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「奴に城を取らせる。そして俺は国を取る。」乱世に雄飛するため、希代(きたい)の謀略家・真田昌幸(さなだまさゆき)が仕組んだ秘策とは?(表題作) 強大な豊臣水軍を前に、城に籠もる鯨取りの親方が仕掛けた驚愕の大反撃!(「鯨のくる城」) 戦国の世、大勢力がぶつかる狭間で、ある者は平身低頭し、ある者は乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負に出る。生き残りをかけ、なりふり構わず戦う人間を熱く描いた渾身作全5編!
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Posted by ブクログ
「城を噛ませた男」(伊東 潤)を読んだ。 いいね! 六つの物語のどれもが見事な書きっぷりな訳で、やっぱり伊東潤氏にハズレなし。 懐の深さというか引出しの多さというかそういうところがすごい。 1年くらい前に訪れた関ヶ原古戦場跡は、 土地の記憶なのか、喚くように強い風が吹いていた。
伊東潤の別の短編集「国を蹴った男」がたいそう面白かったので本書を買ってみがのだが,期待に違わず満足感の得られる一冊. 「見えすぎた物見」関東で北条と上杉の間で苦悩する佐野家が智恵で戦国を生き抜き,その智恵のために江戸幕府に取りつぶされるまで. 「鯨の来る城」秀吉軍を迎え撃つ北条家の家臣の籠城戦. 「...続きを読む城を噛ませた男」真田昌幸の極悪非道な策略. 「椿の咲く寺」旧武田家臣の家康への復讐の顛末. 「江雪左文字」”真田丸”で有名になった江雪斎の関ヶ原の戦いにおける小早川への調略とその後. 江雪斎の話が良かったなあ.
タイトルは「城を噛ませた男」だけど、短編集なので ここの感想とかそうゆう類のものを書こうかな、と。 見えすぎた物見… 小さい集落である佐野家。そんな佐野家の筆頭家老である宝衍の話。 当時の各勢力に、のらりくらりと応対しているのに対してお家を守るという義の塊なのではないかと。 外様大名として生き残っ...続きを読むた佐野家だけども、この物見の仕事が出来過ぎる感が遺恨の原因となり 結果的にお家取り潰しという何とも皮肉な話。 宝衍の頑張りも確かによくわかるが、何でも頑張りすぎちゃいかんな…とか。 鯨のくる城… 北条家の傘下である伊豆国雲見の海での戦い話。 鯨漁を主に生活している長、高橋丹波守のとんちにもに似た実に豪快な話。 秀吉の水軍に立ち向かうため、こちらたちの集落も戦わなければならなくなるけど 鯨漁を利用して撃退していくその様が清々しい。 最後の文面に「鯨取りの親方と馬鹿にされながら、伊豆侍の意地をつらぬき、下田城に籠る兵の命を救った上、雲見の地を守り抜いた丹波という男」 スッキリ後味の良い作品。 城を噛ませた男… この本の表題にもなっている作品。 ご存知であろう真田幸村の父、真田昌幸の話。 国を守るため、自分の所有している城を敵方に取らせるという知略でとにかく頭がいい。 真田太平記を読むとこの昌幸の凄さがよくわかるけど、これはこれでまた違う一面が見えるというか。 城を噛ませた男というタイトルに実にふさわしいと言っても過言ではないと思う。 椿の咲く寺… 可愛らしいタイトルに全く似合わない悲しい話。 徳川家康に破られた武田家。その家臣であった今福家の残された人々話だけど、最後の最後に仰天。 こんなのありですか?みたいな。 なんとも言えない残酷っちゃ残酷だけど、全うした彦蔵はすごいなとか。結果的に切ない。 江雪左文字… この本の中で唯一時系と場所が記載してあって、その場面によって異なるような。 人の記録を見てるようなそんな感覚。 北条に仕えて、家康に仕えて関ヶ原でやってやったぜ!話なあるけど これはこれで面白いし、駆け引きと心境が変化していく様というか。 左文字を渡すとことか、小早川秀秋とのやりとりとかもそうだけど江雪のお家が明治維新まで残ったのも初めて知った。
戦国時代の終わり。全五編からなる短編集。乱世に様々な思いを抱いて行動する人達。色々なパターンの話があって、とても楽しめる一冊だった。
戦国短編集。 ひとつひとつが味わい深い。 城を噛ませた男。という題名もいい。 戦国モノだけど読みやすい。 マイナーな主人公たちなのもいいわー
個人的に、真田昌幸という武将が好きなのだが、表題作で昌幸がとてつもなく卑怯な人間として描かれていたのに衝撃を受けた。確かに戦乱の世のおいては、騙されるのが悪い、という価値観はあったのだろうけれど、本書では義もへったくれもなく、単に嘘をついて騙しただけであったので、読後感が極めて悪かった。収録されてい...続きを読むる他の作品も読後感はあまりよくないけれど、滅びゆくものとは実際こんなようなことなのかもしれない。
腹の底にズーンと響く懸命で骨太な生き方の数々。それは上下の身分を問わない。 自分の生き方や信念を貫いて、結果、それぞれの役目を完遂した人たちの清々しい余韻が残る「鯨のくる城」と「江雪左文字」の読後は快感。 あっさりとしか触れられていないが、「見えすぎた物見」の宝衍の弟の生き様然り、表題作登場の主水然...続きを読むり、潔い決断と覚悟にも頭が下がった。
戦国時代、しかも、関東が舞台である。 それぞれの話が非常によく考え、練られている。 主人公たちも、お馴染みの顔ぶれと違い、新鮮である。
「見えすぎた物見」(下野国人・佐野家) 「鯨のくる城」(雲見 「小田原攻め」) 「城を噛ませた男」(猪俣能登守邦憲、真田昌幸 「名胡桃城奪取」「小田原城攻め」) 「椿の咲く寺」 「江雪左文字」(板部岡江雪、徳川家康。「関ヶ原の戦い」) 「奴に城を取らせる。そして俺は国を取る。」乱世に雄飛するため、...続きを読む希代の謀略家・真田昌幸が仕組んだ秘策とは?(表題作) 強大な豊臣水軍を前に、城に篭もる鯨取りの親方が仕掛けた驚愕の大反撃!(「鯨のくる城」) 戦国の世、大勢力がふづかる狭間で、ある者は平身低頭し、ある者は乾坤一擲の勝負に出る。
真田丸やってるけど、まさにその辺のお話し。 非情の戦国の世で、さまざまな策をめぐらせる人たちの生き方を描いている。 真田昌幸の読み筋の恐ろしいこと。
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