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4人を射殺した少年は獄中で、本を貪り読み、字を学びながら、生れて初めてノートを綴った。―自らを徹底的に問いつめつつ、世界と自己へ目を開いていく、かつてない魂の軌跡として。従来の版に未収録分をすべて収録。
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Posted by ブクログ
読後は「ピストル魔の少年」と軽々しく呼ぶ事は憚られる。時代が違いヒップホップに出会っていたら…と夢想せざるを得ない。
文学的ではないとしても、貪り読んだ本の断片だとしても、他のありふれた描写とは一線を画すものがある。例え犯罪者であっても言葉を綴ることは自由で、そこに人権は存在する。誰に媚びることもない不器用で正直な言葉が好きだ。
死刑囚として、あまりに有名な永山則夫。 禁忌を犯した己の業に抗おうと、 知で武装した1人の死刑囚の獄中での思索の記録として忘れられない。
1960年代に連続射殺事件を起こし、有名な「永山基準」を作り出した死刑囚は獄中にて初めて文学に触れ、しだいに共産主義思想に傾倒していく。 自らの青年時代を思い起こして綴った随筆・一字一字搾り出すように書いた詩・・・。 深淵に触れるかのような一冊。
1968年に4人を殺害した事件で知られる著者が、獄中で哲学や心理学などの本をむさぼるように読みながらつづった手記です。 見田宗介は『まなざしの地獄―尽きなく生きることの社会学』(河出書房新社)で著者をとりあげ、高度成長期の疎外状況における著者の実存に迫る考察を展開しています。また、批評家の井口時男...続きを読むや、近年では哲学者の細見和之も、著者について鋭い論考を発表しています。 本書につづられているぎこちないことばを読みながら、いったい著者は、マルクスやカントのことばをどのように読んでいたのだろうかという疑問に、つねにつきまとわれていました。おそらくわれわれがマルクスやカントを理解するように読んでいたのではなく、著者自身の、それまでかたちをとることのなくくすぶりつづけていた暗い情念が抽象的な概念で組み立てられた文章のうちに流れ込み、はじめてそれをみずからの目で見つめるような仕方で読んでいたのではなかったかと想像します。そうした著者のまなざしは、マルクスの思想を「外部」から見るということがどういうことなのかを、実例としてわれわれに示しているように思います。 わたくし自身は、資本主義が生み出す貧困によって、必然的に著者が犯罪者へと押しやられたとは考えませんが、もし著者が、彼自身のうちにくすぶる混沌を、ことばによって輪郭づけることができていたとしたら、はたして彼は罪を犯しただろうかという問いは、やはり残るだろうと思います。本書でも著者は、学生や看守に対して幼稚とも思えるコンプレックスをあらわにしていますが、それすらも、彼が学ぶ前には明瞭に自覚することさえできず、ただうちにくすぶりつづける混沌として彼を苛んでいた情念だったのではないでしょうか。
永山則夫は1968年のうちに 米軍基地から盗んだ拳銃を用いて4人を殺した これといった理由もなく そうすることで、自分という存在を見いだそうとしたのだ とする評論家もいた 彼が、家族愛をまったく知らなかったものかどうかはわからない 甘えの感情から、悪い記憶に固着して 被害者意識を募らせていただけと...続きを読むいう可能性もある ただしまともな生育環境に置かれてなかったことは確かだ 中卒で学もなかった この書物は、永山が逮捕された直後の拘留中 新聞雑誌等からの漢字の書き取りに並行して、ノートの余白に記された 詩や雑感をまとめたもの 殺人者の回想録としてはまったく空虚なものだ どこかで見たものの寄せ集めと言っていいだろうが 生きることの空虚とは別にある、死へのおそれを持て余した本音が ときどきキラリと光を放つ
この人、刑務所に入ってからおもむろに大量の本を読みまくったようで、突如脳内に流れ込んできた情報を咀嚼しつつ吐き出していたようだ。その記録ノートが本書「無知の涙」なわけだが、映画「マトリックス」のように瞬間的に全てを「理解」できるわけもなく、やや消化不良気味に感じられる。 どのような思想もそうだが、独...続きを読むり閉じこもって読書から吸収しようとすると、その読書傾向に大いに流される。読んだ本に影響されるし読む本も選別されていく。いうなれば自己洗脳だ。 読書って危険だなとしみじみ感じる1冊。
河出文庫版はかなり内容が追加されているらしい。 よく言われているように、著者は確かに詩才があり、知識欲やその吸収力も凄い。でも、本書で書かれているのはいわば延々と、自分が殺人を犯したことは社会のせいであるという開き直りである。殺された4人の遺族に印税を寄贈したらしいけど、これじゃ、受け取りを拒否した...続きを読む遺族がいたのも無理はない。殺された側にとっては、なぜ自分が・父が・息子が、ということが最大の問題だが、永山はそこに対しては語りかける言葉を持っていないようである。 この本を読んでいるときに、取手駅前でリストラされた男がバスの中で刃物を振り回す事件が起きた。これも社会のせいなのだろうか。いや、社会のせいだけど、決して正当化は出来ないだろう。 この本を手にする気分では無くなり、ちょうど半分読んだところで読むのを止めた。
未成年時に米軍から盗んだ拳銃で四人殺した凶悪犯が書いた手記。 詩に関しては読むべき価値は十分あると思う。 文学的もそれなりに評価されたのも頷ける出来となっている。 ただ後半に占める政治的・哲学的考察はどうも好きになれなかった。 古臭さとともに幼いような気がした。 多分彼がこういう思想に走っ...続きを読むたのも取り巻きの影響が大きかったのではなかろうか。 中途半端に知識を得た人間がよく陥る典型というのだろうか。 また自己愛も随分強いな、と。 まあ獄中結婚したくらいだし、なんだかんだと言いながらもこの人は俗物だったのだろう。 それでも読み書きも満足にできない人間が刑務所で独学し、ここまでのものを書き、その印税で遺族に賠償したという点では素晴らしいと思う。 個人的には詩だけをピックアップして欲しかったかな。 中立的な誰かが書いたノンフィクションを読めば十分なような気もする。
貧困が犯罪を生むことも、無知ゆえの犯罪も、もしかしたらあるのかもしれない。けれど、同じ環境に生まれ育った兄弟達は犯罪者にはならなかった。4人もの命を奪ったことを貧困や無知のせいにできるものではない。 それを大前提とした上でいえば、著者が独房内で発揮した学習欲・知識欲・表現欲は凄いと思う。“無知”な人...続きを読むが書いたとはとても思えなかった。
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