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N市立文学館は財政難のため廃館が決定した。文学館に勤めていた老松郁太は、その延命のため、展示の中心的作家・徳丸敬生の晩年の謎を解こうと考える。30年前、作家は置き手紙を残して行方不明となっていたのだ……。謎解きの過程で郁太は、文学館の存続を懸けて「人はなぜ小説を読むのか」という大きな命題に挑むことに。はたして、主人公がたどり着いた結論とは!?
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Posted by ブクログ
N市立文学館が財政難のため廃館となる事が決まった。 文学館に勤務する文学青年は館の延命の為、N市に縁のあった作家・徳丸敬生の晩年の失踪の謎を解くことで活路を見出そうとするが、物語は意外な方向へ。 N市は『おさがしの本は』の舞台と同じで、一部の登場人物も重なるので本作は姉妹編的作品。 本作では、小説に...続きを読むついて命題が出される。 「人間はなぜ小説を読むのか。 言いかえるなら、小説は、私たちの人生のための何の役に立つのか。」 そう言われても…。暇つぶし、疑似体験、空想、妄想、娯楽…。思いつくのはいたって貧弱。情けない。もちろん本作では鮮やかに一つの回答がなされる。 門井慶喜、巧いなあ。
『おさがしの本は』の姉妹編らしいと知り読んでみましたが、3年後に市役所の総務課へ異勤となった和久山隆彦はでてきましたが、話としては本がテーマとはなっていますが、別物でした。 N市立文学館でアルバイトをしながら小説の研究をしている老松郁太、29歳が神田神保町で作家の徳丸敬生(のりお)のなぜかサインの...続きを読む入った遺稿集をみつけるところから物語は始まります。 徳丸敬生は芥川賞候補にもなったのですが、昭和55年に62歳で樹海で行方不明になりましたが、死亡が確認されていませんでした。文学館には徳丸の遺稿とされる原稿その他一式が置かれています。 しかし、文学館は廃館が決まっていて、廃館後は郁太の父の後継ぎで会社を経営している弟の勇次が買いとって料亭にすることが決まっています。 それを知った郁太は「本のなかでも小説はいちばん役に立たないものじゃないか」という弟に「もし私がお前を納得させられたら、料亭はやめるんだ」と言いだし、勇次もそれをうけてたち、二人の小説談義「人はなぜ小説を読むのか」が始ります。 一方、直筆のサインの入った、徳丸敬生の遺稿の謎、そして、徳丸の生死も途中ではっきりとします。 「人はなぜ小説を読むのか」この答えも兄弟の間で答えが出されますが、それが正論かどうかはともかく、こんな大きなテーマを作品で解答した作者には脱帽しました。
人はなぜ小説を読むのか? それの答えを求め進んでいく話に ワクワクドキドキしながら、最後の結末にも 驚き、とても面白い内容でやった
「おさがしの本は」の姉妹編。 前作と同じN市を舞台に、文学館の廃止を受けて、文学館の嘱託として働いていた老松郁太が奔走する。 ある失踪した小説家が残したサイン入りの遺稿集の謎。 兄郁太を実業家に戻そうと、人はなぜ小説を読むのかと言う言葉のなぐりあいを仕掛ける弟勇次。 所々で前作の和久山...続きを読むさんが出てきて、奥さんの話しとかしちゃったり、結構ここでも頑張ってる姿が良い! でも、兄弟の言葉のなぐりあいで、郁太がなぜ人は小説を読むのかの答えをいくつか出していく過程があったらいいのに。 (あったけど読み取れなかったのかなぁ)
人はなぜ、それ(小説)を読むのか。 物語の中には一応の答えがある。 でも、100人いれば100個の、1000人いれば1000個の答えがあるように思う。 小説から知識を得ようとして読む人はあまりいないだろう。 知識が欲しいなら専門書を読んだほうが早いのだから。 あれもこれも全部読んでみたい。 恋愛小説...続きを読むが大好き。 ミステリーには目がない。 人それぞれに好みは違うし、何を面白いと感じるかはその人の感性によって変わってくる。 だからこの物語で示されるひとつの答えらしきものに納得しない人もいるだろう。 「あぁ、そういう見方もあるんだな」といったところだろうか。 別の世界にひたれるから。 これが一番しっくりくる私の答えだ。 本を開いている間、活字を追っている時間は、体はここにあるけれど心はここにはない。 開いている物語に寄り添い、感情を揺さぶられ、笑い怒り悲しみ喜ぶ。 もちろんピッタリと寄り添える物語ばかりではないけれど。 本を読んでいるときは他のことは何もしない。 ただ、読むことだけに集中している。 その時間がたとえようもないくらい幸せな時間だし、心の疲れを浄化してくれる。 本から学ぶことは多い。 語彙も増えるだろうし、何よりも感情が豊かな人間になれそうだ。 最近テレビ番組で「共感力」を育てるために絵本を読みなさいと言っている人がいた。 心を育てていくためにも、読むということは大切なことなのだと思っている。
人は何故、小説を読むのか。 一見、哲学的にも見える素朴な疑問。 これを追い求めて行く物語。 結論としては、孤独に耐える練習だそうです、つまり人付き合いのためだと。 これだけだと、疑問符が浮くかもしれないが、ご興味ある方は本編をご一読ください。 孤独に耐えるってのは、言い得て妙だな。 小説。音も...続きを読むなければ映像も無い、あるのはただ文字だけ。読み始めると、物語の中に埋没して行き、完結させるには読み終えなければならない。その間には、多分に想像力が働く。結論を急ぎたくとも、自分一人で読み進め、我慢しなければならない。我慢という意識がなくとも。 昨今、我慢できない、堪え性のない、待てない、人を思い遣れない人間がより多いように感じる。現代ではグーグル先生なり、wikiなり、疑問に思えばものの数秒で回答をえられる。その答えが合っているかどうかは問題ではなく、瞬間的に得られるかりそめの安心。 SNSの時代、即レスがあたかも当然の様に跋扈する。 待つ、思う、堪える、考える、思い遣る、慮る。この種の行動に欠ける人間が多い気がするな。 人は一人では生きられず、好む好まざると関係なく他者と関わらなければ生きて行けない。生かされていると。 日々、謙虚に感謝感謝です。 示唆に富む一冊でした。
置手紙を残して行方不明になった作家の遺稿集に、作家自身のサインがある謎を、文学館勤務の主人公が追うミステリーと、「人はなぜ小説を読むのか」という根本問題とが絡み合ったユニークな作品。 実在する文学賞や、作家や評論家が実名で登場し、どこからが(どこまでが)フィクションなのかと、思い惑いながら読み進んだ...続きを読む。 書中、主人公と会社経営の弟が、その根本問題について論争を繰り広げる。 「人は本能的に物語りを欲する。だから小説を読む」 「小説を読むのは、孤独であることの練習のためだ」etc そういった意義付けもある面必要かもしれないが・・・ しかし、 本読みにとって、人生に役に立つとか立たないとか(ハウツー本や自己啓発本はさておき)考えて読んでいるわけではない。ただ読みたいから読んでいるだけ。
人は何故小説を読むのか。。。 廃館寸前の文学館に勤める老松郁太さんは、作家徳丸敬生さんの作品に魅せられ、家業を捨ててしまう そんな郁太さんを連れ戻そうと、弟の勇次さんが考えた勝負が「人はなぜ小説を読むのか」という問いに納得できる答えを用意すること。 なぜ読むのでしょう? 私は自分の知らない世界で...続きを読む生きている人になれるからかなぁ。。。暇潰しかなぁ。。。色々な考え方の習得かなぁ。。。 難しいね!
やっぱり本はいいなと。 そして今更ですが「承前」の意味を初めて知りました。時々目にはしてましたが、なんだかわかってなかったので、あぁと思いました。
「人はなぜ小説を読むのか」と、本作で勇次が郁太に問いかけていますが、ちょっと前に同様のブログ記事を読みました。 そのブロガーの記事には時々違和感を覚えることがあって、その正体って何だろうと考えていたのですが、その解答は本作の言葉でいう「人格の修行」っていう点なのかな〜と思いました。 なんだか大げ...続きを読むさな言い回しですが、自分と異なる考え方の人に(架空、現実問わず)どれだけ多くの人と接することが出来たか、というところでしょうか。人物描写が巧みな小説ほど、文字通り生き生きとその人物が描かれ、その人の考え方などを知ることが出来る。そうして「こういう考え方の人もいるんだ」と“他者を許容する範囲”が広がっていくのかな〜って。(場合によっては許容どころか“目標”になる人物が現れることがあるかも?) 当のブロガー記事も勇次と全く同じ理由で小説を否定していますが、本に直接的な実利しか求められない人の意見だと思います。小説が好きな人と接していたらその視点で考えられる、あるいは意見を聞くことが出来るはずですが、それが出来ないのは常に自分と同じような考え方の人(本には実利しか求めないような人)としか接していないからじゃないかな〜と思った次第。 勇次が言うように映画やコミックなどでも同じ「修行」は出来ますが、個人的には小説を読む理由は「暇つぶし」「娯楽(エンタメ)」であって、小説は多数あるその手段の一つ。それでいいんじゃないかと思ってます。(叙述トリック系のミステリなんかは小説ならではの表現なので、小説でしか楽しめない「暇つぶし」というのもあるとも思います。) 小説好きな私としてはブロガー記事と勇次の言動にカチンと来てしまった(大人げない…)ので、そのような思想的(?)なことをいろいろ考えさせられる本となりました。 それとは別にもう一つ、同じレベルで興味を引かれた点があります。それは「死後に刊行された遺稿集に、著者直筆のサインがある」という“ありえない事案”。この「普通ゼッタイあり得ない」という事柄に果てしなく興味を惹かれ、その謎を解き明かして行くミステリとして私はとても楽しめました。その作家、徳丸敬生を解説するパートは少々文字を追う速度にブレーキがかかりましたが、それ以外は一気読みでした。 なお、世界観を共有する別作品があるようで、本作にそのキャラクターが登場しています。何となく気になったので、近々そちらの作品にも手を出してみようかと。
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