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科学の殿堂・ベル研究所の、若きカリスマ、ヘンドリック・シェーン。彼は超電導の分野でノーベル賞に最も近いといわれた。しかし2002年、論文捏造が発覚。『サイエンス』『ネイチャー』等の科学誌をはじめ、なぜ彼の不正に気がつかなかったのか? 欧米での現地取材、当事者のスクープ証言等によって、現代の科学界の構造に迫る。なお、本書は内外のテレビ番組コンクールでトリプル受賞を果たしたNHK番組を下に書き下ろされたものである。
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Posted by ブクログ
「ノーベル賞受賞確実」と言われた物理学界の若きスターが起こした「史上空前」の論文捏造事件がなぜ起きたのか?どうやって周りは気づいていったのか?が丹念に描かれ、一本のサスペンス小説のような面白さです。 研究内容や物理分野の研究の世界の特徴などはわかりやすくサラッと書かれているので、学術研究の分野のこと...続きを読むをよく知らない人にも面白く読めます。 時折ニュースで騒がれる論文捏造事件が起きる背景を知るのに絶好の1冊。 なお、この捏造論文のアイディアが実は実現できるようだ、ということが最近になってわかってきたそうです。論文自体は捏造でも、アイディアとしては正しかったのかもしれません
NHKで放送されたドキュメンタリー番組「史上空前の論文捏造」の 書籍化である。 科学の世界に彗星のごとく現れた若き研究者ヤン・ヘンドリック・ シェーン。世界中の優秀な科学者が終結するアメリカ・ベル研究所 を舞台に、彼は超伝導の世界で次々と斬新な研究結果を発表した。 物理学上の大発見だっ...続きを読むた。いくつかの科学賞を受賞し、ノーベル賞 受賞も確実視され、様々な研究機関からの好待遇でのヘッドハン ティングも行われた。 しかし、有名科学誌に掲載された彼の論文を元に、多くの科学者が 再現実験を試みるが誰一人として成功しない歳月が続いた。 そんななか、とある研究者の元に匿名のメッセージが届く。「これは あなたへの宿題です。シェーンのふたつの論文をよく見て下さい」。 決定的な瑕疵だった。ふたつの論文に掲載されていたデータは、 そのノイズまでもが完全に一致していた。 まるでミステリーを読むようなノンフィクションである。疑惑を持たれ ながらも、何故、3年もシェーンの不正が発覚しなかったのか。 共同研究者に名を連ねた著名な研究者の権威、企業が運営する 研究所と特許や利益との関係、再現実験が不成功に終わった際 の研究者たちが論文の整合性を疑うよりも「自分の技術が悪い のではないか」と思う性善説。 この論文はおかしいのではないか。そう思ってもそのおかしさを 明確に立証できなければただの誹謗中傷になってしまうんだよね。 そうして、一番難しい問題は「誰が責任を負うのか」という点。この シェーン事件は責任を負い、研究の世界から身を引かざるを得な かったのはシェーン本人のみだ。 論文を掲載した科学誌「ネイチャー」「サイエンス」の両誌には 論文を精査する能力がなく、組織には自浄作用が働かない。 研究室で長時間を過ごしていたシェーン。しかし、誰も彼が実験を している姿を見たことがなかった。異なる論文への同じデータの 掲載が明るみに出ると「間違って掲載した」とあさっりと言う。 何かに似ていないか?そう、記憶に新しいSTAP細胞問題だ。 尚、シェーンはベル研究所を去った後、故郷のドイツの田舎町で 暮らしていると言う。
最近起こった論文捏造問題に酷似している、 ヤン・ヘンドリック・シェーンの不正を取り上げていると、 インターネットでみかけて。 NHKの番組を画像を書物に落とし込んだものながら、 素人でもわかるぐらい論文内容の超伝導を易しく説明してあり、 インタビューした人物やその場の雰囲気が伝わってきて 非常に面...続きを読む白かった。 ベル研究所と共同研究者バートラム・バトログの高名さに目がくらみ、 画期的な発見と信じ込んで興奮し、 追試できない自分たちの技術の無さに落ち込み、 実験のノウハウが企業秘密になっているのではないかと疑心暗鬼になり、 誰かが追試に成功したらしいという噂話をメールで飛ばし合い、 画期的な実験マシンがあると思い込んで「マジックマシン」と名付けたり、 論文内容に疑問を抱くようになってからその「マジックマシン」が壊れたという噂に踊らされたり、 世界の研究者さんたち、あなたたちオレオレ詐欺にだまされている被害者とどこが違うの? という人間ドラマとして。 また、ミステリーとしても非常に面白かった。 サンプルを見せてもらえないベル研の同僚が感じる疑念。 研究者にとって子供とも言えるサンプルを全て捨ててしまっているらしいという噂の中、 新しい方法で超伝導の新記録を樹立したという論文が発表され、 その方法が納得できないと多くの人に広がる疑惑。 マジックマシンと思われていた実験装置を他の人が使うことになり、 シェーンが実演してみせたが実験は失敗し、しかも彼の技術が拙いことが露見。 その直後、二人きりで車で移動するシェーンと高名な共同研究者。 矢継ぎ早過ぎる論文発表、またその中身の理論と美しすぎるデータに対する疑問をもとに、 研究所内で行われたシェーンを招いてのセミナー。 セミナーで納得できる説明がなかったことによるの内部告発、 そして本人に直接確認するという研究所上層部の失態。 不正ではなく間違えてしまったというシェーンの申し開き。 ベル研究所の研究者からの他の大学への告発、 そしてデータの使い回しに気付いた他大学からベル研究所を含む関係各位への告発、 調査委員会の設立、ついに捏造と結論付けられた論文。 正直、そんじゃそこらのミステリーよりも面白かった。 最近、日本での論文捏造が問題となった研究についても、 税金が使われていたことに怒りを感じたが、 このシェーンの論文捏造には世界各国で10億円以上の費やされたことともに、 若い研究者たちの時間とキャリアが無駄になったことにも、 問題の大きさを感じた。
12年前に発覚した,科学史上最大の捏造事件。その経緯と背景,科学の抱える課題について,綿密な取材に基づいて描き出した好著。 現在日本を騒がせている事件との共通点の多さに改めて驚く。若き研究者,権威ある科学者との共著,有名研究所,メディアへの露出,再現実験の不首尾,同業者からの告発,図の使い回し,「単...続きを読む純なミス」との弁解,インパクト重視の学術雑誌の問題,熾烈な研究資金獲得競争,行き過ぎた成果主義…。違っているのは,分野が捏造の起きにくい物理系(超電導)であったこと,三年の長きにわたって発覚しなかったこと,その間ヘンドリク・シェーンは『ネイチャー』と『サイエンス』に計16本もの論文を載せていること,それと,弁護士なんかは登場しなかったこと,くらいだろうか。 12年も経って,なぜ教訓が活かされなかったのか。幸い今回は発覚が早かったが,それはあくまでもネットにおける匿名研究者たちによる検証が功を奏した恰好と思われる。もっと未然に防ぐ方法もあったのではないだろうか。今度の騒動が落ち着いた頃,本書やそのもとになった番組のような形で今一度総括があることを,一国民として期待している。
学術雑誌を「世界に関して発見された真理を報告する場」「そこに掲載された論文はすべて絶対に正しいものであるべき」と見る(素朴な?)見方は研究者としては賛同できませんが、それ以外の点については非常によく書けている本だと思いました。
STAP細胞が話題になっていたから読んでみたけど非常におもしろかった また、今回の小保方騒動と類似している点も多く見られたように思う 組織としての問題 大学の教育体制 悪意の有無 再現性 などなど、今回の騒動を考える上で重要な要素が多く含まれているのでSTAP細胞について興味を持っている人にはぜ...続きを読むひ読んでほしい
世紀の変わり目に起きた,一人の若手研究者による大規模な捏造事件を追ったドキュメンタリー。この事件は解決までに3年を要した。なぜこんなに時間がかかったのか。どうすれば捏造は防げるのか? エピローグでは執筆の動機について書いてある。急速に変化する世界の中で,科学は,あるいは我々はどのように「わからなさ」...続きを読むに対処すればよいのか。この本の内容は科学界だけにとどまるものではない。
タイトル通り論文不正についての話。 研究会では有名な研究不正の話が細かく書かれておりどのように生まれるのかどのように対策するのか述べられている。 学術の世界で不正はあってはならないもので考えされられる本であった。
平成史ブックガイドから。これは、物語的にハラハラする展開が楽しめる一冊。捏造が発覚した後の、当事者の発言が殆ど聞けなかったのは痛いけど、それはリアルワールドでは仕方ないことかも。これがもう、20年近くも前の話。以降、加速度的に細分化を続ける研究の世界だけど、意外にも捏造乱発は食い止められている?自分...続きを読むが知らんだけかもしらんけど。
この本が書かれたのが2006年、事件は2000年頃起こって、STAP細胞の問題が起こったのが2014年。二つの事件、構造がそっくりだというのに、まず驚いた。 物理学という馴染みのないものも、とても解りやすく書いてあり、ドキュメンタリーだけども、ミステリ小説のような面白さがあった。 何故捏造事件は起こ...続きを読むったのか、その解答に向かって、数々起こる疑問を探っていく。読み手がソコを知りたいという所を、しっかり調べてあり、読むのが止まらなかった。
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論文捏造
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