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ウナギが海で産卵することは判っているが、天然の卵を見た者は世界で誰もいない。大海原のどこにニホンウナギの産卵場があるのか? 東京大学海洋研究所調査船・白鳳丸が世紀の発見を求め出航した。探査に同行した推理作家・阿井渉介が海洋学の謎に挑む、汗と涙と笑いの冒険ドキュメント。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
にょろり旅繋がりで手に取ってみた。 「ただ船に乗りたい、縄船に乗りたい」という熱い思いが、ウナギの調査船に乗る機会を掴み、天性の冒険家魂に火がついてしまう。 名だたる研究者にひるむことなく、冒険と新たな発見にまい進している著者の姿が楽しい。 本家(?)にょろり旅の著者がロートルだ、引退だと言っている...続きを読むが、ぜひ彼らの先陣を切って、新たな発見の旅を続けて欲しい。
青山 潤著「アフリカにょろり旅」のウナギつながり。関連本というより、同じ東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」が登場する、またもや楽しくて興味深い冒険紀行。同研究所の調査船「白鳳丸」でニホンウナギの産卵場所を探すのですが、探し方がこれまた原始的に網で採取して採れた顕微鏡サイズのものを検証していくとい...続きを読むう気の遠くなる話。しかも新月の夜にしか産卵しない。どうやって追いつめて行くのか!う〜ん、ミステリーだねぇ、アドベンチャーだねぇ。
推理小説家の著者が海に憧れ乗り込んだのが、東京大学海洋研究所調査船・白鳳丸。ニホンウナギの産卵場所を探しての探索行。 ひたすら海に憧れ「マグロ船にでも乗り込めないか」と思案していた著者が、どういうはずみかニホンウナギの産卵場所の調査隊に参加してしまう。最初は「とにかく海に出たい」というだけの気...続きを読む持ちだったのが、どんどんウナギにのめり込んでいってしまうのが面白い。 『ドクトルまんぼう航海記』に憧れていたと本人が書くだけあって、文体的にも雰囲気的にもちょっとそれを感じさせる。やや古風な表現もあって、そのへんはすきずきかもしれない。 ただの航海記ではなく、「冒険」を求める少年のような熱情が非常に感じられる。著者は60歳を過ぎているのだが、その年齢を隠すことなくこの「冒険」を楽しんでいるし、何故もっと早く「冒険」を求めなかったのか、自分の持つ時間の少なさを嘆いてもいる。とにかく、ストレートに思いが伝わってくる。帯に「汗と涙と笑いの冒険ドキュメント」とあるのだが、まさしくそう。笑えるし、泣けるし、実際クライマックスはちょっと感動してしまった。 「うなぎもの」というと青山潤『アフリカにょろり旅』という傑作があるが、その青山氏も同じ船に乗り込んでバンバン登場する。解説も青山氏である。 「うなぎもの」にはずれなし!といいたい(2冊しか読んだことないけど)。
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