死者の書・口ぶえ

死者の書・口ぶえ

770円 (税込)

3pt

「した した した。」雫のつたう暗闇、生と死のあわいに目覚める「死者」。「おれはまだ、お前を思い続けて居たぞ。」古代世界に題材をとり、折口信夫(1887-1953)の比類ない言語感覚が織り上げる物語は、読む者の肌近く忍び寄り幻惑する。同題の未発表草稿「死者の書 続編」、少年の眼差しを瑞瑞しく描く小説第一作「口ぶえ」を併録。(注・解説=安藤礼二)

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死者の書・口ぶえ のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2019年01月16日

    夢幻能のような小説である。

    折口信夫『死者の書』、1939年に書かれた幻想小説だ。長くはないが濃密な、この異色の傑作を読むにあたっては、いくらかの知識を事前に仕入れておいた方が良い。これから書くことは所謂ネタバレだが、古代史に相当詳しい人でない限り、この予備知識によって謎解きの楽しみを奪われたと感...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年09月06日

    1943年(昭和18年)9月末に刊行されました。大東亜戦争宣戦布告から2年の秋、戦場や軍事工場へ多くかりだされていた若者が、戦地にただ一冊携えたといいます。折口が戒名にもした釈迢空の名で詠まれた壮行の詩は「生きて帰れ」というメッセージでした。折口信夫素晴らしい。

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    Posted by ブクログ 2023年09月03日

    折口信夫文学忌 1887.2.11〜1953.9.3
    迢空忌 釈迢空(シャクチョウクウ) 歌号よ

    時折、立ち寄る博物館に 折口先生のコーナーが常設されており、再現された仕事部屋等もあり、身近なおじ様と思っていましたが、作品は遥かな感じでした。
    今回は、「死者の書」のみ。「口ぶえ」は、今月、他の作品...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年04月18日

    難解で、とりあえず読んだーという感じ。解説を読むと少しわかって面白い。謎解きのような、頭の片隅に置いておいて、少しずつ折に触れて、スッキリしていくといいな。
    口ぶえはどちらかというと読みやすかった。

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    Posted by ブクログ 2012年09月09日

    表題作「死者の書」は奈良時代の称徳帝の世を舞台に作られた物語。

    かつて二上山に葬られた滋賀津彦(大津皇子)の魂は、自身の最後に見た耳面刀自(中臣鎌足の娘)の姿のその一点を、死してなお世への執着のように覚えていた。
    一方、藤原南家豊成の娘、郎女は、二上山に沈む夕日に立ちのぼる貴人の面影を追うようにな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年05月17日

    ●「死者の書」
     妄執と云うには美しすぎ、恋愛と云うにはいびつで、救済と呼ぶにはエロティック。
    ●「死者の書〜続編」
     え?何で未完なんですか?!
     すごく続きが気になるんですけど。
    ●「口ぶえ」
     自叙伝的物語。
     すごく‥‥ホモです。

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    Posted by ブクログ 2022年07月02日

    死者の書は何度も読み返し、その度に魂を奮わされてきた。初稿も読み、人形劇の映画も観たし、近藤よう子の漫画も読んでいる。大坂に単身赴任時に当麻寺や二上山には何度も足を運んだ。
    口ぶえも既読。

    死者の書の続篇について知ったのは、中沢新一さんの本からだったかな。
    概要を知って、それほど食指が動いた訳では...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年08月02日

    内容は難解。ただ、日本語の使い方が恐ろしい。例えば石棺の中で蘇った死者に垂れる雫の音「した、した、した」。その死者が人を呼ぶ声「こう、こう、こう」。朝が来て東の空が「ひいわりと」白んでくる。昔の人は語彙が少なかったというが、こういう表現を目にするとよほど伝わってきてむしを恐ろしい。

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    Posted by ブクログ 2014年04月11日

    前知識ゼロで購入した本書。
    音の文章表現に惹かれたのだけど、歴史小説として(黒岩重吾作品以来)、この時代設定は大変好みなので、心躍らせながら読み進めた。

    何度か「ぬぬ、これはひょっとしてひょっとするのか」などと思いつつ、『死者の書』を読み終え、『口ぶえ』にいたってそれは確信に。

    BLだったでござ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年02月26日

    民俗学者折口信夫による小説。表題の「死者の書」は一応完結した作品となっているが、他の収録作品は未完。民俗学者としての作者が捉える民族観・歴史観と、当然ながら作者自身の主観が色濃く漂う作品は、ストーリーの時系列が意図的に組み替えられていることと、単語の読みやかなづかいに慣れないせいかスラスラ読み進む訳...続きを読む

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