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Posted by ブクログ
いや、もう、たまりませんな。手塚治虫亡きあと、本当に諸星大二郎の新作を読むことができる次代に居合わせた幸せよ。何度も書くけど、本当にそう思う。
Gの日記、グリムの悪夢のような世界をそのまんまえがいた素晴らしさ。全編にわたって漂う灰色。悪夢であるから、名前もはっきりしない。「夢十夜」を諸星が描くとどうなるんだろう。
トゥルーデおばさん、主人公の女の子の性格がいちばん怖い。これもグリム「らしく」、パンを踏んづけて泥沼に落ちていく女の子を思わせる。
夏の庭と冬の庭、現代に戻ってほしくなかった。いっきに怖くなくなって、ちょっと鼻白む。どうせならコミックスの最後に、エピローグみたいな形で掲載してほしかった。赤ずきん、展開は読めるけれども、ピーターがかっこいいからときめいた。
鉄のハインリヒ、これはそのまま。あえてのナウシカだが、これはあの世代の人には永遠のテーマなんだろうか?
いばら姫、ネムキにはいちばん合っている気がしたが私はさらっと読んでしまった。
ブレーメンの楽隊、好き。普段はファンタジーより現実モノが好みなんだが、諸星に関しては真逆になる感じ。
ラプンツェル、これが本当の御大の真骨頂。悪夢であり旅人であり、淡々とシュールであり、薄い恐怖が折り重なって灰色の読後感が残る。
8編の短編、中編集。ぜいたくで恍惚とした時間でございました。
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