歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ

924円 (税込)

4pt

日本人の心の原風景として語られることの多い唱歌だが、納税や郵便貯金、梅雨時の衛生などの唱歌がさかんに作られた時期がある。これらは、ただひたすらに近代化をめざす政府から押しつけられた音楽でもあった。だが、それさえも換骨奪胎してしまう日本人から、歌が聞こえなくなることはなかったのである。唱歌の時代から「うたごえ」そして現代までをたどる、推理小説を読むような興奮あふれる、もう一つの近代史。

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歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年10月22日

    唱歌、卒業式の歌、校歌、県歌、労働者の歌をそれぞれが作られた社会状況に照らして分析する。

    地理唱歌、唱歌遊戯、1891(明治24)年「小学校祝日大祭日儀式規程」の制定などなど

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    Posted by ブクログ 2011年10月28日

     明治12年という早い時期に新政府は西洋音楽の導入を始める。目的は芸術・文化の向上などではなく,「日本国民」を作るためだった。「コミュニティソング」をキーワードに,明治から昭和までの歌の歴史をたどる。
     西洋音楽の導入は,日本を国民国家としてスタートさせるにあたり,近代的制度や生活に必要な知識の普及...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年08月02日

    あまり芸術研究ではメジャーではない音楽分野に関する詳細な調査と分析、そして自身の文化論の主張の明快さが特徴。

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    Posted by ブクログ 2021年08月03日

     音楽を巡る近代史、あるいは近代史における音楽に関する本、と言えば良いだろうか。
     まず第一章では、維新政府がスタートして早々の明治12年に、後の東京音楽学校の前身である「音楽取調掛」が設置されたことから始まる。それは西洋の"芸術"を導入しようとしたものだったのか?それは、近代国...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年05月17日

    鉄道唱歌をはじめとする唱歌や、校歌や県歌などの成立を知ることができます。県歌の代表例として、信越本線が歌われている長野県歌のエピソードが載っています。

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    Posted by ブクログ 2011年01月20日

    序盤面白かったが、後段になるにつれ少々期待外れ。近代装置としての唱歌がその受容によって変容していくのは興味深い。

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    Posted by ブクログ 2011年08月19日

    古くは“音楽取調掛”による唱歌の作曲・選定から校歌・県歌・社歌の普及、そして戦後の「うたごえ運動」まで国民と共にあった「合唱=コミュニティソング」の姿を現代の音楽的解釈とは別の社会的立場から読み解く。「国語」の成立は「国民国家」の成立に不可欠だったように「唱歌」の存在も「国語」の敷衍になくてはならな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月11日

    明治~高度経済成長期あたりを中心に、唱歌、校歌、社歌、それにうたごえ喫茶などの背景にある時代背景やイデオロギーを語る。

    度々筆者が言及しているのが、現在の価値観だけで捉えてはいけない、ということ。全体主義的と思えたりヘンテコな歌詞だと思えるものも、当時の社会情勢からするとそれが当然だった可能性があ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年12月21日

    いま私たちがくちずさんだり、郷愁を覚えるなどと形容する唱歌や校歌といったものが盛んにつくられた近代においては、それらには国家のような大きな力による大衆の啓蒙や知識づけ、扇動……いってしまえばプロパガンダ的な要素があったということを論じている。論文の構成で、ですます調で書かれているような感じ。
    唱歌に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年03月29日

    日本人はどうして歌うのか?
    歌の力は大きい。だから、歌の力は利用できる。でも、やっぱり残る歌には残るだけのプラスアルファがあるのだ。

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