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Posted by ブクログ
はしがきと第一章はとても読みやすく引き付けられる。が、第二章からはちょっと難しくなりました。なんとか6割くらいは理解できたかな?と思います。構造主義を説明できるレベルまでは至っていないように思う。『寝ながら学べる構造主義』も買っているので、さらに理解を深めたい。
構造主義とは「世の中には共通するパターンがある」という理解だが、小川哲さんの『言語化するための小説思考』に、多くの原理の抽象化は似た構造に突き当たるというような言及があり、似ているなと思った。私はこういう共通点を見つけるとワクワクします笑。
物事の見方(視野)が広がるような良い読書でした!
Posted by ブクログ
「現代思想入門(2022年)」から「寝ながら学べる構造主義(2002年)」を経て本書。一番古い本(1988年)だがカジュアルな語り口も構造主義の成り立ちが読みやすく分かりやすい。「寝ながら・・・」が構造主義の面白トピックを取り上げて掘り下げという印象なのに対し、本書はレヴィ=ストロース中心に構造主義が出来上がる流れを押さえている感じ。単独で湧き上がってきたものでなく言語学、数学、物理、神話学とかいろんな分野と絡みながら、また繋がってるのが分かり驚き。内容的にも歴史的にも。数学や物理周りの関連は理系には馴染みもあり読みやすい。
「寝ながら・・・」を読んだ際にインセストタブーの話でなぜ遺伝的な影響を一切触れないのかなあと思ったが、しっかり説明あり興味深く読めた。そういう話ではなく、もっと根源的なコミュニケーションに基づく文化 (構造) の話であると。この界隈では常識なのだろう。大元の根っこのなぜは分からないが、本能的に進化的に (人の脳の構造的に) そういうものということなのか。
全般通してどの分野も根本的な普遍性のある統一的な理論は難しいのだなあとつくづく感じる。そもそもそんなものがあるのか、人間が理解できるものなのか、ASI (人工超知能) がブレイクスルーするのか、AIにも構造が宿るのだろうか興味深い。
Posted by ブクログ
数学や物理学の進歩が人々の思想にも影響している、という説明は明快で共感できるものだった。今後は背景にあったヨーロッパ的思想の推移を理解することで、構造主義の理解を深めていきたい。
①
数理: ユークリッド空間におけるニュートン力学の成功が、理性による"(唯一の)真理"(↔︎啓示による真理)に依拠する時代を導いた。
思想: カントの「純粋理性批判」における問題意識には、理性による真理が強まった社会背景が関わっている。(人間が各々持つ"真理"像の解釈)
②
数理: ニュートン力学では説明できない現象が非ユークリッド空間で説明された(相対性理論, 量子力学)。これにより、唯一無二と思っていた真理が相対化された(公理(前提)の置き方次第で変わる)。
思想: 構造主義が公理の置き方次第で真理が変わる、という考えを突きつける。
Posted by ブクログ
ソシュール「一般言語学講義」
世界は言葉によって切り取られている。例えば、水や湯と日本語で表現されるものも英語ではWaterのみで表現されている。このように、世界から言葉を切り取って認識している(物質世界≠言葉)
これを、言語の「恣意性」と呼ぶ
言語システムを複雑化することで精神世界を複雑にすることができる。言葉が何を意味するかを発展させる
音も、シニフィエもシニフィアンも対立によって規定されるわ
交換のための交換が基本、それが特殊に変化して経済が現れるにすぎない
真理は制度である。時代によって人が社会が勝手に決めるもの
よって唯一の真理はなく、その時代、社会で制定される
定理は公理(それの証明が使用のないほどの定説)により証明される
Posted by ブクログ
インタビューデータの質的分析は主観的にならざるを得ない.インフォーマントの語りも事実を語っているわけではなく主観に引きずられている.そのようなデータをどう分析すれば良いかと言う点で構造主義が関係してくる.というわけで,構造主義の超入門書を読んでいるが『はじめての構造主義』がとてもわかりやすい.
この本は数学や物理学と結びつけて「構造」を語っているのだが,客観的に存在する物体を見ている主観的な私(主体)との関係で世の中が見えていることを示していて,私(主体)の視点が異なれば客観的な世の中の見え方も変わること,その中で不変なのが構造であると言っている.ユークリッド幾何学で記述できる我々の世界と,脳に投影されている射影幾何学の空間は数学的な変換で関連付けることができる.変換によっても不変なのが「構造」である.こういう説明を読んでなるほどと思った.
Posted by ブクログ
構造主義のこれ以上ない入門書。『寝ながら学べる構造主義』も読んだが断然こちらがオススメ。中高生のうちにこれを読んだ人が羨ましい。
第1部はレヴィ=ストロースの伝記とソシュール一般言語学の系譜。ここは他の本と大差ない内容だが、構造人類学の方法論の記述はかなり詳しい。本書は中高生向けに特別易しく書いてあるらしいが、橋爪大三郎の文章は本当に読みやすい。
そして本書の白眉は第2部、構造主義のルーツ。構造主義の入門書でよくあるのが、ヘーゲル→マルクス→サルトルの近代哲学の流れを概説した上で構造主義の革新性を説くもの。これも興味深いが、そもそも実存主義に至るまでの哲学の流れが非常に難解だし、ゴリゴリの哲学と言語学、人類学の対決というとどうにも話が噛み合っていない印象を受ける。本書の最もすぐれた点は、これとパラレルに展開する数学史(あるいは、西欧の知の歴史)の流れから構造主義を語るところだろう。
ここで下手くそな要約を垂れ流すのは無意味だろうから、是非とも橋爪先生の文章で読んでいただきたい。キリスト教の凋落に伴う科学の隆盛、中高レベルの数学・物理の成立史、そしてその根本を揺るがす非ユークリッド幾何学の登場、「数学は哲学」たる所以の現代数学。一つ一つの物語それ自体が冒険活劇のように面白く、それでいて構造主義の解説としてこれ以上なくピッタリくる。久々にこんなに面白い読み物に出会った。
すっかり説明してしまった後で「これまで構造主義を紹介した人びとは、ソシュール以来の言語学とのつながりを、少し強調しすぎていたようだ。」(185P)と締める。橋爪先生カッコよすぎます。
あまりにも良い本すぎて、中高生のうちに読んでいればと悔しい気持ちにさえなった。良い本の証だろう。
一方で、こんなにわかりやすく解説されてしまうと、なんだ構造主義ってたったこれだけのものなのか、という気にも。内田樹の方の本にも、そういえば現代社会で構造主義は当たり前になりすぎていてもはや意識されることは少ないとあった。
むしろ「たったこれだけの」考え方に衝撃を受けた近代主義の方が、今となっては驚きだろう。
橋爪先生はこういう感想までもお見通しなのか、あとがきには「もういちど近代主義にさかのぼっていくというのも、面白いんじゃないだろうか。」(230P)と。いやはや参りました。
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