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ビザンツ帝国千年の歴史を、政治の転換点に皇帝の妃となった、庶民から王女まで8人の女性たちの人生を通して読む一冊。政治や宗教の変動の中に、人間の哀歓が浮かび上がる。
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Posted by ブクログ
8人の皇妃の生涯とその生きた時代を通して描くビザンツ帝国の歴史。彼女たちは出自も生き方もばらばらである―― 異教徒の出だったり、踊り子だったり、酒場の娘だったり、あるいは外国人だったり――おじの皇妃となってその精神的支柱になった人物、権力の魅力にとりつかれて自分の息子の目をくりぬき自ら即位した人物、...続きを読む稀代の悪女のイメージが根付いてしまった人物、政略結婚ながらやがては夫のやすらぎになった皇妃などなど―― それは、その時代の象徴とも言える生涯だった。これまでよく見られた皇帝中心のビザンツ史とは違う皇妃を通して見る歴史は新鮮。 可能な限り史料に基づきつつ、しかし、その史料には大幅に制約があるために、著者の想像を織り込みながら、皇妃たちの生涯を描いていくことになる。その説には無理があろうと思われる部分も見られるけれど、著者の人物に対するまなざしが暖かくて良い。
ビザンツ帝国の皇妃の中から8人をピックアップし、史料に基づく形で彼女らの人生を描く一冊。 各時代を象徴する皇妃たちの生涯を追うことによって、1000年にわたるビザンツ帝国の歴史をも描きだしている。 取り上げた皇妃の中には、多くの記録が残されていない人物も多いのだが、残されたわずかな史料に誠実にあたり...続きを読む、その人生を浮き彫りにしていこうとするところに魅力を感じた。 ビザンツ帝国に関しては正直あまり知識がなかったのだが、大変楽しく読めた。ビザンツそのものについて、さらに詳しく知りたいと感じた。
[ 内容 ] 黄金の満ち溢れるきらびやかな文化、帝位をめぐる血なまぐさい陰謀…。 古代ローマ帝国の東西分裂の後、5世紀から15世紀半ばまで、ビザンツ帝国一千年の興亡を、庶民から他国の王女まで8人の皇妃の伝記として描き出す。 [ 目次 ] 妃たちの生きた世界―ビザンツ帝国へのいざない 1 アテナイス...続きを読む・エウドキア(四〇一~四六〇年)―ふたつの世界を生きた悲劇のシンデレラ 2 テオドラ(四九七頃~五四八年)―「パンとサーカス」に咲き残った大輪の花 3 マルティナ(六〇五?~六四一年以降)―近親相姦の罪に泣いた心優しい姪 4 エイレーネー(七五二頃~八〇三年)―権力の魔性に溺れた聖なる母 5 テオファノ(九四一頃~九七六年以降)―戦う男たちを飾る妖しい花 6 エイレーネー・ドゥーカイナ(一〇六七~一一三三年?)―新しい時代を生きた名門貴族の令嬢 7 アニェス・アンナ(一一七一/二~一二〇四年以降)―ふたつの祖国を喪ったフランス王女 8 ヘレネ・パライオロギナ(?~一四五〇年)―謎に包まれた最後の皇帝の母 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
著者は歴史学者。 わかってる。わかってるけどね、史料批判だけで皇妃の素顔を暴くってのはやっぱ厳しい。でも本人も「この本はただの歴史考証本ではない」って言ってて、限界を承知の上でやってるからそれは許せる。どのページか忘れたけど、急に整合性のない記述が出てきたところがあった。そこだけ残念。 批判はある...続きを読むけれど、今気軽に東ローマの歴史が知りたいって時に読める本って正直これくらいしかないと思うから、三点。
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ビザンツ皇妃列伝 : 憧れの都に咲いた花
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井上浩一
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