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Posted by ブクログ
償いの椅子が素晴らしかったので早速こちらも読んでみました。でも、これの次がもうあれ? 間に10冊くらい書いてないの? というくらいこっちはまだ文章がヘタ…(笑)ヘタって言っても悪い意味ではなくて、書きたいことが多すぎてまとまらなかったんだねという感じ。やはり章立てが短く、ぶちぶち切れるのでページの変わるところにちょうど当たったりして小さく混乱することもしばしば。話はかなりまとまってないし主人公かっこよくないし(そこがかわいいけど)、でもなんでしょう? 作者のこのお話や人物たちへの愛情みたいなものがもうおなかいっぱい、というくらいあふれていてどうしても嫌いになれない。本当は3つかなと思いつつ第1章のできがすごくよかったので☆1個プラス。きっと、ここで初実を書ききれなくて、梢になったんじゃないですかね。
Posted by ブクログ
「約束の森」が良かったので、沢木冬吾の過去作読んでみようと、まずはデビュー作を手に取ってみた。さすがに荒っぽい部分も目立つが、熱い小説である。ハードボイルドであり、冒険小説であり、家族小説。
時に家族小説としての側面が興味深い。「約束の森」では疑似家族が大きなテーマとなるのだが、その兆候はこのデビュー作でもちょっと複雑な過程を経て萌芽している。主人公と息子慶太の親子愛再生の物語がその主軸になるのだが、それだけではなく、引きこもりの従妹との関係や、探偵会社の同僚とも家族同然の付き合いをしているし、敵役の街の顔役とその息子、誘拐事件を追う警察官の家族や同僚との関係、殺人鬼とその相棒…、どこを切り取っても「家族」というテーマがうかがえるのである。
ハードボイルドに生きようとする主人公の滑稽さ、息をのむアクションシーン。それらもデビュー作にしてはリズムやための技術も、情熱や勢いも含めて読みごたえ満載で見事なのだが、そんなシーンが終わるごと…後半に至っては幕間にすら「家族とは?」テーマの断片がうかがえるようになる。
ハードボイルドって、しぶく孤独を感じる主人公に共感する小説というイメージがあるが、実は家族小説としての楽しみ方ができる作品が多い。スペンサーシリーズや清水辰夫諸作を例に出せば分かりやすいか。本作も「約束の森」も系譜のハードボイルドなんだと思うし、系譜の中で恥じないオモろい小説である。
沢木冬吾…、この小説家を今まで知らなかったのはちょっと恥ずかしいが、これから未読策を読むのが非常に楽しみである。
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