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日本、アメリカ、中国等で大ヒットした『海辺のカフカ』。カフカ少年とナカタさんのパラレルな物語に"癒し"や"救い"を感じた人も少なくなかった。けれども、本当にそういった内容なのだろうか?丁寧なテクスト分析によって、隠された構造が浮かび上がる。暴力が前面に現れつつある「九・一一」後の世界に、記憶と言葉の大切さを訴える、渾身の村上春樹論。
Posted by ブクログ 2010年12月30日
村上春樹著「海辺のカフカ」の専門的な解釈を知りたくて、手に取った本。
著者は「海辺のカフカ」の読者の大半が、その作品に対して「恐怖」を感じることはなく、「救い」や「癒し」を感じたことに危機感を抱く。
そして、村上春樹が作品内に散りばめた文学作品を引き合いに出しながら、著者の解釈論が展開される。
全...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
姉のような存在であるさくらさんに対する創造上の「レイプ」−。「「従軍慰安婦」の問題の根っ子にあったのは、記憶と歴史認識の問題です。しかもそれは、近代国家によって人為的に遂行された侵略戦争、植民地支配を拡大していくための帝国主義的戦争の中で、暴力を行使する軍隊という男性たちの組織に、密接不可能に組み込...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年07月16日
小森陽一氏の村上春樹論である。『海辺のカフカ』を再読した後、この本を読んでみようと思い立ち、再読をして今回読み終えた。
自分自身の研究のアプローチに役立った点がある。自分が援用しようとする理論を十分に説明した後で、それを作品の解釈に当てはめていく点である。まあ当然のこととはいえ、これをやることが...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年08月19日
こじつけとしか考えられない箇所が多いにも関わらず堂々と批判していらっしゃいました。でも、目のつけどころが良いといいますか、自分では(当たり前ですが)気づけないポイントに視点を合わせて説明なさっていて、この人頭いいな、と思いました。笑。たくさん読み込んでるんでしょう。単なる解説本よりはるかに面白かった...続きを読む
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