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東京、冬。出版記念会の席上に届けられた深紅の薔薇から、惨劇の幕が開く。舞台は、ロンドン、ブリュージュ、パリを経て、再び冬の東京へ。奇怪な事件が続発し、事態は混迷の度を深めていく。精緻な文体と巧妙なトリックを駆使して、人生の虚飾と愛憎を描く長編本格推理。気高く幻想的な作風で多くの読者を魅了し続ける作家・服部まゆみの記念すべきデビュー作。〈第七回横溝正史賞受賞作〉
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Posted by ブクログ
実はかなり昔に読んだので忘れてるのですが、明らかに中井英夫を読んでいるというアピールっぷりだけ覚えています。 意外な落ちだったようですが、あれれ???
著者らしい美しく幻想的な世界観で東京、ロンドン、ブリュージュ…と舞台を変え、不穏な雰囲気の中事件が起きてしまう。真相は結構複雑だったが、ミステリとして楽しむというよりこの世界観を楽しむ作品という感じ。ロンドン塔の描写などよく表現されており、脳裏に記憶が鮮やかに蘇った。慶も命を狙われているが性格に難...続きを読むがあるのであまり同情できないし、どちらかというと主人公・亮が可哀想。
服部まゆみせんせいのデビュー作。耽美な雰囲気にどっぷりつかったミステリ。でも甘くありません。途中でうっすらと「こういうことかな?」っていうのは読めるんですが、真相はわりと意外性があって面白いです。
1987年に出版され、第7回横溝正史賞を受賞した、服部まゆみさんのデビュー作品。 あらすじ 東京、冬。出版記念会の席上に届けられた一本の真紅の薔薇から、惨劇の幕が開く。舞台は、ロンドン、ブリュージュ、パリを経て、再び東京の冬へ。相次いで奇怪な事件が続発し、事態は混迷の度を深めていく。 読み終えた...続きを読む時私は、考え抜いて作成したプロットに、緻密な文章で丁寧に肉付けしたミステリー小説だなと思った。 無駄がない。 無駄な人物も無駄な舞台も無駄な出来事も・・・。 たぶん、すべて計算されている。 もし当時この作品を読んでいたらどれほどの衝撃を受けたことだろう。 30年以上経った今となっては、目新しいトリックなどはないが、それでもこの独特な世界観と繊細な描写には思わずため息がでる。そして、そこにこそ、この物語のミステリーにおけるトリックがある。 と思う。 ただ、主人公の僕こと亮の虚無感を想像すると、切なすぎる・・・。 そしてそれを最大限に引き出す舞台がそこであることが更に無駄のない計算された作品であることを私に印象づけた。 「この闇と光」でファンになり、少しずつ残された作品を読み漁っているが、服部先生の原点がここなのかと思い感動した。 うん。私はやっぱりこの世界観が好き。
クノップフの作品をみてブルージュを舞台の作品が読みたくなり読んだが、クノップフの絵画には及ばなかった。
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