教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

858円 (税込)

4pt

一九七〇年前後まで、教養主義はキャンパスの規範文化であった。それは、そのまま社会人になったあとまで、常識としてゆきわたっていた。人格形成や社会改良のための読書による教養主義は、なぜ学生たちを魅了したのだろうか。本書は、大正時代の旧制高校を発祥地として、その後の半世紀間、日本の大学に君臨した教養主義と教養主義者の輝ける実態と、その後の没落過程に光を当てる試みである。

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教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2014年08月02日

    「教養」とは何か?
    これを読んでおけば、「教養人」という共通理解は、僕たちの世代にはほとんどないのではないか…
    本著は、大学院の講義を担当し、教育社会学(歴史社会学)の魅力を教えてくださった竹内洋先生の代表作。
    大正から戦後に至るまでの「教養」のあり方を読み解く。

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    Posted by ブクログ 2012年11月20日

    「教養」というものが興味があって、大学に入ってから哲学書などの小難しい本を買った経験のある人は自己の相対化のために読むべきでしょう。

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    Posted by ブクログ 2012年03月17日

     本書は,大正時代の旧制高校以来,日本の大学にみられた教養主義とその没落を追究する。教養主義とは,哲学,歴史,文学など,人文学の読書を中心にした人格形成をめざす主義を意味する。この学生文化は,古典の読書に限らず,高い知性を誇った総合雑誌や単行本の購読を通じて培われてきた。教養主義は,1950年の旧制...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年06月20日

    関西大学文学部教授、京都大学名誉教授の竹内洋による学生文化論

    【構成】
    序章 教養主義が輝いたとき
    1章 エリート学生文化のうねり
    2章 50年代キャンパス文化と石原慎太郎
    3章 帝大文学士とノルマリアン
    4章 岩波書店という文化装置
    5章 文化戦略と覇権
    終章 アンティ・クライマックス

     かつ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月08日

    かつて大学における基盤文化であった教養主義が、没落する過程に光を当てた作品。

    教養主義とは、人文科学(歴史・哲学・文学)の読書体験を通じて人格形成を目指すことを重んじる風潮。

    かつては中央公論などの総合雑誌やあかでみっくな文庫・新書・専門書の出版社のシンボル的存在であった岩波書店が、教養主義を支...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年10月22日

     頷けるところもあり、あまり新書を読まない自分としては、中々面白く読んだ。ただし、自分の研究テーマの結びつけることのできるような、アクチュアルな問題関心を掘り起こすという当初の目的に適ったかというと、少し微妙なところ。そもそも初版が2003年なので、約20年も前の本をして、現代の問題関心と接続できる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年03月26日

    最近、反知性主義というものがキーワードになっている。欧米の反知性主義は神を信ずるが故に知性を軽んじるようなものらしい。一方、日本の場合は宗教的な原因はあまりないだろう、果たしてなぜだろうかと思っていた。そんなとき読んでみたのが本書だった。
    各年代で日本での教養とは何を象徴するものだったのかを知り、自...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年04月21日

    私はこの文中でもときどき言及されている某大学の生徒なのですが大学生活を送っていても今までより教養というワードが話者の意図した様々な意味合いで使われているので、そもそもどういう意味・由来なのかと疑問に思ってこのほんを取ってみました。
    実際にそのような内容は必要以上にもりだくさんで、どちらかというと中高...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年03月01日

    教養そのものの在り方を見つめ直す契機となる一冊。

    「教養」とはかつて、一種のステータスであり、また同時に世を善くしようための、人格形成の一要素と認識されていた。
    しかし、1960年代の新中間層の発生に伴い、かつての教養主義は大衆的なもの、いわば大衆教養主義へと陥った。
    1970年代になると、好景気...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年08月26日

    戦前は古本屋店主・岩波巌男が夏目漱石の心を出版したことから、教養主義の代表としての岩波文化が登場。講談社とのその後の歴史を分けた経緯。「小川三四郎」の1906年頃の学生文化。そして戦前の教養マルクス主義の全盛。戦後には左翼文化人として世論をリードした丸山眞男たち。石原慎太郎、大江健三郎、そして高橋和...続きを読む

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