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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世界の文学の最前線に立つ村上春樹。その魅惑的な謎に満ちた小説世界の核心とは何か?『風の歌を聴け』から『1Q84』まで、注目の講師陣が村上ワールドの秘密を解き明かす。
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Posted by ブクログ
ある程度の数読んだから、手に取ってみた こういう「外から」見た意見を読むのは本人のエッセイ以外初めてだったので、共感するとこもあれば目から鱗のこと、何それ?って思うことがあったりして面白かった こんな深い読み方できるようになりたい
東京の世田谷文学館で昨年の秋に開催された連続講座の記録。5人の論者が村上春樹について語っている。そのうち、藤井省三と加藤典洋の二人が村上春樹と中国の関係に言及している。村上春樹は9月26日、尖閣諸島をめぐる問題について朝日新聞にコメントを寄せたばかりということもあって、いろいろ考えさせられた。 ...続きを読む藤井は、中国での村上春樹の受容のされ方について論じており、村上春樹は、中国絡みの作品に限って何度も書き換えを行っているという重要な指摘をしている。さらに、十数年前に台湾の新聞社のインタビューで「僕は神戸の人間で、中国人は僕にとってはたいへん自然なものでした。僕の父は戦争中に徴兵されて中国大陸に行きました。中国は僕の人生における重要な記号です」と語っていることも紹介されている。 また、加藤典洋は、村上春樹の短編小説を徹底的に読み込むことから見えてくるものについて論じている。特に、村上春樹の短編小説第一作である『中国行きのスロウ・ボート』に注目している。ここでも村上春樹はアメリカの雑誌のインタビューを受けて、自分は中華料理を食べられないが、それは徴兵で中国に渡った父親の体験が影響している、と答えていることが紹介されている。また、『中国行きのスロウ・ボート』と同じモチーフが2004年の長編小説『アフターダーク』でも繰り返されていることも指摘している。その上で、加藤は「村上春樹は、中国に対して罪責感ないし良心の呵責ということを強く感じていた。村上春樹が、作家人生の最初の短編に、中国人とのすれ違いの思い出を書いたということは、日本(人)は中国に対していまなお謝るべきところをしっかり謝りきっていない、そのことが自分には耐えられないほど、苦しい、ということかもしれない」と、踏み込んだ発言をしている。 今回の尖閣諸島問題についての「安酒に酔うことなく、魂の行き来する道筋を塞いではならない」という村上春樹のメッセージは、エルサレム講演などとは異なり、自らが手を挙げて発言した「寄稿」という形であるだけに、村上春樹本人にとって、止むに止まれぬ思いが込められていたことを痛感させられる。私たち日本人もこの言葉を噛みしめるとともに、村上春樹の思いが中国の人々にも届くことを祈りたい。
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