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40年にわたって論文執筆と審査に携わってきたがん研究者が、卒業論文から学会発表まで、説得力あるドキュメントと惹きつけるプレゼンテーションの極意を指南する。文系、理系を問わず、知的三原則"簡潔・明解・論理的"がその秘訣。三原則にしたがって論文、申請書をどう書くかを具体的に説明する。グローバル化が進む21世紀、英語とのつきあい方、学び方についても実践的に説く。待望の知的表現力講座開講。
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Posted by ブクログ
主に論文の書き方、発表の仕方、情報の集め方など学問・研究向けに書かれた本だが、これらのノウハウは応用が効くので読んでよかった。 文章の書き方に関する本はたくさん読んできたが、多分これが一番参考になる。日本語でものを書く時は、 1必要なときには主語は略さない 2短い文章を書く 3名詞の修飾は短く ...続きを読む4読点は、分かりやすさと読みやすさで決める 5語順はわかりやすさで決める 6あいまいな表現は使わない 7英語に直してみる 上記の7点を意識すると、読みやすく、すっきりとした文章が出来上がる。7は今まで見たことのなかった視点で、これは同時に日本語の曖昧さを意味することもあり興味深い発見だった。
著者は医師で,医学の権威。大学生の本分は,理系だろうと,文系だろうと,「自分の考えを文章にまとめるという,もっとも基本的な訓練」(iii頁)にあり,これからの英語の正規を生きるためには,まずは日本語でしっかり内容のある話ができていかなければならない。こうしたテーマの中公新書には,木下是雄『理科系の...続きを読む作文技術』が先行図書に挙げられるが,そのエッセンスとなる役割が本書にはある。 日本語の非論理性を認識したうえで(第2章),知的な文章を書くために必要な三原則「簡潔・明解・論理的」を確認し(第3章),説得力のある文書の書き方を,論文,申請書,説明書,エッセイなど,媒体別に解く(第4章)。 近年,スティーブ・ジョブズやアル・ゴアのように,人を惹きつけるプレゼンテーションを感じる若者が多い。しかし,彼らは決して魅せることだけに力を入れていたわけではない。ここでも必要とされるのは,「簡潔・明解・論的的」の知的三原則であって,彼らが事前の十分な準備なし成し遂げてきたわけではない。 結局のところ,文系と理系は,筋道を立てて考える点で,本質的に同じであり,英語を話すにしても,ネイティブをめざすのでなく,Globish=「英語を母語としない人々(ノン・ネイティブ)の間の共通言語」として話すのが,日本人にふさわしい知的な表現力であると,著者は主張する。 各章の最後には,「3行にまとめた大事なこと○点」と名付けられた節が設けられ,まさに「簡潔・明解・論理的」に章内の内容を要約している。また,新書レベルとしては,巻末の引用文献,参考文献が充実している。このあたりは,著者の拘りであるととともに,文章の書き方に拘りを持つ中公新書らしさといえよう。学部ゼミの副読本としても使用した。
唐突に「理系・文系の区別は日本にしか無い」という話から始まる本書。 この話は、「知的文書の重要性は文理を問わない」ということを伝える切り口となる。このように著者なりの機転やユーモアを交えて、わかりやすい文章とは何か、著者は説く。 本書の特徴を2つ挙げよう。 1つは、様々な参考書籍や論文を引用しな...続きを読むがら、知的文書の書き方を分析的に解説している点である。この引用が絶妙で、本書の記載を手堅いものにしている。例えば、他人に理解させるためには、すでに述べたことを前提に論理を展開していく文章構造をとるべきだが、これは "Legget の樹" と呼ばれる構造で的確に示される。 もう1つは、医学系研究者である著者の知識である。例えば日本語の欠点として著者は以下のように述べている。 ------------------------- (「第2章 日本語は非論理的か」より抜粋) 医師としての私の診立てによると,日本語は次の三つの症状あるいは病気にかかっている. (1)主語欠乏症 (2)文法不定愁訴 (3)あいまい症候群 この三大症状を把握し,対処療法を施せば,日本語で論理的に表現し,知的な作業を行うことができるはずである. ------------------------- 文法が人によりころころと変わる日本語文法の不定性を、医学用語を援用して「不定愁訴」と表現できるのは、著者くらいだろう。 後半は「英語の重要性」「パソコンの登場」というトピックに対する著者の散文に近いものになっているが、機知に富んだ表現で最後まで面白く読むことができると思う。
英日翻訳に際して文章の組み立て方を学びなおそうと読み始めた。 読み返すべき箇所が多々あるので購入決定。 著者の専門は医学者だからだろうか。 エビデンス主義な書き方や切り口が現代風。 これからのクラシックになるかも。 文章の素となる思考を整理するためにも、大学の初年度生や高校生の討論用テキストに採用...続きを読むされていけばとよいと思う。
まさかこのタイトルの本に、谷崎や三島の名前を見ることになろうとは、思っても見なかった。 著者の黒木先生はがん研究者であり、それがこの本の購入動機にもなった。 「知的文章」に関しては、先の日本の文豪等からも引用し、その教養の広さに驚かされた。 「プレゼンテーション」に関しては、正直、あまり学ぶと...続きを読むころがなかった。 というよりも、先生とは考え方が合わないようである。先生は、あまり派手なプレゼンを好まないようであるから。 「日本語と英語」に関する考察も非常に興味深い。 "Globish"や"Glopanese"という造語は、これから私にとっては、キーワードになりそうでもある。
分かりやすい文章、プレゼンとは何か?を、抽象論から具体的な方法論まで染み込みやすい流れで書いてくれている。特に参考になったのは、日本語の特性と、日本語が世界からどう見られがちなのか、ということ。例えば、〜と思われる、のような表現は欧米人からすると、自信がないか混乱しているかのようにとられてしまう。 ...続きを読む 方法論の部分は自分が普段から気をつけていることが多かったが、体系的に整理する良いきっかけとなった。 特に英語でのコミュニケーションを必要とする人は必読だろう。
面白かったし、参考になった。 簡潔でわかりやすい文章を書く、わかりやすい説明をするということは、自分にとって到達すべき目標となっている。そのために何を心掛ければ良いかについて、本書で書かれている。 アカデミックな世界にいる研究者、大学生や院生向けに書かれていると思われるが、一般の企業や官公庁に勤めて...続きを読むいる人にもオススメ。
誰にでもわかりやすい文章を書く注意点から、理系文系の問題、英語の必要性、パソコンの必要性にも言及している。
大変失礼だろうけれど、このお年でこの内容の書籍を書けるというのは凄いことだと思いました。本書でもの足りなければ参考文献が巻末に羅列されているのでさらに学習が深まりそうです。
コンピューターに使い慣れている世代としては、最終章は不要だった様に感じられるが、その他の情報はとても参考になった。 文章の書き方、組み立て方がわかり易く紹介されており、特に日本語と英語両方を駆使していかねばならない若者の世代には役に立つ一冊であると思う。
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