想をかきたてられる話です。 山田親子とか。 これで山田が ポリポリ頭かきながら 赤くなってくれれば満足なんだけど。 双葉ちゃんが好き。
砂原ワールド全開の10年愛。29歳幼馴染みcpの訓×真頼と、小学生cpの治×双葉、そして幻の手紙が、時を越えてこの2組をつなげ合うというストーリー。はっとさせられる、巧みな構成です。 都会と田舎という、環境のコントラストが生きているな~と思いました。田舎は長閑で自然があっていいけど、連帯感が強くすぐ...続きを読むに噂は広まるし、虫が苦手な者には住みづらいという描写が、リアルで面白かった。それに比べ、都会は自由があるけど、群衆の中の孤独を痛切させられるのも共感。 東京で真頼がシェフとして働いている店に通いつめる、広告代理店に勤めている訓。二人がどんな関係なのか気になるうちに、「手紙」によって徐々に明らかになっていきます。 手紙というカタチはシンプルだけど、ちょっと古臭くてそれだけで懐かしい感じにさせられます。治と共に、拙くも心情あふれる手紙を読んでいくうちに、時間が逆行して昔に引き戻されて、訓と真頼がどんな学生時代を過ごしたのかわかってきて、胸がいっぱいになってしまいました。 その後の女子がらみのところは、切ないし辛いし。 大人になった真頼が、自分の本心を心に封じ込めて都会で生活する理由も切ないですが、訓も強気に出ることができず友人として接することしかできなかったのも分別ある大人になってしまったゆえだったんでしょうか。親との確執がハンパなかったのも伝わってきました… そんなぎくしゃくした大人cpが子供cpに助けられ?ていたのが、何といってもほのぼのでした。 治と双葉がかわいくて、でもちょっと生意気でキュンキュンさせられました。よかったです。この小学生cpの今後には、ものすごく期待させられます。 Hシーンは私的に好み。センセのは全体的にいつもツボなんですが、今回手紙の中で描かれていたのが、想像力に頼るしかなくて非常に煽られました…妄想大爆発。
良いお話でした。 嘘つきな大人は真っ直ぐな子供に勝てません。 田舎に帰っていった子供たちが真っ直ぐなままでいられるといいのですが・・・ 素直になるのに10年もかかった大人の轍を踏まないことを祈ります。
正直、前半から中盤にかけてすごく読みにくかった。後半になるにつれて頭の中のもやもやが晴れていって☆の数を3か4で迷ったけど終わり方がよかったので☆4つ♪
幼なじみでかつての恋人でありながら別れた二人は、今も少しぎこちない友達関係を続けている。攻めには長く付き合う女の恋人がいて、受けは死に別れた妻を忘れられず、恋愛から遠ざかったふりをしている。嘘や建前で凝り固まってどうしようもなくなった二人の関係性が、もう一組の幼いカップルと過去の手紙を通して解けてい...続きを読むくさまが見事でした。人だけでなく過去から現在へと視点が移動する複雑な構成は、砂原さんでなければ描けなかっただろうな、と思わせるもの。心がじわじわ温かくなる素敵な作品です。
よかった~。大人だけ、子供だけの恋愛だったらこれほど萌えなかったな。それがツタのように絡まっていいストーリーになったんだな。 2カップルともこのまま幸せに過ごせるといいな。 特に子供の方!家に帰されたあとどう過ごしてどういう大人になるのかなぁ……続きというか彼らの成長した姿、読みたいなぁ。
面白い設定でしたね。大人と子供の恋愛が同時進行というか、大人の二人の過去を手紙で綴っているっていう所が面白いんだけれど、ちょっと読みづらかったかな?一番気になっていたのは何故、梢野が結婚したのか!だったのですが、物語のポイントにもなると思ったのですが、私的にえ~!!そこで出すのか・・・、という気持ち...続きを読むだったかな?もっとプラス方面に向かう形で出されるんだと期待してたので、マイナス方面に行っちゃったのがね~。
手紙がおもしろいアイテムとして活躍している。主人公が子どもの書いた手紙。そこには子どもらしい今日の出来事やら、好きなやつへお想いが赤裸々に描かれている。それを見つけた小学生が、その主人公へ想いを馳せ、自分も現状を見つめ、勇気づけられていくのだが、当の主人公は、その想い人とはだめになっていた……。まあ...続きを読むぶっちゃけ、大人CPの方は、攻めがふがいないだけのような気もするが、空気感がよいお話でした。
大人になった二人の恋と、現在思春期進行中の少年二人の恋がうまく絡み合っていておもしろかったです。 タイトルがファントムレターということで、本編にも手紙が出てくるのですが、最後の方は思わずうるっとしてしまいました。 砂原さんが好きな方は読んで損はないと私は思いました!
梢野真頼は、東京の片隅でシェフを務めている。 そして、店に足繁く通う田倉訓とは幼なじみ。 けれど、真頼は過去を断ち切り、訓とも必要以上に親しくならないように振る舞っていた。 同じ頃、九州の田舎町。 小学六年生の治は、自分の蔵で古い手紙の束を見つける。 差出人「マヨリ」の真っ直ぐな恋心は...続きを読む、やがて同級生・双葉への想いと重なっていき…… という話でした。 「マヨリ」の手紙が過去と未来と遠い地をクロスさせる話で。 若い子達が「マヨリ」を訪ねてやってきたことで、真頼の人生も動き出す……というなかなか難しい話です。 ちょっとミステリテイストにしたいのかな、と思ったのですが、そこまで謎を引っ張ろうとしていたわけでもなく。 個人的には引っ張りすぎてないのが、好感が持てました。 ちょっとちくちくするけれど、ほのぼのする恋愛話を読みたい人にオススメします。
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