少女外道

少女外道

小説・文芸
611円 (税込)

3pt

戦前の日本。裕福な家庭に育った久緒は、出入りの植木職人・葉次が苦悶する姿を見て、苦しみや傷に惹かれてしまう「外道」の自分を自覚する。そして「この感覚は、決して悟られてはならない――」と誓う。人には言えない歪みを抱きながら、戦前~戦後の日本をひとり生きた女性画家の人生を描いた表題作。ほか、火葬場で初めて出会った男女2人が突然、人の倫理を飛び越す「巻鶴トサカの一週間」など、彼岸と此岸、過去と未来を自在に往還する名手・皆川博子の傑作短篇7篇を収録。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    少女外道
  • タイトルID
    :
    246575
  • 電子版発売日
    :
    2014年02月14日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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少女外道 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    いつもながら、読む手が止まらなくなる本。
    どんな内容なのか、全然説明できないのに、面白い。
    登場人物に感情移入もできない。
    作家が高齢だからか、戦時中の話が多いが、祖父が帝国陸軍だったため理解できる。
    哀しいけど、仕方がない現実。
    そして、狂ってるのか正気なのか、その境にいるのかわからない、つかみ所のない女性がよく出てくる。
    その目を通じて描かれる世界の奇妙さ。
    やはり、好きだ。

    0
    2017年02月28日

    Posted by ブクログ

    再読。数ある皆川作品の中でも特に好きな短編集。
    「少女外道」というタイトル通り、「少女」という存在が発見した(見る側にとっては発露というほうがしっくりくるような)「外道」についての作品ばかりが収められている。黒田夏子さんの解説を読んで気づいたけど収録作中で涙を流した少女は「祝祭」の少女だけ。涙を流すという行為が少女としては一等外道。

    何が外道だこれしきと感じる人もいるかもしれないけれど、客観的に見てどの程度外道であるかなんてどうでもよくて自分を外道だと思うその心が大事なのです。

    0
    2014年05月02日

    Posted by ブクログ

    著者の本は戦争を境にして仄暗い世界観で統一されている。文学的で好きな文面だけど、明るさや希望といった類のものは無い。
    マイノリティな部分を内に秘めた少女たちの物語。生は暗く死は松明の灯りのようにぼんやりとだけど淡々と描かれている。最後の話は作者の話なのかな、と思うほど、他の話よりリアルだった。
    短編で読みやすい。

    0
    2020年08月10日

    Posted by ブクログ

    面白かったです。
    日常を超えた世界に憧れ、まわりの決める結婚をしないだけで「少女」たちが「外道」とされる…黒田夏子さんの解説で、惹かれる書名の意味がやっと解りました。
    それならわたしも「外道」なので、久緒や苗子や倫に近しいものを勝手に感じてしまいます。でもこんなに凛と立ててない。。
    「隠り沼の」と「標本箱」がとても好きです。囚われ、壊れたり逝ってしまったり。
    戦争の影響も色濃く漂うお話たちでした。

    「そのあとにつづく躰が生きている私の時間を、私は思った。空無の中で、空無を包み隠す肉体は、しぶとく生きている。」

    0
    2019年11月13日

    Posted by ブクログ

    物語の時代背景は、戦前から戦後。軍国主義の風が吹き荒れる風潮の中で、おそらく女性はその地位を不当に貶められたであろう。「少女」ともなればなおさらのこと。虐げられる存在たる少女は、一方で「女」としての独特の厳格な道徳性をも求められる。時代の波の中で、何気ない日常を送りながら、要求される「道」を少しばかり「外」れてしまう少女たちの物語が、本書には七篇収められている。
    少女が日常生活の中で、おのれの心と周囲との小さな齟齬に気づいたとき、彼女の心は道を外れ始める。皆川博子はそんな少女の心情とそれとは無関係に流れてゆく日常生活を静謐に描く。文体のせいか、行間からはほのかな官能性が漂う。道を外れた少女の心は恐ろしいが、美しい文章に乗せられてむしろ耽美な浪漫性さえ帯びてくる。
    少女たちは周囲の「道」から外れたおのが心に閉じこもりながら、しかし、心の隙間から冷徹な視線で日常を見ている。周囲の大人たちは、そんなことには気づきもしない。少女ゆえ、道を外れても凶暴になったりはしない。どこか狂った少女はむしろ甘やかさをまとっている。
    甘美な調べに乗って読み進むと、いつしか読み手の心には凪いでいた水面に風がさざ波を立てたようなざわめきが残る。
    収められた物語の多くは過去・現在・未来の時制を往還しながら進んでゆくが、少女の心はいつしか彼岸に跳んでおり、これらの物語は「死」を予感させる。究極の安寧としての「死」は、これらの物語に通底するモチーフのように思える。だからいずれの物語も、読後、不穏な安心感をもたらしてくれる。

    0
    2019年05月08日

    Posted by ブクログ

    苦しみや痛みに惹かれる傾向を「外道」というのが 迫力がある。出征する恋人のために手まりの中に自らの小指を入れる。後年それが 手まりの中で からころと音を立て・・・
    そんな 血の匂いを感じながらも美しい世界。
    古風な言い回しがとても美しい幻想的な小説でした

    0
    2018年08月27日

    Posted by ブクログ

    『少女』『外道』『敗戦』なんかが全体に共通して絡んでくる短編集。

    皆川さんの本はなんと感想を言っていいのか…言葉にするのが難しい。
    とにかくこの雰囲気と文章の美しさが好き。
    ラストのしめかたもいつもすごく素敵だと思う。

    今回特に好きだったのは、『少女外道』『有翼日輪』『標本箱』かな。

    0
    2018年06月05日

    Posted by ブクログ

    久々に“純文学”を読んだ、と思った。
    著者が70代の後半頃に書いたという作品集。エンターテインメント性は感じないけれど、そういう枠とは別の意味でとても面白いというか、興味深い。
    戦中、そして戦争の前後の昭和の時代の物語が多くを占めていて、そこはかとなくエロスとタナトスが漂っている。

    物語の中身や流れというよりは読んだときの感覚を大事にしたくなるような作品ばかりで、だから今回は敢えて詳しい中身には触れないでおく。
    時系列の飛び方に特徴がある物語もあって、きちんと読んでいないとその繋がりを見落としてしまう可能性もあるのだけど、分かるとその繋がり方に感心してしまう。

    死というものが常に漂うから、不思議な色香を感じてしまうのかもしれない。
    その2つが表裏一体だなんて、こんなにも感じる小説はなかなか無い。

    少女の頃、他人が傷つき苦しみ血を流すのを見てうっすら興奮を感じてしまう、そういう種類の「外道」。

    「巻鶴トサカの一週間」「隠り沼の」「標本箱」とくにこの3篇が好みだった。

    0
    2017年01月19日

    Posted by ブクログ

    皆川博子の短編集。

    頁数は文庫本で250強と少ないが、中身は圧倒的に濃い。

    どの編も戦時中の少女の体験が描かれるが、作者の経験が元になっているのだろうか。

    変幻自在の作者の、文学の香りが非常に強い作品。

    0
    2016年10月09日

    Posted by ブクログ

    どれも少しずつ人の道から外れた話だが、そういうものを扱う作品に強く心惹かれたことはない。それは、自分が正常であることの証明となんとなく思っていたが、この本を読んでみて、自分の中にも「外道」の部分が潜んでいると気づく。
    人の心の闇を、おどろおどろしいだけではなく、美しく鮮やかに見せてくれ、自分ひとりではたどり着けないところへ連れて行ってくれる。80歳を超えている筆者の作品を、これからも1篇でも多く手に取っていけるよう願っている。

    0
    2014年06月23日

少女外道 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    少女外道
  • タイトルID
    :
    246575
  • 電子版発売日
    :
    2014年02月14日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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