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東日本大震災のさい、人々は互いに譲り合い、整然と行動した。自分を犠牲にしてでも弱い者を救った。これは、決して見返りを期待しての行動ではなく、絆や他者への信頼、思いやりの表れであった。このような絆や互酬性の規範をソーシャル・キャピタル(社会関係資本)という。ふだんは目に見えない、しかし、教育や健康等に大切な役割を果たしている社会関係資本をどう育み、活かすのか。第一人者が理論と実践を紹介する。
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Posted by ブクログ
地域包括ケアが言われているが、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)の豊かさが、結果を左右すると思われる。社会関係資本が影響を及ぼす分野は、1企業を中心とした経済活動、2地域社会の安定、3国民の福祉・健康、4教育、5政府の効率、がある。そして教育と政府の効率は、社会関係資本を築く要因でもある。しかしこ...続きを読むれを築くには時間がかかるが、壊すのは簡単であり、その最大要因は経済格差の拡大である。最終的にはこの格差に伴う不平等を是正するにはピケティと同じ結論になるようだ。ソーシャルキャピタルを学ぶには基本的な良書であった。
目的: 人とのつながりが、なぜ重要か、社会科学的に理解するため。 感想: ソーシャル・キャピタルの入門として良書。 わかりやすく、コンテクスト、先行研究がまとめられている。ソーシャル・キャピタルとは、一般的に人々に協調的行動を促す「信頼・規範・ネットワーク」だと定義される。 特に、社会関係資本が...続きを読む不平等によって毀損されるという議論が面白い。筆者は、社会関係資本を豊かにすることが社会に不可欠であると論じており、そのためには不平等の改善が急務であるとまとめている。 また、社会関係資本のダークサイドとして、悪いネットワークや規範の強制の議論が見られる。この部分は、人間的に成長することが不可欠だと思う。
デジタル化で私たちの人間関係がどう変わるか、興味があります。よく考えたら、その前にそもそも絆とか社会的関係をよく知らないと思い、本書を読みました。 基本的な知識を得るには十分な内容だと思います。
本書を読んだ感想として、本書ではソーシャルキャピタル、いわゆる社会関係資本についての概要や構成要素、私たちに及ぼす外部経済、社会関係資本の崩壊の原因や暗黒面、そして、豊かな社会関係資本を築くための方法について紹介されている。 私は社会関係資本について本書を読むまでは知らなかったが、言われてみると当た...続きを読むり前のことであると感じた。社会関係資本は私もすでに持っている物であり、その重要性についても「コネ」や「人脈」という言葉で一部であるが知っていた。また、私は教員を目指していることもあり、教育関連の書物においても、児童生徒、同僚、保護者、地域との豊かな人間関係を築くためには「信頼」が大切であるとしばしば書かれている。これも豊かな社会関係資本を築くための方法の一つであると言える。 このように社会関係資本は私たちにとってあまりに身近なものである。しかし、あまりに身近にありすぎて私はそのことについて意識することはなかった。本書にもあるように「社会関係資本は誰もが空気のように当たり前のものとしてきたものだが、現代では希薄になっているのかもしれない。 」と述べられている。この言葉にあるように社会関係資本について見直し、再認識する取り組みが重要なのではないかと考える。
ソーシャル・キャピタルを理解するために読んだ。 初めて聞く概念だし、その「蓄積」(あるコミュニティでの)というのは、 目に見えないものだけに定義付けを行うのを困難にも感じていたが、 要するに、人と人との関係において、誰しもが感じているつながりや それを誘発させるもののことであり、その際の暗黙のルー...続きを読むルのことを 言うようだ。 著者はそのわかりやすい例として、「星の王子さま」における王子さま とキツネとの出会いの場面を引用していて、市場に内部化できない (内部化すると人の心を踏みにじる)「心の外部性」という言い方で わかりやすく解説していた。 ほかにもソーシャルキャピタルが生み出す数々の効用や、また、この 日本でも既に深刻化している「格差」というものが、どれほどこのソー シャルキャピタルを破壊するものであるかにまで言及していて、あらた めて強く興味を抱いた。
ソーシャルキャピタル(社会関係資本)に関する概説書。パットナム『孤独なボウリング』以外にも欧米の知見を幅広く紹介しながら日本との比較を試みている。新書ならではの読みやすさもあって、社会関係資本ってどうして大切なの?と思った方にはイントロダクションとしておすすめ。
最近の新書は親切設計なものが多い中で、久しぶりに読みにくい新書だった(笑)。 ソーシャル・キャピトルは、本書では「社会関係資本」と訳されている。 それは、「人々の間の協調的行動を促す『信頼』『互恵性の規範』『ネットワーク(絆)』を指す」とされる。 欧米の研究を紹介しつつ、社会関係資本が経済活動、地...続きを読む域社会の安定、健康、教育水準から、政府の効率にまで影響を与えると説く。 本書では一応、その「ダークサイド」(しがらみや村八分を生むなど)も指摘しているが、やはりその正の効果を述べたところが圧倒的に多い。 社会関係資本の所有には男女差があり(中高年の男性は乏しくなる傾向があり)、経済格差は社会関係資本の破壊につながりやすい。 大体は、そんな内容だったように思う。 社会関係資本の計測の難しさは筆者も述べていたが、そのこともあって日本をフィールドにした研究が少ないらしい。 やはり社会構造が同じでない以上、欧米の事例がたくさん紹介されていても参考にしかならない。 日本での研究が蓄積されるのを期待したい。 著者は2000年代からソーシャル・キャピタル論を発表しているのだが、今この本が新書として出たのは、やはり「震災後」だからだろう。 やはり2000年代から、我々一般人にも届くようになった格差論や無縁社会についての議論、あるいはコミュニタリアニズムとも結びついていきそうな気がする。 繰り返すが、もっと研究が進んでいくことを期待している。 しかし、それが世に出るとき、「絆が大事」という分かりやすい結論だけが一人歩きして、地に足の着いた議論ができなくなるのでは・・・という不安が頭をかすめた。
【読書その23】3月11日の東日本大震災の影響に以降、より注目された絆や他者への信頼、思いやり。このような絆や互酬性の規範をソーシャル・キャピタル(社会関係資本)という。そうしたソーシャルキャピタルが教育や健康等において、どのように大きな役割を果たしているのか、その可能性を論じた本。 ここで注目され...続きを読むているのが、ソーシャル・キャピタルにとる健康と福祉の向上。アメリカのペンシルベニア州の田舎町であるロゼトや、長野県の須坂市の事例の紹介。そこでは、コミュニティの結束が介護などの社会的支援の提供を容易にし、健康上の規範の強化につながるという。 確かに、自分自身、上越での生活保護のケースワーカー時代に見たのは、兄弟家族、友人等から切り離された、コミュニティと断絶した方々の生活だった。そこでは、生活習慣が乱れ、健康上にも問題を抱えているケースが多く、そもそも仕事探し以前の問題があった。 コミュニティとのつながりがあるかどうかで、生活に他者の目が入り、その中でしっかり頑張ろうという緊張感・インセンティブが働く。 なんとか生活習慣病対策を出来ないかを考えていたのを思い出す。 そういう意味ではやはりソーシャル・キャピタルの重要性を改めて痛感した。
「人にとって一番つらいことは、社会的孤立とそれに伴う孤独ではないだろうか」・・・人生の最後まで孤立感を持たずに生きられる社会の構築を課題とする問題意識が著者にはある。 社会関係資本・・・と訳されるソーシャルキャピタルについて、上記の問題意識のもと概要が説明されている、まさに入門の書。 信頼...続きを読む・規範・ネットワーク、互酬性と信頼性の規範、という要素を中心に、そもそも社会関係資本という漠然とした、この目に見えないものについて詳しく定義付けというか、先行事例を踏まえて内容を説明している。 もちろん、戦後こうした社会関係資本は「しがらみ」として、そこから脱却しようという傾向が社会的に顕著であった。 つまり、ネットワークや関係性の強化は、そうした「しがらみ」を強化し、村八分を生むようなムラ社会を生み出していく。また、経済の平等が(=格差を減らすことが)ソーシャルキャピタルを成長させるには欠かせないという指摘は大きな気づきであった。 本書は全般的な「入門書」であり、特に著者の主張が強い部分は無いが、「きずなのための平等」という点は、社会関係資本を考える上で重要な視点であると感じた。
ソーシャルキャピタルは、簡単に言うと、人と人、社会との相互信頼や絆としてのネットワークであると解釈した。それを強めていくことが人との人との関係性、仕事の中での生産性、教育、政治経済、といった自分を取り巻く大きな範囲までその影響をうけることから、その重要性について理解できた。ソーシャルキャピタルが強く...続きを読む形成されていればそれは好転するが、弱い、または、ない状況には社会問題や経済に悪い影響を及ぼす。 また、時代の変化により、ソーシャルキャピタルが希薄化し、格差社会によりその溝がさらに深まっていく悪循環の恐れがある。資本主義経済において、今後の世の中で格差社会をなくすことはできないと考える。格差を格差と感じさせない、表面的には格差がある上でもソーシャルキャピタルが築いていけるような人との関係性、地域との関係性を作っていくことが重要であり、それが好循環化、社会の好転に繋がっていくことも理解できる。問題は、どのようにそのような社会を作っていくか。 個人としては、日常での人とのつながりや長い人生を考える上で、人との関わり方、自分の幸せを感じられるような生き方と振る舞いを意識して生活していきたいと思う。 メモ ・社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)とは、その定義には実にさまざまなものがあるが、わかりやすく言えば、人々が他人に対して抱く「信頼」、それに「情けは人の為ならず」「お互い様」「持ちつ持たれつ」といった言葉に象徴される「互酬性の規範」、人や組織の間の「ネットワーク(絆)」。おおざっぱに言えば、これらの社会関係資本によって、集団としての協調性や、「ご近所の底力」といった、市場では評価しにくい価値が生み出される。
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