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たいめいけんの初代店主が、洋食やで起こる日々の出来事、師匠や兄弟子に教わった心遣いなどを綴ったエッセイ。戦前、戦中、戦後と姿を変えていく東京の街、一軒の洋食やから、変わらぬ下町の人情を描き出す。
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Posted by ブクログ
読んだのは中公文庫版なのだが、検索してもヒットしない。 中身は洋食やという佇まいはもとより、料理や食材、人物から頻発されるダジャレに至るまで昭和の風情が満載。
日本に洋食や の基礎を作った 初代 茂出木心護のエッセイ 。 ハンバーグ、海老フライ、カレーライスにオムライス。 『西支御料理処』から 始まった。 食い物屋に奉公すれば、余りものを食べさせてもらえるから太るだろう。 と思って 洋食やへ。 茂出木心護 は、その当時の食のしきたりをきちんと語る。 お子...続きを読む様には 甘いものはあとで が鉄則である。 料理にこだわりがあると言ってこられたお客様が最初に頼んだのが ジュースとコーラだったので、がっかりした。 お湯と水との 直なつきあいがうすれて ろくに皿も洗えなくなっている。 ハンバーグに半熟のタマゴがのっている。それをどうやって食べるのか。 洋食は、何事も、フライパンの扱い方である。 オムレツに始まり、オムレツに終る。 前菜でその店の品格や料理の筋が読める。 料理110番 というものが お客様と接する上で重要 というような 家訓を残している。その料理に対する姿勢が真摯。 カウンターのあるレストランをやりたいというのが 夢だというのがおもしろい。 たこをあげるために フランスまでいくのが スゴイと言うか、感心する。 料理人の思いが伝わってきてよかった。 たんぽぽオムライスを食べてみたい。
気立ての良い江戸っ子気質のおじさんが、語り掛けてくるような心地よい文章。時代時代の苦労や笑い話。大変だけど楽しそうな時代だなぁと思いながら読み進めた。
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