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〈ヒューゴー賞・ローカス賞受賞〉タイムトラベルで21世紀と19世紀を往復する史学生の男女の冒険を軽妙洒脱に描く話題作 人類はついに過去への時間旅行を実現した。その技術を利用し、オックスフォード大学は、第二次大戦中、空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂復元計画に協力している。史学部の大学院生ネッドは、大聖堂にあったはずの ""主教の鳥株"" を探せと計画の責任者レイディ・シュラプネルに命じられた。だが、21世紀と20世紀を何度も往復して疲労困憊、とうとう過労で倒れてしまった!? SFと本格ミステリを絶妙に融合させた話題作
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Posted by ブクログ
ヒューゴー賞とローカス賞のダブル受賞を果たした本書は、コニー・ウィリスの人気シリーズ<史学部シリーズ>の第2弾。
いったいこのシリーズだけでどれだけの賞を受賞したのか気になるところです。
全2巻。シリアス路線だった前作「ドゥームズデイ・ブック」と異なり、今作はどたばたコメディ。抱腹絶倒もの。
そして単なるどたばたコメディではなく、SF、ミステリー、そしてラブロマンスも兼ねそろえた充実ぶり。こういうと、ごちゃまぜな感がありますが、うまくバランスが保たれているのは、著者の技量によるものか。
ウィリスのシリアスな作品も好きですが、どちらかというと「まれびとこぞりて」のような作品が好きな自分にとっては、もの凄く楽しく読み進めることができました。今回は結構笑ったなぁ。
相変わらず「人の話を聞かない登場人物」の存在が強烈。もはや様式美ですね。
本書では、前作に比べてさらにドギツイ登場人物が登場します。それはもちろんレイディ・シュラプネルとミアリング夫人(他にもたくさんいますが…)。なかでも烈女シュラプネルの理不尽を通り越した要求の数々には、怒りを通り越して、思わず笑ってしまうほど。この女、殆ど登場しないのにかなりの存在感。苦難苦悩、紆余曲折を経てようやく見つけた主教の鳥株に対して彼女が投げ掛ける一言には、「こんのクソババア!」と返したくなりますが、これもまあ彼女らしいといえば彼女らしい。
一方、肝心のSFの部分では、カオス理論を基軸とするタイムトラベルの仕組みが少しばかり明らかになるところも。
ここでのタイムトラベルは、過去に戻って出来事を変えることにより、未来を変えることが「できない」とされます。したがって、未来を大きく変えるような過去での行為は、そもそも「過去では行えない」か「その後の調整により無効化」されます。「その後の調整により無効化」とは、最終的な結論が同じになるよう、未来に大きな影響がない範囲で途中のプロセスが改変されること。こういった幾つかの制約、そして神の見えざる手により、未来は保全されるのです。
ところが、本書ではタイムトラベル上では「できない」とされていた行為が行われてしまいます。
それは過去の「モノ」を現在に持ち込むこと。
なぜ実現不可能な行為が行われてしまったのか、そしてその影響とは…?
このあたりの謎を解明することが、本書のミステリー要素の核となる部分。そして、本書の終わりに明らかにされる壮大な仕掛けは、「おおきな風呂敷を広げたなぁ」との印象が拭えません(笑)。なぜかヴォークト「イシャーの武器店」のラストを連想したこの大風呂敷。果たしてきちんと閉じられるのでしょうか。
さて、文庫版の装丁にもなった犬のシリルと猫のプリンセス・アージュマンド。
この2匹にとにかく癒される本書は、頁数の多さが気にならないほどストレスフリーに読み進められる傑作でした。
Posted by ブクログ
時は2057年。いくつか制約があるもののタイムトラベルが可能となった時代。オックスフォード大学はコヴェントリー大聖堂の復建に協力している。同大学史学部の院生である主人公のネッドは復建に必要な”主教の鳥株”をみつけるように命じられ過去と現在を行ったり来たりするのだが疲労困憊で倒れてしまった。ちょっとした休暇をとるために19世紀ヴィクトリア朝に軽い任務とともに派遣されたものの任務を忘れたままで行動していたら時空連続体の存亡をかけて奮闘することに……。
主軸はタイムトラベルSFであるがミステリであり恋愛小説であり歴史小説でありユーモア小説でもある。下巻のレビューで改めて感想を述べます。
Posted by ブクログ
暴君の上司にこき使われて休む暇のない主人公が、ひょんなことから現代に持ち帰られてしまった猫ちゃんをヴィクトリア朝時代に戻しに行ったけど…という話。
題名からもわかる通り、「ボートの3人男」が話に絡んでくる。私はこの話が大好きなので、じゃあ読まねばならん!ということで購入。読み始めはそんなに「3人男」は出てこないし、「3人男」みたいに笑えるわけでもないし、個人的に主人公のように(は言い過ぎか)仕事がハードだったりして、そんなに読み進められなかったけど、後半、ある貴族の家を訪ねたあたりから笑いも出てきて楽しく読めた。と同時に、猫が持ち帰られたことで起きそうになっている歴史の齟齬はこの後どうなるのか、暴君上司からの無理難題の品は果たして見つけられるのか、そして主人公は休めるのか、などなど、後半に向けて楽しみなところも出てきた。続きも読みます。
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