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「同期」とは不思議なもの。私には十数名の同期入社がいます。助け合い、張り合ったり、時には呆れもしますが、根っこには常に信頼と感謝の気持ちがあります。友達や家族や恋人とは違う、いわば運命共同体。同時に入社しただけで、「同期」という関係は会社を出ても年をとっても変わらず、血脈のように続くのです。
「沖で待つ」は同期の絆の物語。入社直後に福岡配属になったふとっちょの「太っちゃん」とバリバリ女子「及川」が、社会人として助け合い成長する中である約束をします。
「先に死んだ方のパソコンのHDDを、後に残ったやつが破壊するのさ。」
人に見られたくない自分の趣味嗜好の塊を託せる人、というのは同期という距離感の信頼関係があってこそ。それからしばらくして、太っちゃんは事故によって死んでしまい、及川は一人で約束を実行に移すべく彼の家へ向かうのですが…。
死によって消えるものと消えないものがそっと見えてきて、周りの人に優しくなれます。少し照れくさいけど、同期に薦めてみたい一冊。
Posted by ブクログ 2024年03月10日
3編ともおもしろいが、やはり表題作『沖で待つ』が特に良かった。登場人物、彼らの会話がおもしろく魅力的。会社の中での「同僚」という人間関係。時に共に喜んだり時には互いの失敗をフォローしたり、日々仕事の中で同じ体験を共有しており、飲むと学生時代の友人以上に話がはずんだり…。読んでいると、その人間関係がリ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月02日
読書開始日:2022年1月30日
読書終了日:2022年2月2日
【勤労感謝の日】
するすると読めた。
水谷のような人に憧れる。
久しぶりにシンプルで良い作品を読めた
難易度が高いという表現は、嫌だ無理だという表現より可能性を感じる。使いよう
【沖で待つ】
とても好きな作品になった。
弔辞のような文...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月21日
同期の太っちゃんと私は、先に死んだ方のパソコンのHDDを、後に残ったやつが破壊するという約束をする。
・大事なことは明文化する、文書に残したらやばいことは口頭で喋れ
・死なない人はいないのですが、私という現場は太っちゃんという現場よりずっと竣工が早いような気がしたのです
・「俺は沖で待つ 小さな船...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月15日
勤労感謝の日
「あまり大袈裟じゃなく、ホームパーティーみたいな感じ」ではあっても一応お見合いで呼ばれたのに、あのナリと態度の男性の方がどうかと思ってしまう私は、主人公目線…
いや、私が彼女の母なら、その場は取り繕っても、速やかにお断りの連絡を入れるでしょう
沖で待つ
太っちゃんの言葉のチョ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月23日
自分が、新入社員だったころのことを、思い出しました
仕事が上手くできず、上司との関係が悪化して苦しみ、生きるのをやめようと思って、下を向いて働いていた時に、気づいたら隣にいて、笑ってくれた同期がいました
勝たなくていい、負けないでいこうや
そんな気持ちが伝わった気がします
仕事の同期は、友達とは、...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月16日
いやー、好きっす!
短篇で、サクサク読み終わるが、もっと読んでいたいと思わせてくれる作品でした。そして、表題作ではなく、収録されていた
もうひとつの作品の勤労感謝の日。こちらがまた、面白かった。どちらの作品も共通して良かったのが、主人公女性のモノローグ。だよねー、って共感してしまいます!
好きだった...続きを読む
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