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“せどり”(背取、競取)とは、古書業界の用語で、掘り出し物を探しては、安く買ったその本を他の古書店に高く転売することを業とする人を言う。せどり男爵こと笠井菊哉氏が出会う事件の数々。古書の世界に魅入られた人間たちを描く傑作ミステリー。
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Posted by ブクログ
短編六話。かなり面白いです。一話目から引きつけられ、最終話は完膚無きまでやられました。わたしら普通の人でも、(なんらかの)狂気を抱えているものと思いますが、その手の話となり、「せどり」ストーリーのピークを迎えます。いやあ、しばらく寝かせてた本ですが、見事、熟しました。
ビブリア古書堂に出てきて、ビブリアのアンソロジーで読んで面白いと思ったため、読んでみました。ビブリアよりも本に狂ってしまった人々が淡々と綴られていて、かえって狂気ぶりが際立つように感じる。 しかし40年前に書かれたとは思えない古さを全く感じさせない文体。著者が雑誌記者だったと聞いて納得です。
古書をめぐる人々のお話。 古書に異常に執着する人の姿が恐ろしく、でも面白かったです。本当にこんな人たちがいるのだろうか、それともたまたま私たちの目には見えてないだけか、と考えながら読んでいました。 古書というものは人を狂わすほどの力というかものを持っているのかな。 最後の話の人の肌をそいで装丁する話...続きを読むが狂気を強く感じました。私にはとても考えられない世界です。
せどり屋の語りが思ったより爽やかで読みやすかった。古書に狂う気持ちもわかる。最後の話はホラーだけど嫌いじゃない結末だった。 シリーズでもっと読みたかったな
古書マニア達にまつわる連作で、ミステリぽいのも、ホラー気味の話も。 今だと「せどり」は本に限らず、ネット通販の言葉になったかも。
古書に人生を賭けた男とそのミステリー。数々の奇書とそれを巡る人々が狂ったかのごとく書に突き進む様子が面白い。
梶山季之は初めて読みましたが、古さはあまり感じず面白くさっと読めました。 ちょっと最後の話はグロテスクてしたが、実際にあったとしたら頷けるところもあり。
古書に纏わるミステリ短編。表紙が厭にホラーな感じですが、然程無いようにマッチしてないなーなんて油断していたら、最後の1編「水無月十三公九」でしっくり来た感じです(笑)どれもこれも面白い!愛書家ならうんうん、と頷きながら読み進めてしまう事でしょう…不健康ですけれども。 このシリーズもっと読みたいです...続きを読むね。ボリュウムがもう少し欲しかった…!
"書物の魅力に取りつかれた人々の少し変わったミステリ。 古本の中には、希少であったり、シリーズものがそろっていたりすることで、とてつもない価値をもったものもある。また、蒐集家にとってみれば、何が何でも手にしたいものがある。そんな書物にまつわるお話が6話ほど。 最後の話はホラーといってもいい...続きを読むかもしれない。"
ビブリオ古書堂はライトノベルの会社から出ていますが、エンターテイメント性はある程度あるものの、内容的にはライトノベルというものではないと思います。普段本を読んでいる人にも十分アピール出来る普遍性のある小説だと思いました。 さて、そのビブリオ古書堂に出てくる本はどれもこれも古典作品ですが、好きな作品に...続きを読む出てくると読んでみたくなるのが人情。そういう意味でもとてもいい本だと思います。 その中でも「せどり男爵数奇譚」という本が気になって仕方がなかったのでいい機会と読んでみた次第です。思ったようなミステリーではなく、せどり男爵といわれる男を取り巻く古書にまつわるエピソードが連作として書かれています。古書がいかに人を狂わせるかという事が主眼に書かれていて、読めば読むほど古書マニアと読書好きは違うものだと思います。エログロ的にかなりえぐい話もあります。 所謂業界小説という側面からも読めそうですが、そうだとするとずいぶん物騒な話ではありますね。 ちなみに「せどり」というのは古本屋で価値のある本が安値で売られているのを買い、転売して利益を得る仕事の事です。
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