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端正な容貌の陰に悪魔のような狡猾さを秘めた犯罪貴族グルナー男爵と、名探偵ホームズの息詰まる対決を描く「高名の依頼人」をはじめ、中世の伝説にまつわる怪奇な事件を解決する「サセックスの吸血鬼」ほか「ソア・ブリッジ」「三人のガリデブ氏」等、円熟の筆致で描く12篇を収録する最後の短篇集。
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Posted by ブクログ 2014年10月25日
これで本当にホームズシリーズは最後の作品になる。この頃にはドイルはただの推理小説作家ではなく、国際的に見ても有名な人物になっていたようだから、あまりの忙しさにホームズを書く暇がなくなっていたらしいですね。しかし、その合間に素晴らしい発想を有した物語を書くことができるのは彼のひとかどの才能によるもの...続きを読むなのでしょう。 収録内容はどちらかというと不可思議な事件に対し、ホームズが解決策や光明を照らすといった作品が多い。初期の様な悪意ある犯罪者に対しホームズが正義を下す、というような描写が少なくなっている。何故そのような変化が起きたのかは判りませんが、長く世情を観察するようになって以来考え方に何かしらの影響があったのかもしれませんね。 私が今回気に入った短編は『サセックスの吸血鬼』と『ソア・ブリッジ』です。迷った挙句一つに決めることはできなかった。前者はイギリスの片田舎に吸血鬼の仕業としか思えないような事件が起き、最初は馬鹿にして相手にしなかったホームズも詳しい話を聞くうちに進んで事件解決に乗り出すという話である。この話で特徴的なのは、最近の作家に良く見られる異常心理に頼らないで、しっかりとした論理と証言で物語が成り立ち、不快な点がないことである。後者は悪人としか思えない金鉱王からとある女性の無実を証明して欲しいといわれ、当初は彼女を犯人と思い敵視していたホームズが、最後にはとても小さな事実から真犯人を突き止める事件である。ホームズシリーズには珍しく殺人に関して明確な「物理的トリック」が使われている点は印象に残るだろう。 今作を読んで心に深く残った印象は、確かにドイルの絶頂期は過ぎたかもしれない。だが、けして作品を書くのに飽きたとかもう話が思い付かなくなったとかそういう兆候は一切見られなかったことだ。
Posted by ブクログ 2011年09月20日
ホームズも書いてる……! ホームズとワトソンのコンビが可愛いおっちゃん二人に見えてくる。 書いている作者は大変だと思うけど、ホームズものの短編集は面白いなあ。なんか、彼らの日常をずーっと読んでる感じ(それもどうなの)。 ガリデブって、すごい名前。
Posted by ブクログ 2015年01月11日
ドラキュラ、這う男など、オカルト色の強い作品が多く、推理ものとしてだけでなく楽しむことができた。個人的には「ソア橋」が正統派推理小説として読め、オススメだ。
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