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若き日の宇野千代・尾崎士郎をはじめ、川端康成、萩原朔太郎、室生犀星ら数多くの作家たちが居を構え、夜を徹してのダンスに麻雀、酒と恋の青春を謳歌し、そこから次々に名作を生み出した佳き時代の馬込桃源郷の全容。膨大な資料と証言で綴った大正・昭和初期文壇側面史。
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Posted by ブクログ
250ページくらいの本であるが、何冊も本を読んだ気分になる。出てくる人、出てくる人ある程度は知っていると思っている人たち、初めて名前を聞いた人たち、ネットでとはいえ、Wikipediaからスタートして、どんどん参考になりそうなものを読むので、なかなか先に進めない。とても楽しい時間であった。 たまたま...続きを読む直前に「破天荒セレブ」(平山亜佐子著)を読んでいたのだが、昔の人の方がずっと破天荒。その本は破天荒の人たちばかり集めているからとはいえるが、「馬込文化村」という限られた土地に集まった人たちもかなりすごい。男性の奔放さはまだわかっていた気もするが、女性、妻たちがすごい。女性一人で生きていくのは大変な時代だから、これがダメなら次の男性と、男性を繋いでいくのもわからないではないが、なんかすごい。不倫とか駆け落ちとかなんでもアリか。男性も女性も抑圧されたり、貧乏に苦しんだりしてたり、だから爆発もすごいのかな。100年後にも名前が記憶されていたり、読み継がれている人たちだから、たとえ貧乏とはいえ、セレブはセレブだから、一般庶民とは違うのか。 でもやっぱりなんか今の時代の方が相当窮屈な気がする。セレブだったら炎上、炎上、炎上になるよ。庶民はなんか地味にがんじがらめになってる。 読み始めたきっかけは、前に馬込の割と近くに住んでいて、そのあたりが「文士村」と言われているところだったとはわかっていた。急に引っ越して、なんであの時散策とかしなかったのかと今になって後悔してるから。別に今からだってできなくはないが、あの時なら15分くらいでスタートできた散策が今なら… 巻末に地図が載っていて、それとGoogleマップと自分の記憶と突き合わせたりして、ホントに楽しかった。 1976年出版ということで、もう50年足らず経っているというのに、そのことを忘れてしまい、「え?まだ宇野千代生きてるの?」とか。 作品に描かれた100年前とこの本の書かれた50年前と私の記憶の数年前が重なって、なんとも過去に引っ張られた時間だった。
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