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聖母マリアやエヴァと並んで、マグダラのマリアは、西洋世界で最もポピュラーな女性である。娼婦であった彼女は、悔悛して、キリストの磔刑、埋葬、復活に立ち会い、「使徒のなかの使徒」と呼ばれた。両極端ともいえる体験をもつため、その後の芸術表現において、多様な解釈や表象を与えられてきた。貞節にして淫ら、美しくてしかも神聖な〈娼婦=聖女〉が辿った数奇な運命を芸術作品から読み解く。図像資料多数収載。
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Posted by ブクログ
非常に面白い。 これ程ダイナミックで多面的なアイドルがかつていただろうか。 まるで合わせ鏡の奥の奥を覗くようなスリルと 痛みや苦痛の内側にある真の無垢さと人間らしさ そしてキリストが人間の罪を受け止めるように 彼女は人々の感情を全て生身で受け止めるかのようで 無原罪の御宿りの聖母マリアにはない優しさ...続きを読むと 厳しさがマグダラのマリアにはある。 これ程に様々なレッテルを貼られながらも マグダラのマリアはマリアと言う名に恥じず 不動の地位を守り続けている
前半のスリリングさは後半にはないんだけども、面白かった インターネット以降の時代には、こういう情報の流転はどうなってくんでしょうね 出版印刷より前の時代、一次資料ってものにあたれない時代に起こる情報の編集というのは面白い ポストトゥルースというけども、トゥルースな時代なんてあったのかな、それっぽ...続きを読むいのがあったとしてもめっちゃ短い一瞬だったんだろうな、インターネットが一瞬描いた夢なんだろうな 新約とか読んでもマグダラのマリアとかほとんど出てこないのに、どっからあんなイメージ出て来てんのかな、と思ってたのが納得できる これで外典とかあたり始めたらまた大変なことになるからそこは避ける
大変な力作である。エヴァでも、マリアでもない、マグダラのマリア。絵画、彫刻、文学を題材に、時代を経ながら、豊かなイメージの源泉であり続ける彼女を浮かび上がらせた著者の該博さと構想力は見事。
現在読んでいる本です。これ凄いね。わかりやすい。もうちょっとボリュームが欲しかったところですが、丁寧で良いです。でも図がちょっとわかりにくい。レイアウトをなんとかしたほうがよい気がせんでもない。
これは最高に良かった。 面白かったし、分かりやすかったし、美術史や宗教史と挟んで、文学論や文学史があるので、飽きなかった。(切っても切れないという理由もあるのだけれど…) 論理的で文学的。 私にとっての教科書。
マグダラのマリアの聖性と娼婦性がどのようにして形成されてきたかを、絵画を中心にして明らかにしたもの。読みやすい。
女性史やキリスト教についての内容以上に、芸術についての記述が多数を占めている。 それにがっかりしたわけではなく、むしろそこから女性史やキリスト教が見えてくる。 古代キリスト教から世界宗教となった現在に至るまで、淫売、娼婦であったマグダラのマリアが尼僧の象徴のようになり聖女として崇拝され、現在ではイ...続きを読むコンとなっている。 大変面白く読むことができました。
マグダラのマリア,聖書に出てくるのは知っていたが,ヨーロッパの世界でこれまで注目を集めている存在であったとは驚きだ.確かに元娼婦で悔い改めたことは事実だが,女性の象徴的な存在となり,数多くの絵画や詩に出現している.なぜここまでこのマリアに囚われるのかよく理解できない.カラヴァッジョとレーニの絵画での...続きを読む扱いを考察した第3章「娼婦たちのアイドル」が楽しく読めた.著者の考えの推移が文章の流れで把握できる,のめり込むような書き方が良い.
古書店にて108円で。主にイタリアを中心とした美術・文学・宗教のテキスト解読を通じて、西洋の想像力にとってこの聖女がどのような役回りを演じたかを詳らかにしている。四福音書には〈回心した娼婦〉という現在の一般的な見方を特徴づけるいかなる記載も見当たらず、ルカ福音書の〈罪深い女〉や〈ベタニアのマリア〉を...続きを読むマグダラのマリアに結びつけたのは、典礼や聖歌の完成者でもある教皇大グレゴリウスによるものなのだという。娼婦にして聖女という二律背反的性質は、実は後世に作られた作為的なものなのだ。
聖書においてマリアと呼ばれる女性は複数存在する。その中で筆頭に来るのは当然に聖母マリアなわけだが、その次はといえばキリストと行動を共にし磔刑と復活とに立ち会ったマグダラのマリアということになる。娼婦から悔悛しキリストの死に相対したマグダラのマリアは、聖処女としてキリストの生誕を担ったマリアとは好対照...続きを読むの存在であり、古今数多くの美術作品のモチーフとされてきた。 しかし、マグダラのマリアが娼婦でありやがて悔悛したということは、新約聖書の四福音書のどこにも書かれていない。それどころか、グノーシス主義の影響を受けた外典の福音書には、預言者・幻視者として卓越した能力を持つ彼女の姿が描かれている。 現在僕たちが知ることのできるマグダラのマリアの姿は、決して初めから固定化されたものではなく、時代ごとの趨勢や要請に応じてその意味づけを変えてきたものであるといえる。聖と俗、敬虔と官能、精神性と肉体性、あるいは人を原罪へと至らしめたエヴァと聖母マリアとの間の存在、そうした両義性を必然的に内包するからこそさまざまな解釈が存在する。そうした変化のなかで「罪深き女」というイメージも付与されてきた。 そんな、時代によって変転するマグダラのマリアを、多くの美術作品を参照しつつ丹念に追っていく。そこには多様な性格を与えられたさまざまなマグダラのマリアがいる。時代ごとにマグダラのマリアの意味づけ・解釈は変わり、そのたびに作品に描かれるマグダラのマリアはその姿を変える。その意味で、作品に表現されたマグダラのマリアの多様なバリエーションを紐解く作業とは、彼女を軸とした西洋美術の歴史を俯瞰することであると同時に、キリスト教信仰の歴史を振り返る作業でもある。
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マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女
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岡田温司
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