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Posted by ブクログ
『戦争広告代理店』の人の新刊!!日本では概念さえ定着していないPRを駆使する国家もテロ組織も避けては通れない現代のメデイア情報戦の内幕。日本に一番かけている分野だなあ。PR会社や大手広告代理店と契約するのでは無く、その幹部を直接政府高官に認容する合衆国のすさまじさ。中国が(形式上でも)民主化し、メディア戦略を持った魅力的なリーダーが出る前に、日本は倫理面でのリードをキープしつつメディア情報戦を勝ち抜けるPR力を持たないと危ないぞと。そして、内政も外交も含め、演説以外はいまいちのオバマ大統領だが、情報の取り扱いだけは超一流なんだなと認識を改めた(とはいえ、ダメな部分が大きすぎてそのずば抜けた能力を生かせているようには思えないが)
Posted by ブクログ
ページ・ターナーとはまさにこのこと。テンポ良く繰り出される国際プレーヤー達の巧妙なPR事例にグイグイ引き込まれる。何度も読み返したくなる類の本ではではないけど、酒の肴にするには持って来いのまさに「新書の鏡」。中東情勢のブリーフィングにも良い。
読みやすい一方でしかし終章の指摘は重い。確かに最近の日本には、敗戦後三四半世紀にわたり獲得してきた「アジア随一の民主・平和主義国家」としてのアドバンテージを、自ら手放すかのようなエピソードが散見されるような気がする。戦勝国中心の価値体系が正か否かは措くとして、折角国際社会のマジョリティーから賞賛されるまでになったんだからもっと上手くやろうよ、という著者のプラクティカルな提案はイデオロギー云々と無関係に受け入れられるべきだと思う。
Posted by ブクログ
面白い本は、電子書籍でも一気読みしてしまうんですね。
というか、電子書籍はどんどんリンクして読みすすめられるので、かえってヤバイ。
本書は、「戦争広告代理店」で一世を風靡したNHK報道ディレクターによる、<今起きている>情報戦を描いたものです。
「戦争広告代理店」と、その後に続く「大仏破壊」が激烈に面白かったので、高木さんの新刊が新書で出るというのには驚きとともに期待が高まりました。
その期待を大きく超えて、素晴らしい内容でした。
「戦争広告代理店」を読んで、面白かったと思った方にはお勧めです。
ごく最近の話題にも触れていて、知らずに居たことが多いです。
インターネット時代は、話題になった情報の拡散が爆発できで、そういった「いびつ」な状態での情報の流れがあたりまえになっています。
その中では、ブランドを失うのも一瞬ですし、名声を築くのもあっという間です。
それらの状況が、しかし、「プロ」の手で、出来事ごとに分析され、蓄積され、最適の振る舞いが提案され、その振る舞いを、細心の注意を払い周到に準備しリハーサルを繰り返し、世界の世論という大きなうねりのタイミングを見計らってメディアに載せることで、ある程度<コントロール>された情報爆発が起きます。
これは不可避の状況で、日本も情報鎖国でいることはできず、むしろ今世界が持っている日本への良いイメージを訴えていくこと、そのために専門的な分析者を要することなどが必要と訴えられており、そのとおりだと思いました。
しかし、表舞台にたつというのはしんどいことですね……
Posted by ブクログ
国際メガメディアを使ったPR戦略が,国際政治を動かし,冷戦後の世界の紛争に多大な影響を及ぼしている。ボスニア紛争で注目されたこの手法が,国際世論をどう動かしてきたのか,その力学を,ビンラディンやボストン爆破事件,2020オリンピック招致を巡る駆け引きを通して眺めていく。
民族浄化というバズワードを設定し,切り取りやすいシンプルで明快な発言(サウンドバイト)をメディア受けする要人に語らせ,ミロシェビッチを極悪人として描くことで(サダマイズ),「セルビア許すまじ」と人々の感情に訴えかけたPR会社。その手口は洗練されていて,プロパガンダの新潮流を感じさせる。重要なのは,決して法に触れる行為はしないこと。一方当事者に肩入れはしても,意図的に虚偽の情報を流すようなPRは御法度。不正が明らかになったときのダメージは大きく,不正は明らかになるからだ。その制限の中で,いかにして目的を達成するかがポイントになる。
国際政治のプレーヤーに必須の情報戦略。これはもはやゲームの前提であって,当然ウクライナで現在進行中の事象でも活用されていると見るべきだ。日本は,というといささか心もとなく思えるが,五輪誘致成功に見られるように,まったく話にならないというレベルでもないようだ。
Posted by ブクログ
○NHKのディレクターで、数々のドキュメンタリー作品や著書のある、高木徹氏の著作。
○国際的に行われるメディア戦略や、情報戦の重要性について、アメリカのPR会社の担当者への取材や、メディアのキーマンへの取材、具体的な情報戦略の過程や結果を通じて、これからの日本のメディア戦略のあり方を描いた作品。
○単なるインタビューやニュースだと思っていたことの裏側に、これほどまでに深く・幅広い戦略が練られているということを初めて知った。また、とても興味深かった。
○単純にテレビや新聞を読んでいるだけでは分からないが、これからは、裏側の戦略についても、目を向けてみたい。
Posted by ブクログ
「重要な情報こそ外部に発信し、それを武器とすることが国際社会で不可欠。情報戦とは、情報を少しでも多くの人の目と耳に届け、その心を揺り動かすこと。いわば出す情報戦。・・・いかに他の人に伝えるかが勝負」という前書きの筆者の説明が本書の内容を端的に表すもの。それを、ボスニア戦争、ビンラディン、オバマなど実例を使いつつ、具体的な展開を説明していく。日本への提言もあり。
名著であることは疑いない。但し、前著の戦争広告代理店の内容をまとめたというボスニア戦争時の情報戦の内容が非常にインパクト強く良く纏まっている一方、それ以降の話題がやや長くインパクトがボスニアほどではなく、読書の高揚感が徐々に薄れていく感あり。
Posted by ブクログ
今(2016年)からたった25年ほど前までは、「如何に情報を守るか」が主流だったように思います。当時は「情報を出す」行為は基本として「ディスインフォメーション工作」の一環として存在し、それをどうやって見破るかが主眼だったと記憶しています。
現代においても「情報を守る」ことや「ディスインフォメーション工作」は当然存在しているのだと思いますが、それよりも、現代の情報化社会では「情報を出すことで、世論を形成する」ことが、より大きな影響を社会に与えることを本書は教えてくれます。
本書は序盤で、今では一般にも有名になった「ボスニア戦争」におけるルーダー・フィン社によるPR戦略で戦争の勝敗をも左右させた例や、2012年のアメリカ合衆国大統領選挙(バラク・オバマ氏が勝利した選挙)を具体例として、「情報を出す情報戦」とは何かが記載されています。
中盤からは、ビンラディン氏率いるアルカイダと(主に)アメリカ合衆国との非対称戦において、両者が繰り広げた情報戦に留まらず、ビンラディン氏殺害や、ビンラディン氏亡き後の非対称戦を具体例として、より深く現代の情報線について掘り下げています。
我々一般市民もまた、情報戦の真っ只中にいること、否、むしろ情報戦の張本人であることを明確な形で気づかせてくれる貴重な一冊です。
【本書抜粋 高橋徹】
目の前の情報が、なぜいま、このような形であなたのもとに届いたのか、情報源からあなたまでの間にどのような意志と力が働いたのか、それを推察し見抜くことで、世界が全く違う姿となってたち現れてくる。
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