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国難の今こそ、政・官の言葉を検証し、自ら思想を鍛え、ヴィジョンを示せ。東京都が進める「言語力再生」の目的とメソッドを紹介。グローバル時代を生き抜くコミュニケーション力とは?グローバル基準の言語技術、俳句・短歌、ツイッター等のソーシャル・メディアを検証。
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Posted by ブクログ
今考えるとすごい速度で出版されたんだな。 3.11以降の政府の動きなんかをベースに、東京都の副知事が世界と渡り合える、あとマスコミと渡り合える「言葉の力」について書いてる。ということは、東京都が進めている、言葉の力を陶冶するプロジェクトの紹介でもあるわけです。 自分の考えを伝える技術、...続きを読むって云うけども、本書に書いてある程度の能力であれば在野にいっぱいいる程度の人材だと思うのです。顧みれば、まぁだいたいはまともに「正社員」とか「公務員」とかやってない人々で、このくらいの空間把握や、情報伝達の技術を持っている人はいくらでもおる。 問題は、そういう人がまともに今の世の中で公務員をやったり、世界と渡り合ったりする気があるかどーか、という話なんじゃないの、と読んでて思うのだった。今ァ偉くなっても、叩かれるばっかりでそんなに旨みがないものね。 ただ、書いてあるエピソードとか、いわゆる「霞が関文学」とか、そういったエピソードの一つ一つは面白かったし、これからの基礎教養だといって良い部類の話だとは思うので、★5つとしました。
この本を読んで猪瀬都知事のイメージが随分と変わりました。小説家としての語り口は洞察が鋭く、都知事としての知識バックボーンの骨太さを感じました。 ”国民ひとりひとりが「プランナー」になってほしい。” という言葉からは、地域づくりに関してそのまちの構成員に主体性を求めている猪野瀬氏の姿勢が伝わって...続きを読むきます。 ”アメリカ人は思いつきでなんでも書く。日本人は困ると白紙回答。” なるほど、確かにこれは僕の留学経験からも納得させられる事です。恐らくその背景には、「正しい解はひとつであり、それ以外の回答を書いても恥をかくだけ」という意識が自然と日本の教室文化から醸成されてしまっているのだと思います。 ”大事なことは疑問をもつこと。「なんで?」「どうして?」の繰り返しだ。 疑問をもてば、それについて自分に回答しなくてはならない。自分を納得させるだけの根拠が要る。根拠を得れば、他人に説明することもできる。 ” ”好きか嫌いかは直感だ。しかし、「なぜ」と聞かれた場合には、なぜ好きかと思ったのだろうと考え、とりあえず言葉で説明しなければ他者との対話は成立しない。説明すればするほどウソっぽくなってしまうのなら、また考えればよいのだ。そうやって煎じ詰めてみれば、もともと日本人は俳句や短歌という文化伝統をもっていたのであり、的確な説明が苦手とは限らないのだ、と思う。” ずしりと突き刺さる文章ですね。根拠ある発言をしようとするのにはエネルギーを要します。気の知れた友人と政治や歴史など「根拠が求められる」話がなかなか日本ではしづらいのは、普段から当たり前の事に疑問をもつ習慣がないからだとつくづく思います。 ”家長の意識とは、自分も国家の構成要素、つまり一部分を担っていて自分で責任を負うという意味である。体制にただ不満をぶつけているより、どうしたら解決できるのか、道筋をしめしたほうがいい。国民ひとりひとりが家長の意識を持てば、国民を監視する体制ができると思う。納税者とは、国家に支配される存在ではなく、税の使い道に責任を持つ統治者の立場だ。 ” 本当にその通りです。政治家や行政に対してただ批判するだけで、当事者意識を持っていない大人があまりにも日本は多すぎます。この風潮はマスメディアが作り上げている部分が大きいとしても、「じゃあ自分はどう変えたいのか、そのために何をするか」、その議論をもっと家族レベル、友達レベル、地域レベルで活発にする必要があるはずです。 ”小泉さんには「言葉」があった。その後を継いだ首相たちを見ていると、「言葉の力」が次第に失われている。 安倍さんで「緊張感」が消え、福田さんで「夢」が消え、麻生さんで「知性」が消えた。“宇宙人”の鳩山さんで「リアル」というものが完全にすっ飛んでしまった。 そして管さんで跡形もなく消えたもの。「言葉の力」である。 ” もの凄い洞察力ですね。生粋の政治家ではなく、小説家という別のプロフェッショナルの道を歩んできたからこその視点。鳩山さんで「リアル」がすっ飛んでしまった、というのには笑ってしまいました。 とにかく、猪瀬さんという一人間の考え方がよく分かる、非常に面白い一冊です。
ひさびさに自分の中に変化を起こしてくれる刺激的な本にであった。 言語技術、日本の教育の中で不足している部分。これをいかに養うか。 自分も特に不足している部分であることから、これを機に心がけていきたい
仄かに、著者の自慢話めいているところはなきにしもあらずだが、東京都の2枚看板である作家政治家の一人として、「言葉の力」がヒトとしての基本だよという信念を熱く語る。
2013年2冊目。 再読だったが、改めて、「こんな教育受けてみたかった!」と思う事例が満載。 世界基準に置いていかれていることを強く感じる。 今からでは遅くはないと、言葉の力の強化に努めたい。 どの仕事であれ「言葉の力」が必須であることが分かった以上、 あらゆる仕事に就いてゆく子ども達を育てる教育...続きを読む者こそ、 本書を読みとおして欲しい。 ==================== 2011年58冊目。(2011年12月15日) 「感性とはすなわち論理なのだ(p.140)」 直感的に物事を捉える背景には、それまでの人生経験や歴史の中にリンクする部分がある。 過去のどのエピソードや言葉にリンクしているか、 そのエピソードや言葉と、直感的に捉えた「今」の間にある関係性はどんなものか、 それをきちんと論理的な言語に落とし込めてこその「感性」だと感じた。 全体感の中の「今」を捉える力は大事。 「今」という点を、ただ点のまま捉えるのでは不十分。 歴史感という縦軸があれば、線の中の点として位置を得られるし、 そこにグローバルという横軸も加われば、平面の中で座標を得られる。 そうやって点を配置するための敷地を設ける事を自分はまだまだ疎かにしているし、 知性を感じる人はこういう平面をしっかり持っている気がする。
言語技術の大切さについて平明に述べられている。海外ではキチンと教える技術で、批評、分析に関する技術みたいなものかな。そういうところから入っていって副題にあるように作家の視点で国をつくるっていう。活字離れについてや、諸々良識に基づいた話。言語技術に関しては面白かったので更にもう少し触れてみようかなと思...続きを読むう。いろいろ為になるし、さらに深めようと思う良書。
一人メシではつい何かしら文字を追ってしまう活字中毒(※自分)や、日本語が自在に操れるメリットだけでも来世も日本人に生まれたい日本語フリークは、少なくとも読んで損はしない
「買ったすべての本を完読しなくてもいい」という提言は目からウロコだった。考えてみれば辞書を買ったって全項目読むわけじゃないよね。 この本は「言語技術」というのがテーマだが、あくまでも入門書として著されているような気がする。とはいえ書かれている猪瀬氏の言葉は、読むこちら側の頭の中のバラバラのピースをは...続きを読むめ直し、考えるためのフローチャートを構成してくれる役割を果たしてくれる。猪瀬氏を好きか嫌いか、という観点とは区別して、氏のものを考える方法に関してのレクチャーはわかりやすいし、参考にしたくなる。
言葉の大切さ、言論の有用性を緻密に論理立てて説かれている。 ペンの力を信じる人にとっては、現代の言葉力の低下を危惧する。
「『絆の回復』はかんたんではない。『言語によるコミュニケーションの回復』こそ、ひとつの力強い道筋であると思われる。」(あとがきより) 絆は言葉の力によって培うものだということがわかる本です。
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言葉の力 「作家の視点」で国をつくる
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合本版 猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」全16巻
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