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楢雄は頭も悪く、鈍臭く、ただ一つ蠅を獲るのが巧かった──。ずる賢く冷淡な兄、心根は優しいが強情な弟、身勝手でエゴイスティックな父、年とともに気弱になる母の関係を描いた「六白金星」のほか、大阪の庶民のねばり強い人生を描きつづけた織田作之助(1913-47)の戦後発表の代表作。(解説=佐藤秀明)
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Posted by ブクログ
六百金星とアド・バルーンが面白かった! オダサク読んだことなかったけど文豪でこんなおもしろいのは最高!! 人間の絶望より可能性を描く文学、活き活きとした昔の大阪の描写、大好きな作家になった!
1945(昭和20)年から翌1946(昭和21)年にかけての作品が収められている。1947(昭和22)年にまだ33歳にして早逝した作家なので、若いが「晩年」に当たる。 『夫婦善哉』を中古の新潮文庫で遥か昔に読んだことがあるきりで、さして印象のない作家だったが、今回読んでみてとても良かった。読みやす...続きを読むい文章でしばしばユーモアをも交え、微妙で深みのある人間像を呈示する。特に「表彰」「六白金星」が非常に良かった。 この世代の作家の文章は、先行する世代の文章とは何か根本的に異なって、実に読みやすい。太平洋戦争中から作品を発表した作家なのだが、私の目には「戦時以前」と「戦後」とのあいだに、日本文学の「文体」に大きな断絶があるように見える。そして後者の文章の「平易さ」(あるいは工夫の無さ)は後々に更に度合いを増して、こんにちのスカスカな文体へと一直線に変容してゆくように見える。 「無頼派」と呼ばれる 織田作之助(1913《大正2》-1947《昭和22》)、 太宰治(1909《明治42》-1948《昭和23》)、 坂口安吾(1906《明治39》-1955《昭和30》) の3人はどうやら実際に仲が良かったらしく、本書所収のエッセイ「可能性の文学」の中で3人が共に酒を飲みながら語り合う場面が描かれている。この3人は何故かみんな若死にしている(織田33歳、太宰38歳、安吾48歳)。 本書の短編小説の深みのある味わいに心動かされたのだが、作家が文学観を明示したこのエッセイ「可能性の文学」も非常に興味深い。当時文壇で絶賛された志賀直哉を中心に、ほとんど宗教のように瀰漫した価値観に、織田作之助は全霊を込めて抵抗する。そうした「美術工芸品」のような小説価値は、世界近代文学から見るとほんの一部に限定されたものでしかない。「美術工芸品」としての完成は、もはやそこには「可能性」は残されていない。文学としての「可能性」、そして人間の「可能性」である。 <「可能性の文学」は果して可能であろうか。しかし、われわれは「可能性の文学」を日本の文学の可能としなければ、もはや近代の仲間入りは出来ないのである。 小説を作るということは結局第二の自然という可能の世界を作るということであり、人間はそこでは経験の堆積としては描かれず、経験から飛躍して行く可能性として追究されなければならぬ。>(P362) そういえば日本社会・文化、日本人というものが、西欧と比べると確かに「ほんとうの近代化」を経ないまま未熟さに留まり続けたという現在の現実が、ここにも表現されているように思える。 そして「第二の自然という可能の世界を作る」ということ、思うに音楽を作るということもやはりこれなのではないか、と感じ入った。 「無頼派」の3人は3人ともに独自の魅力を持った作家たちだが、織田作之助に関しては、死ぬのが早すぎたという惜しまずにはいられない。
「女の橋」「船場の娘」「大阪の女」「アド・バルーン」「世相」「可能性の文学」は角川文庫で 既読。「表彰」をはじめ、既読の作品に見られる大阪に住む人々の暮らしぶり、市井の様子がまるで絵巻物のように広がって目に見えるようです。特に「アド・バルーン」の中に描かれる、犇めく夜店、灯る明かり、賑やかな界隈は幻...続きを読む燈映写機が映し出すよう。いかに織田作之助が大阪に愛着を持っていたかが窺われます。「六白金星」の主人公、楢雄の性質や気性のせいか、何か不思議な感じのする作品。「競馬」は読んでいて何となく寺山修司を思い出しました。ラストの競馬のシーンはスリリング。連作の「女の橋」「船場の娘」「大阪の女」は何度読んでもいい作品だなと思いました。特に「大阪の女」の、娘の葉子と島村が駆け落ちするとなった場面で、葉子の母である雪子が、若い2人の理想を、夢を信じようと呟いたシーンは感動的。雪子もまた想い人と結ばれなかった過去があるからこそ、出てきた言葉だと思うと切ないものがあります。
大戦前後の短編と文学論。短編は感触がとても良く好感度高め文学論に関しても共感度高め。志賀直哉はいい書き手だと思うけど指摘していることは正しいように思う。当初文学に抱いていた違和感がうまく書かれていたように思う。ここからいろんな本を読むことができる。いい感じで小説読む気分にさせてくれるそんなテキスト群
頭が悪く、近眼で、何をさせても鈍くさいが、ハエを獲るのが巧い子供の話であるが、まるで吉本のコントのように間抜けである。
オダサクさん喰えない人だなぁというのが感想。 ある作品では「阿部定の裁判記録を探している」と書いたかと思えば、「探しているのは嘘」と書いてみたり、実際には阿部定事件について【妖婦】を書いたわけで。私小説をやり玉にあげる姿勢も眉唾で見たくなるけど、要するに「面白ければそれでOK!」ってことなのかなぁ、...続きを読むと誤読してみた。
半分は新潮文庫の夫婦善哉にも収録されていた内容なので、新たに読んだのものはそれほどなかったのですが『女の橋』『船場の娘』『大阪の娘』などの連作は、構成もなにもあったもんじゃないようなセオリー無視の小説ですが、とても面白かったです。織田作らしい奔放な人情物でした。 『二流文学論』『可能性の文学』...続きを読むといった評論はほとんど何を言ってるのだかわかりませんでした。 巻末の解説にいたっては更に何を言わんとしているのかわかりません。小説をいちいち文学という次元に押し上げる必要はなく、文学史を研究している人にはいい解説なのかもしれませんが、一般読者には完全な蛇足でした。
作之助の作品全部大好き脳内お花畑ハッピー野郎です 『アド・バルーン』がどちゃくそ好きで何回読んでも良〜〜〜!!!ってなります 『髪』は「撲られたということをここで語ることでユーモアを生んでいる」って解説では言ってるけど、私はいつもユーモア以前に作之助のこと撲ったやつ地獄で待ってろよって思いながら読ん...続きを読むでますユーモア無くてごめんなさいははは
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