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Posted by ブクログ
最初と最後に頭をぶん殴られたような感覚に陥る名作だった。
一気に作品へ引き込まれて、夢中で読み進めて、最後に袋叩きに合った。
対話の中にあらゆる矛盾や関係性が隠れており、読みやすいのに読みごたえがあった
自身の思考の浅さに辟易し、対話での読みあいに舌を巻いた。
特に私が膝を打った点としては
・作中の高校生の中途半端に未熟な思考の解像度が高すぎて、生々しさを感じた。
・(ミステリ好きを)ミスリードへ誘導する艶やかな手際
・刑事が有能であり、対話によって解決していく、探偵の一辺倒な作品ではない。
・文学的要素を盛り込み、知見があるとなお楽しめる。
・捜査側と推理側のそれぞれの思惑が交差し、より複雑に絡み合ってた。
挙げればきりがないが、これだけの点があった。
つまり私もトリックに釣られて完全に油断していたミステリ好きだったということ。
当時の本格ミステリーの風はすさまじい風量を持っていたと再認識した。
Posted by ブクログ
法月氏の作品が面白いと感じたのは、ポオの時代からディクソン・カー他数々の推理作家を経て語り尽くされたと思われる「密室」にデビュー作から敢えて挑んでいる事と、本格推理に強い拘りがあり他の作品に於いてもぶれが無い事でしょうか。
それから、もう一つ言うなら、悪戯に読者への恐怖心を煽らない事ですね。因みに法月氏は、エラリー・クイーンの作品に傾倒しているようです。
さて、この作品は小説のはじめぐらいで、だいたい犯人が分ったように思えるところなのですが、実は意外なところに落とし穴があるのです。
たぶん、誰が読んでも分かりますよ・・・。逆に言えば、分かるように読者を誘導して謎を解かせる意図が垣間見えるのです。
そういう風に感じさせておいて、一読して無意味で無駄な廻り道の話も後半の謎解きを論理的させていますね。流石だと思いました!
面白い作品です。お薦めします!
(余談ですが、探偵役が論破されてしまった) トホホ・・・(T_T)!
Posted by ブクログ
お膳立てばっちしの本格推理小説。
最初は、語り口がちょっと芝居がかりすぎているように感じていたが、クラスメイトの一人が主人公に自殺未遂をした経緯を語る場面で「これは凄い!」と膝をただした。
この心理描写、その切迫感、そして絶望感。ともすれば絵に描いた餅のような滑稽さに陥りかねない(中二的な意味で)その感情を、ここまで研ぎ澄まされた言葉で語る著者の筆力に感心した。
それ以後は、物語世界にぐっと興味が湧いてとても面白く読めた。
教室にあった48の机と椅子が消えた中で級友が死んでいたという奇妙な密室、という設定をじわじわと生徒たちの反応を交えて描いていく様子や、主人公と警部との軽妙な腹の探り合いなど、非常にスリルがあってどきどきした。
それだけに、担任教師・大神(ネロ)の造形があまりにもごてごてしくて、鼻についたのが気になった。これでは読者は彼が怪しいと思うに決まっている。キャラを立てるにしても、周りとの調和を考えて、もう少し自然な感じにできなかったものか・・・。
一長一短な印象も大いに受けた作品だったが、ミステリーとしてのまとまりもなかなか。トリック自体はそれほどのものではないが、やはり心理描写の上手さが作品を生き生きとさせていると思った。
高校時代の危うい人間関係や自意識をほろ苦く、かつトリッキーに描いた作品であり、そういうところが私はとても好きだった。
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