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Posted by ブクログ 2023年12月07日
自身の華やかなプライベートをも恐らくは文学的咀嚼をしていた、吉行淳之介による“性”の一つのアンサーと解釈した本作。
一見纏まりの無い掌編の様なエピソード群と、女性との怠惰な交渉に、どこか終焉という単語を思わせる。
暗室という表題を、はっきり言語化するのは難しいが、一切の説明を省いたこの作品による提...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月12日
以前から読みたかった本だったが、今回、著者の写真が掲載されたカバーに新装されていたので、やっぱりかっこいいな、と思い購入。
裏表紙に書いてある、屋根裏に閉じこもる兄妹、大量に死んだメダカの挿話も特徴的だが、それだけ聞くと内容の想像がつきにくい。特に序盤は、脈絡がなさそうな感じで、様々な挿話が断片的...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
保坂和志の「草の上の朝食」で
「恋愛のようなものに、ずるずると…」という文章があって、結局保坂和志の小説では、そのずるずるはつづかなかったのだけれど、
ずるずるが続いた結果がこの小説の中にあったような気がします。
で、実際恋愛というのはずるずるが続いたり続かなかったりの結果なんだろうとはおもうのだ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年02月09日
吉行淳之介には、『原色の街』「驟雨」などをはじめとする、赤線の娼婦を扱った所謂「娼婦もの」と呼ばれる一群の作品がある。
これらは1958年3月31日を境に赤線が廃止され、その時代状況とともに終わりを迎えている。
では、その後。
吉行はどうしたか、といえば、やはり本質的には変らない。
確かに、赤線...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
数年前に奥さんを亡くした40歳過ぎの独身の作家、中田が3人の女性と織り成す関係を中心にしたストーリーです。
吉行淳之介さんの小説は好きですが、女性の視点から見ると、やや複雑な気持ちも持ちます。腹も立つような・・・(笑)
主人公の中田は、大人の女性二人と関係を持っていて、その時の気分で、二人のう...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月07日
屋根裏部屋に隠されて暮す兄妹、腹を上にして池の底に横たわる150匹のメダカ―脈絡なく繋げられた不気味な挿話から、作家中田と女たちとの危うい日常生活が鮮明に浮かび上る。性の様々な構図と官能の世界を描いて、性の本質を徹底的に解剖し、深層の孤独を抽出した吉行文学の真骨頂。「暗い部屋」の扉の向こうに在るもの...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年01月27日
言ってしまえば近代文学にありがちなクソ男が妙に股の緩い女たちと何故か溢れる色気で爛れた生活を送りまくる話。時折入る挿話は綺麗だけどさほど印象的だとは感じなかったのは色鮮やかではなかったからかな。鬱屈とした感覚がずっと続いて漆黒の沼にどぼんと飲み込まれるような本だった。ラストの運びがある意味救いを感じ...続きを読む
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