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Posted by ブクログ
『新興国の企業が、多様多種な手段を駆使して引き抜きにかかる現状において、競争力の源泉たる「グローバル統合に対応できる人材」を、集団としてのつながりや、日本人としての責任感というような、重要ではあるものの、弱まりつつある日本独自の価値観のみで縛り続けることが、果たしてこれからも持続可能なのでしょうか。
国際的に競争力のある人材に対して正当な対価を与えることができないのであれば、正当な価値を与えることができる企業に人材が流出するのは当然の成り行きにも思えます。』
非常に勉強になった一冊。
「グローバル統合に対応できる人材」と「ローカル適合を実現させる人材」の違いに納得。
日本人で、日本語が出来て、日本文化を理解して、英語がそれなりに話せて、少し海外経験がある人材は、後者でしかなく、前者にはそう簡単になれない。この違いを日本企業が明確に意識して人材獲得競争に本気で臨んでいるようには思えない。という筆者の意見にものすごく納得。
Posted by ブクログ
企業倫理が未来を変える
グローバル企業の経営について書かれた本。
「企業倫理が未来を変える」という章は新鮮であった。
その章では、ヨーロッパに展開するスターバックスの節税スキームが記述されていた。三つの国をまたいでビジネスをする事で税を回避するという話である。これは倫理的に正しくない事であるが、相対的な判断しかできないこともある。例えば、先進国側から見たら間違っているが、発展途上国側から見たら正しいという場合である。Appleの例では、端末製造の下請けとして中国の労働者が雇用されていて、その人たちは先進国の人からすると、刑務所の様な所で生活している。しかし、現地の人からすると仕事や住む場所が与えられて、満足しているという例だ。価値基準が異なる国や地域で事業を行なっている場合、企業自身による自制が求められると感じる。
Posted by ブクログ
本書の目的は「経営学の学問的価値の底上げ」にあるようで、いわゆる経営ノウハウ本の類とは全く内容を異にしている。従って、実際の現場における意思決定にすぐに役に立つというものでは少なくともない。
経営の現場に役立たないものは経営学とはいえないのではないか、という声も聞こえてきそうだが、こうした学問としてのアプローチは、学問領域における本質を理解する、という意味で極めて有効だと思う。本書においては、経営学の本流をなす学説とその成り立ち、更にそらら成立の背景や境界を接している学問との関連などをかなり網羅的に論じており、経営学の領域での知見を広げるという目的においてはよき手引書だと思う。
思えば、15年ほど前に某大学で経営学という学問を初めて学んだときには、「量的適応」という極めてミクロな領域がテーマであったが、本書は国際経営論という、まさに対極であるマクロ経営学とでも呼ぶべき内容で、私にとってはこれまでもっていた学問としての経営学に対するイメージを修正する内容であった。
ただ、残念だったのは、想定する読者層が今一つ明確でないことだ。内容としては、最大手の企業関係者ではなく、そのフォロワーのポジション向けと思われるのだが、提起されている戦略理論を実務に落とし込んでいくには、フォロワーの組織能力レベルではかなり厳しいと思われる。特に、バリューチェインの中で影響力を行使できるポジションをとれるようにするというのは、現実的には最大手でも難易度が高いと思われる。やはりマッキンゼー流というところなのだろうか。
Posted by ブクログ
・気鋭の経営学者による「国際経営という旅のガイドブック」。
・経営学という「学問」であるため、止むを得ないところかもしれませんが、抽象論が多く、実際の業務で直接役立つという部分は少なかったかもしれません。
・一方で、視野・視座というところでは、ヒントになるような部分も多かったように思います。
■原材料から最終製品に至る価値連鎖の中で、力を持つことができるのは誰なのか。
■グローバル統合への圧力とローカル適合への圧力のそれぞれの強弱で、取り得る戦略の方向性が異なる
などなど。
・少なくとも、自分自身の知見がまだまだ不十分だと思い知らされるきっかけになりました。
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