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野宿者(=ホームレス)問題が深刻化している。いま、帰る場所を失った多くの人びとが路上生活に追い込まれている。他方では、およそ400万人の若者がフリーターや派遣社員として働いている。彼らも「若者」ではなくなったとき、社会はどうなるのか…。日本社会の最底辺で人びとが直面している現実を報告する。
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Posted by ブクログ
大阪市西成区でホームレス問題に長年関わっている著者が記したルポタージュ。ホームレスと日雇い労働は切っても切れない関係にあるが筆者も日雇い労働者としての経験があり、現在は日雇い労働者を支援する側として働いている。 ホームレスに対して「よく言われるセリフ」にも根拠を示した論理的な説明がなされている。 「...続きを読むみんなが使う場所にいるのは迷惑だ」→世の中には公有地か私有地しか無い。行き場のないホームレスが公有地に野宿するのは必然。 「家に帰ればいいのでは」→家族の絆が切れているためにホームレス化、もしくはホームレスになると同時に家族の絆が切れる。 「福祉に相談に行けばいい」→福祉事務所はホームレスに対して十分な支援ができていない。 「努力が足りない。仕事をしようとしない。自己責任。」→自己の責任と社会のせいの境界は曖昧である。雇用をイス取りゲームに例えると、必ずあぶれる人が出てくることがよく分かる。 これらのよく言われるセリフは、発言者の市場、国家、家族に対する思い込みの上に成り立っているセリフだということがわかる。 他の社会学関係の書籍でも言われているように、「経済的貧困」と「関係的貧困」の2つが大きな要因となっており、人と人とのつながりが大きな財産であることもよく分かる。 これからの格差社会の先端を行っているルポであり、人事とは思えない切実さがある。
ホームレスの現状(とはいえ2007年当時の)に関する本の中では、最もシビアな話が多いと思う。インタビューから得られた話ではなく、長く地道な活動を行ってきた著者ならではの内容。例えば貧困ビジネス、野宿者襲撃、危険な仕事などの生死に関わる問題など。釜ヶ崎の歴史から行政のホームレス支援の方向性まで丁寧に書...続きを読むかれている。支援には住居・仕事・人間関係が必要であるが、行政の支援が不十分で排除(不可視化)向かっている部分も大きいことがよく分かる。
丁寧な描写で野宿者の実態が非常によく理解できた。また、実体験に基づく内容であるだけに、これからの対応策に関する提言も非常に説得力のあるものだと感じた。 この本を読んですぐ自分に何ができるというわけではないかもしれない。しかし、少なくとも今まで持っていた野宿者の人達に対する間違った情報、思い込み、偏見...続きを読むなどは改善することができるのではないかと思う。積極的・能動的に活動を起こすことはできないかもしれないが、今後例えば子供たちとこうした社会問題について話す機会があった時、あるいは何らかのかたちで野宿者の人達との接点が生じた際に今までとは違う言動をとることができるのではないかと思う。 ・市場の失敗、国家の失敗、家族の失敗などというものは存在しない、あるのは個人の失敗だけだという類の信念が野宿者への強い偏見と差別を生みだしている。 ・解決すべきは野宿ではなくふたつの構造的貧困なのである。ひとつは、失業や格差拡大という経済的貧困。そしてひとつは、人と人が助け合うコミュニティの喪失という関係的貧困である。 ・野宿者問題の要因のひとつに地域共同体や家族の助け合いの崩壊があるとすれば、それに代わるべき人と人とのつながりが必要とされる。
大阪・釜ケ崎で野宿者支援活動に20年間携わってきた著者が、野宿者とフリーターの問題を同じ位相でとらえ、日本社会の最底辺で人々が直面している現実を報告する。「究極の貧困」を問うルポルタージュ。(TRC MARCより)
ワーキングプア、ネットカフェ難民、不安定雇用など様々な問題が取り上げられ、どんどん深刻化している今の世の中だからこそ!いつどんなきっかけで、この「最底辺」に陥ってしまうかもわからないため、決して他人事では済まされない、明日は我が身です。なんとこの著者は同志社大学の学生である頃から、大阪の釜ヶ崎で野宿...続きを読む者支援活動に長年携わっている。支援する側にまわるだけじゃなくて、自らも釜ヶ崎の日雇い労働者になり、野宿者と同じ生活を送るという経験もしている。すごい行動力・・。そんな著者の渾身ルポタージュ。読み応えは抜群。衝撃的なデータやエピソードが満載。夢中になって読みました。
これまた、中身の濃ゆすぎる1冊でした。仕事中にホームレスが職場に来たのをきっかけに、読んで見た本。日本最大級のスラム街と言われる大阪釜ヶ崎のリアルな実態。著者が自ら日雇い労働者となり、本当の現場を長期間体感してきたルポタージュ。しかも同志社OB。
この本を読むまでは、路上生活者は気楽な自由人で、 一日寝て、のんびりとした生活を送っていると 思っていたが、思い違いをしていたかもしれない。 野宿をしている人が何気ない人から、理由もないのに 暴力を振るわれて、生命を失い、また、不貞になることもあり、また、不貞になると、野宿から抜け出すことが難しくな...続きを読むる。また、生活保護も役所から、なかなか、受けることができず、最終的に路上で、命を失うこともあることが分かった。しかし、でも、新宿の動く歩道で、浮浪者がたむろして、においがすごくて、地下道を歩く人も少なくなり、スラム化しつつあったので、天幕の撤去は、今では、正しかったと思っている。それら、野宿の人は、かわいそうだが、周りの人の迷惑も考慮してほしい。そこで、4つにしました。しかし、筆者は、支援者としての傍観者ではなくて、実際に日雇いに参加してのルポで説得力があり、また、日雇い労働の過酷さがよく描かれて、実態がはじめて知りました。
ネカフェ難民 寄せ場 ホームレスとhomeless(意味が全く異なる) 釜ヶ崎 シモーヌ・ヴェイユ ドヤ街 コンドラチェフの長期波動 釜ヶ崎暴動(1961) 結核(釜ヶ崎は世界最悪の感染地とも呼ばれた事がある) シノギ(路上強盗) みやうち沙矢『勉強しまっせ』(西成について差別的な説明がなされ、話し...続きを読む合いの場が生じた) 加藤組(かつて存在した暴力的な土建会社。同様の会社に山梨県の朝日建設がある) カイザ南津守(建設中に崩壊したマンション) アスベスト除去 アジアンフレンド(アジアからの出稼ぎ労働者のための支援組織) 90年釜ヶ崎暴動 エコノミークラス症候群(車中に住んでいる人がたまになる) 『バカの壁』(文中にホームレスについて触れている箇所がある) 行路病院(釜ヶ崎の人が運ばれる病院の通称。点数稼ぎ、身分の為に不適切な診療が行われる事がある) ホームレス襲撃(放火、刺傷、爆破など) 景観置物(ホームレスが寝るのを防ぐ為に置かれる事がある) 椅子取りゲーム カフカの階段(作家、カフカの父への手紙を引用して作られた考え方)
講演会で生田さんのナマの話を伺う機会がありました。その前に本は読んでいたのですが、想像していたより声のトーンも静かな、押し付けがましくない包容力を感じさせる人だったのが印象的でした。生涯を社会問題の活動に投じる覚悟とその行動力に感銘を受けました。この本も薄い社会調査などを吹き飛ばす厚みがあります。
寄せ場の歴史を迫力をもって、伝えてくれる本。 表紙にもあるが、「20世紀は難民の世紀と言われた。だが冗談抜きで21世紀はホームレスの世紀となる可能性がある」との一節は、リアルだ。 私は横浜駅周辺で路上生活者の夜回りをしたことがある。一人ひとりに声をかけた。それはかけがえのない経験だった。 ...続きを読む 足を運ぶ。このことの大切さが身に染みる。
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