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条文を変えても国や社会は変わらない。 「改憲論議」をする前に、必読の一冊! 良い国家や社会を創るために、良い憲法を創ること。それは、すなわち新憲法を制定したり、改憲することではない。憲法の原理を理解した上で、想像力を駆使して我々の「頭の中」に理想のルールを創造することなのである。それはいかに可能なのか。君が代斉唱、一票の格差など、最新の判例に現れた憲法問題を題材に、気鋭の憲法学者が、先端的な憲法学の成果を踏まえながら考察する。これまでにない実践的憲法入門書。
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Posted by ブクログ
憲法を創造的に応用するということは、憲法の規定を機械的・量的に解釈するのではなく、その規定の意義や目的(憲法はわれわれに何を要求しているか?)を達成するための方策を「質的に」考えなければならないということ。 第1章 君が代不起立問題を題材に、法律や命令の目的と手段のバランス関係を論じる。法令の目的...続きを読むを達成するために、他のよりよい手段は考えられなかったか?いわゆるLRAの原則。 第2章 一票の格差問題を題材に、政治問題の「正解」を発見するための多様な人物の参加と、みんなが納得して従うことのできる「正統性」のある決定を下すことの重要性を説く。 第3章 裁判員制度を題材に、国民の権利の制限は何と引き換え(公共の利益)なら許されるかを論じる。公共の利益いかんによっては合憲にも違憲にもなりうる。いわゆる比較衡量。 第4章 日本人独特の宗教観の問題を取り上げ、政教分離の問題に警鐘を鳴らす。無宗教を装った「日本的多神教」は国家権力にとって利用しやすい「宗教」であることを日本人は自覚しなければならない。 第5章 仮設住宅が孕む問題を紹介し、保証されなければならない生存権の内容を検討する。社会保障は「生きていくための最低限」という量的な側面だけではなく、他者との交流が人間の尊厳にとって重要であるということを十分に考慮した保障が必要である。 第6章 公務員の政治的行為がなぜ「問題」とされてきたのかを吟味し、これまでの判例を批判する。勤務外の政治的行為の規制は、公務員の職務の中立性にただちに影響を及ぼすものではないし、仮に政治的偏向によって公務員としての職務に及ぼしているならば、懲戒や刑罰などの制裁を受けるので、事前的予防は過剰規制である。政策を形成する公務員組織には、むしろ各職員がさまざまな思想をもっているという意味での「多様性」こそ必要である。 この章は特にウンウンと頷きながら読んだ。
ピアノ伴奏拒否事件を、校長による女性教員へのパワハラと捉える。校長の君が代斉唱ピアノ伴奏拒否による女性教員への戒告処分は、思想良心の自由の侵害として捉えない。むしろ、憲法14条の、すべて国民は、法の下に平等であつて、信条(略)により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない、という差別され...続きを読むない権利の侵害と捉える。私は妥当と思う。校長はただの嫌がらせ、個人の思想強制を、権力を用いて怠惰なやり方で行っているにすぎない。治安維持法と同じだ。歴史は繰り返される。
最近注目されている気鋭の憲法学者による本。「憲法が今の社会や時代にそぐわないから変えるべきだ」とか、「憲法の理念が~だからその原則に従うべきだ」とかの極端な主張にすぐに行ってしまうのではなく、憲法の基本的な性格や特徴を踏まえた上で、憲法に関係する世の中の問題をじっくり考えて、「もし…だったらどうな...続きを読むるのか?」という想像力を働かせ、すぐに極端化するような思い込みを避けるように説く一冊。いわゆる「憲法問題のケーススタディ入門」と言ったところ。非常に読みやすい。
実際の判決内容を記載し、それに対する筆者の理論を記載されているが内容がわかりやすい。 こういった裁判の内容は無意識に難しいものだと思い避けていたが、筆者の説明を読み一つ一つ読み解いていけば理解することができた。 又、憲法によって保証されているあらゆる権利についてもよく説明がなされており、本を読む前と...続きを読むその後では権利に対する認識が大きく変わった。
憲法学の若手エースが書いています。憲法に関して聖☆おにいさんやクイズ$ミリオネアなどのとっつきやすい話題でわかりやすく説明しているので読み物としても面白いです。
<目次> はしがき 憲法を創る 序章 憲法とは何か? 第1章 君が代不起立問題の視点ーなぜ式典で国歌を 斉唱するのか? 第2章 一人一票だとどんな良いことがあるのかーク イズミリオネアとアシモフのロボット 第3章 最高裁判所は国民をナメているのか?-裁判 ...続きを読む員制度合憲の条件 第4章 日本的多神教と政教分離ー一年は初詣に始ま りクリスマスに終わる 第5章 生存権保障の三つのステップー憲法25条1 項を本気で考える 第6章 公務員の政治的行為の何が悪いのか?-国 民のシンライという偏見・差別 終章 憲法9条の創造力 文献案内 <内容> 実際の憲法問題の判決を基に、「憲法とは何か?」を問うた本。若き憲法学者の意気込みが伝わる良本。第9条の問題は別の本にあるが、政教分離や公務員の政治行為、憲法25条の「社会権」、そして裁判員制度、その良心による鋭い分析が見事である。
とっつきにくいはずの憲法をここまで噛み砕いて説明できる筆者の才能に敬意を表します。 合理的思考での最高裁判決への批判にはなるほどと納得させられます。最高裁はなんでそんな筋が通らないことをするんでしょうか? 判例主義も思考停止の一形態だと思うので、法律関係者には柔軟な思考を求めたい。 わかりやすかった...続きを読むので、他の法律関係の一般書も読んでみようと思います。
憲法改正問題が取り沙汰されている中、平易で読みやすく、現実的な問題を憲法を通じて解説してくれる良著だと感じた。作者を変えて、何冊か読み、自分なりの考えを持つべきなのだろう。 著者は引用する。憲法は終わりの無い仕事であると。 自衛権の行使以外に武力を行使してはならない、というのは、憲法第9条以前に、...続きを読む現在国際法の大原則である。9条の内容というのは、それが守られるような、国内外の状況を作っていかなければならない、という意義そのものなのだと。 現在の憲法があるのが当たり前のように感じているが、その存在意義を改めて考えることは、現在の国の成り立ちを考えることでもある。
最近、注目を浴びている若き憲法学者の著書。 『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書)がとても読みやすく、取っつきやすい作品だった事から興味を持ち、本作も読んでみました。 各章ごとに事例を挙げながら、憲法に照らし合わせた際にこれはどう解釈されるのかを丁寧に説明してくれます。解釈については実際の判例・...続きを読む判決に沿っている為、実用性も抜群です。 また導入部に当たる話がとても面白く、著者の実体験を元にしているのか映像が目に浮かぶ様なものが多く、小難しい話を敬遠しがちな方にもお勧めです。
最近何かと喧しい「憲法」周辺。この本は特に改憲の是非に議論を絞ったものではないが、憲法をめぐる諸問題に触れながら、国家のあり方を議論するうえでのベースとなる考え方のいくつかを示してくれている。 この本の特徴としては、君が代不起立問題や公務員の政治活動等の憲法上の問題について重要なファクターを抽出し...続きを読む、これをより卑近な例に置き換え、その場合に生ずる不都合からより根源的な論点を照射する方法が多く取られていること。例えば、 ・君が代を否定する思想をもつ公務員にその斉唱を強要する行為と、ベジタリアンに肉を強制的に食べさせる行為との違いは何か? ・公務員が職務時間外に政治活動をするのを禁止すべきというなら、より政治色の強い行為である「選挙権の行使」も禁止すべきなのか? といった具合。全て納得できるわけではないが、なかなか分かり易い。 私も「そんなの国や自治体から給料もらってんだから当たり前だろう」と安易に考えていたが、そのように短絡的な思考では見落とす部分が沢山あることを思い知らされた。 なお、終章で少しだけ9条に触れているが、安倍の改憲論を精神論呼ばわりしている。ある程度肯けるのだけど、それをいうなら本書の「9条が日本の非武装を選択できるための世界の創造を要求する」という主張もかなりナイーヴな精神論なのではないかと思ったりもした。
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憲法の創造力
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