ホテル・アイリス

ホテル・アイリス

517円 (税込)

2pt

染みだらけの彼の背中を、私はなめる。腹の皺の間に、汗で湿った脇に、足の裏に、舌を這わせる。私の仕える肉体は醜ければ醜いほどいい。乱暴に操られるただの肉の塊となった時、ようやくその奥から純粋な快感がしみ出してくる…。少女と老人が共有したのは滑稽で淫靡な暗闇の密室そのものだった――芥川賞作家が描く究極のエロティシズム!

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ホテル・アイリス のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    年老いた翻訳家と少女の倒錯愛の物語
    冒頭の娼婦と翻訳家が揉めるシーンの
    ホテルの娘がマリ
    乱れた姿で逃げるように部屋から這い出て口汚く罵る娼婦に「黙れ、売女」と明瞭な言葉で圧した翻訳家に心が惹かれたマリ

    二人は再開するが彼はあの時の威圧はなく貧相で力なく弱々しかった
    彼女に送ってきた手紙の
    翻訳家

    0
    2017年08月24日

    Posted by ブクログ

    感動作ではない。ただ、息が詰まるような、それでいて生きている実感に乏しい場面が続く。SMも含め倒錯とはそういうものなのかもしれない。

    これからマリはどうなるのだろうか。
    物語は閉じたが、希望は見えない。

    これは少女のエゴの物語なのだろうか。思索は尽きない。

    0
    2017年01月20日

    Posted by ブクログ

    なんて残酷で美しいのだろう…と初めて感じた作品です。
    小川さんの作品はどれも傑作ぞろいですが、ホテルアイリス特にオススメの作品。
    夏の暑い日に一人でひっそりと読みたい桜庭。

    0
    2013年07月01日

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんの本の中で最もよく読み返している本です。博士の愛した数式を読破後に読んだので、この本は頭を殴られるような衝撃でした。
    主人公の少女と同年齢のときに読みましたが、この歪んだ愛の形が強く印象に残っています。

    0
    2012年11月21日

    Posted by ブクログ

    流れるような文体と100年後には童話になっているのではとすら思う小川洋子先生しか知らなかった私は、心を射止められてしまった。

    0
    2025年08月03日

    Posted by ブクログ

    母の強い支配からの逃げ道を、異様な関係の継続の中に見出すマリ。
    そんなことをされて快感を感じるくらいには、主人公の精神は蝕まれてるのかなと思うと辛い。

    0
    2023年07月30日

    Posted by ブクログ

    ホテル・アイリス 小川洋子

    ホテルで働く少女。
    売女と揉めた老人。
    老人と再会し乱暴に犯される。
    少女は惹かれる。
    SM。DV。
    小川洋子さん云うと、薬指の標本を想起させる。翻訳家の老人は、マリーという主人公の作品を描いていると言うが彼の死後その本は発見されなかった。

    少女の心情の変化が飾り気な

    0
    2023年02月15日

    Posted by ブクログ

    主人公が10代ということもあり、またそれ以外にも感情移入はできなかったのですが、主人公の伯母ぐらいの気分で読んでいました。恋は盲目ってことですかね。最後は私、ほっとしました。

    0
    2022年03月30日

    Posted by ブクログ

    「生」と「死」と「エロス」のトライアングル。
    「死」は突然やってくる。
    「死の準備」と隣り合わせで歪んでしまった欲望を
    持つ翻訳家の前に現れた少女。
    漫然とした「生」の中の住人。
    そこの住人にとって翻訳家の
    '屈折した欲望'は雷のように感じたのだろう。
    雷を脳ではなく肌で理解し受

    0
    2021年09月11日

    Posted by ブクログ

    【かくも美しき密室の調べ】

    今私が一番読んでるのは誰かと言われば間違いなく小川洋子だ。彼女の言葉はいつも一定のリズムがあり、その音はどんなに醜くくても、澄んで美しい。

    世界にぐるぐるにされた時、ヒンヤリとしたあの密室で私も髪を切り落とされたい。

    0
    2016年03月23日

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