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Posted by ブクログ
ー この日を境に、私たちのまわりでは、世界はすっかり様を変えてしまった。それまでの長い間、私の周囲は明るい太陽に照らされた楽園だった。それが突然、真っ暗な地獄風景へと変貌したのである。暗闇の世界に隠れ潜んでいた巨大な魔物が飢えた野獣のように獲物を求め、我々の世界を我が物顔で闊歩し始めたのだった。
あれから長い年月を経て一つ二つの事情が変わり、一部の条件も揃って、今ようやく、私はこの事件について発表することを許された。本当のことを言うと、私はこの陰惨な事件を積極的に語りたいとは思わない。しかし、真実はいつも一つである。それを糊塗することはできないし、私にはその権利もない。世の中の人間は、事実を知る必要がある。あの頃、日本人の一人一人が、《魔王ラビリンス》の餌食になる可能性があったというそれだけの事実からしてもだ。 ー
大時代的な言い回しやセリフ、思わせぶりな表現、二階堂蘭子のいかにもな振る舞い、探偵小説のガジェットてんこ盛りの名作。
《魔王ラビリンス》との死闘を描く冒険活劇の第一作目。
続きが気になる。
江戸川乱歩リスペクトの作風でこれはこれで面白い。
Posted by ブクログ
実は昔、二階堂蘭子シリーズは苦手だった。それが「人狼城の恐怖」を読んで、すっかり好きになって、その後読み残してたシリーズを読んだらさらに面白く読めたのだった。で、この本は、「人狼城」の事件後行方不明になった二階堂蘭子の「人狼城」以前の事件という設定になっている。で、登場するのは今後、明智小五郎に対する二十面相のように、二階堂蘭子のライバルになるべく作られた「魔王ラビリンス」の登場編。魔王ラビリンスが仕掛けた二つの事件を蘭子はあっさり解決するけど、魔王ラビリンスの正体は不明のまま、という形で終わる。その次の「魔術王事件」(講談社ノベルズ、1800円)の前振りかも知れない。「魔術王事件」は読み始めたばかりで、まだ分からないが、ラビリンスの名前はやたら出てくるので、これ読んで「魔術王事件」に行くというのは正解だろう。で、この「悪魔のラビリンス」なのだが、作中に出てくる迷路も自作かなあ、ちょっと凄い。事件も古典的なトリックのようで、ちゃんと新しく、でも昭和40年代という時代背景とマッチしたものになってるというあたりの、ムード作りとトリックの両方に気を遣った構成が好き。異様に簡単に謎を解いていく蘭子の描き方も良いなあ。二階堂黎人の作品の中では、軽めで読みやすいので、ここから入るというのもアリかも。
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小説・文芸
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