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山で高笑いする女、赤い顔の河童、天井にぴたりと張り付く人……岩手県遠野の郷にいにしえより伝えられし怪異の数々。柳田國男の『遠野物語』を京極夏彦が深く読み解き、新たに結ぶ。新釈“遠野物語”。
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Posted by ブクログ
もともと民俗学に興味があったので、面白く感じた。 読んでいると、自分も遠野の地に行ってみたくなった。一つ一つの話が短く読みやすかった。
現代語訳されて再編された、柳田國男の遠野物語。 東北の薄暗くも寒々しい原風景に息づく、怪異の姿がありありと思い浮かぶ。
遠野に伝わる数々の伝説の情景が脳裏に色濃く浮かび上がってくる。 原風景への憧憬もさることながら、このような話を伝える語り部たちがどれほど残っているのだろうと、少し寂しくなる。
独特な文体に目が行く。 簡潔な短い文が重ねられている。ここは読点なのでは?と思うところで句点だったり。 京極夏彦の文章を読むのは実は初めてで、これが京極調なのかどうか、わからない。多分、柳田の文章に合わせて工夫したものなのだろうとは思う。 経立(ふったち、長生きした獣)や、座敷童、山神、山人といっ...続きを読むた不思議なものたちには、心がひきつけられる。 そして、それらが土地の地形や地名と深く結びついていると感じた。 きっと遠野だけではなく、全国各地にこういった話はあったはずなのに、どうして残らなかったのだろう。 ほら、この岩にはその時の熊の爪の跡がのこっているだろう―といった形で、自分の生まれ育った土地の話として読んでみたい気がする。
ついつい一気読みしてしまった。 「遠野物語」は簡潔で読みやすく、既に作品として完成されていると思うのだが、京極夏彦氏の手によって、更に読みやすくなっているとは……。 怪異にあったからといって、その後変わったことは何もなかったというオチもいくつかあった。 やはり、遠野では頻繁に起こっていたことなのか...続きを読むな……。
・京極夏彦・柳田国男「遠野物語remix」(角川文庫)は 紛れもなく京極の作物である。だてにremixと付したわけではない。それなりの理由と京極の意志がここにはあつたのである。冒頭に「remix序」といふ序文がある。これは所謂旧漢字、歴史的仮名遣ひの文語文である。「遠野物語」のごく簡単な説明と、それ...続きを読むを現代語訳するについての決意を述べたものと言へよう。そこにかうある、「柳田先生は文学者にはあらざれども名文家として識られる碩学の人なり。自分もまたその端正なる美文に因り喚起せらるる感動を損なはぬやう、一字一句をも加減せず、時に補い時に意訳し、順序を違へて、拙き筆なれど感じたるままを伝へらるるやう努め書きたり。」(13頁、原文の正字体 は新字体に直した。)この引用の口語文くさいところは気にせずとも、しかしやはり気になるところがある。それは「遠野物語」序文の次の一節を直ちに想起させるからである。「鏡石君は話上手にはあらざれども誠実なる人なり。自分もまた一字一句をも加減せず感じたるままを書きたり。」(青空文庫本、ただしルビ 削除。)基本は同じ、京極が少し足しただけである。柳田は佐々木鏡石の話し言葉を書き言葉とし、京極はその文語文を現代語(口語)訳した。つまりは同じやうなことをしたわけである。この一文が使はれるのは当然と言へる。しかも、京極の序はかう終はる、「願はくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ。」(13 頁)この有名な柳田の一文を己が序の末文とする。この序の最後には京極夏彦とある。これは京極なのである。この序の先の引用以降が、つまりは大半が、実は柳田の書き換へであつたとしても、やはりこれは京極の作物なのである。たぶん京極のここでのremixとはかういふことである。 ・remixとはある楽曲に手を加へて別の楽曲に仕上げることであらう。京極には柳田を極端に改変する気は全くないが、しかし、ただ訳せば良いとはしなかつた。それが、例へばこの序であつた。これ以下の本文の構成には大幅に手が入つてゐる。柳田は内容は気にせずにバラバラに置いた。京極はそれをほぼ分類別にした。分かり易い。同種の話が並ぶのだから比較もし易くなる。柳田の注は本文に組み込んだりした。簡潔さを欠くことになりかねぬものを、そこは京極、さすが手練れである。うまくさばいて、うまく本文に組み込んである。その時も、当然のことながら、いつもの改行の多い文体を使ふ。個人的にはこれは好きではないが、整理された文章にするといふ点では案外役だつてゐるのかもしれない。柳田の序文も、「これから語る話は、すべて遠野の人である佐々木 鏡石君より聞いたものである。(原文改行)去年ーー。(原文改行)明治四十二年の二月頃から、折々に聞いた。」といふやうに、見事に京極の文体である。しかも、ここには先の「一字一句をも加減せず」あたりもきちんと現代語訳されてある。当然のことではあるが、こんな二度手間も厭はないのである。使へる材料 は何回も使ふなどといふのはむしろ合理的な判断であらうが、普通の現代語訳ではたぶん行はれない。正確に訳したことにならないからである。そこが remixのremixたる所以、京極はそれをためらはない。のみならず、柳田の序文は分断された。さうして最後に、といふより鹿踊りの詞章の前に、「序 (二)」が置かれる。これが先の「願わくはこれを語りて。(原文改行)平地人を戦慄せしめよ。」(238頁)で終はる。ここは分かち書きである。いかにも京極らしい処理と言ふべきであらう。そんなわけで、私はこの序の処理だけでremixを堪能したのであつた。
巻末の解説が中身なさ過ぎて草。 話自体はどこかで聞いたこともある民話を集めたものだけど読む人を引き込む力がある。
面白い。 原文と対比して読めばさらなる面白さ。クセはあるものの、京極夏彦のセンスはさすが。解説も読み応えあり。 現実と非現実、時間の狭間の朧な光景。暖かな羊水に包まれて微睡んでいた、遠い日に繋がる血の記憶のような…
怖いとも怪しいとも言いきれない、なんとも不思議なエピソードの数々。明治期の日本には、非日常が日常のすぐそばまで迫っていたのかと。
2013年刊の単行本の文庫化 柳田邦男没後50年で、著作権の切れた「遠野物語」を京極夏彦が3つの部分に分け、並べ替えて編集したもの。 元々柳田邦男が聞き取り編集したものだから、その再編集版だという解説者の論はその通りだ。 京極夏彦版にもっとおどろおどろしいイメージをもっていたが、素朴な言い伝え...続きを読むのままだった。
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