地方発！進学校のキャリア教育 : その必要性と実践ノウハウ

鈴木達哉

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進学校でキャリア教育を推進し、大学受験との両立を成功させた著者が、自身の実践をもとに、特別な予算のない学校でもできる「進学校ならではのキャリア教育」を提案する。

• カテゴリ: ビジネス・実用
• ジャンル: 学術・語学 / 教育
• 出版社: 学事出版
• ページ数: 135ページ
• 電子版発売日: 2013年11月22日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 30MB

[ブクログ · ★★★★☆]

実際にキャリア教育に長年携わっている高校教師による、進学校（高校）でのキャリア教育の考え方、具体的な実践方法をまとめた本。実は、著者は評者の恩師であり、授業で聞いたことのある話も出てきて、そういう面でも面白かった。
キャリア教育とは、社会で生き抜くための力をつける教育であり、その意味で、これまでキャリア教育にあまり力を入れてこなかった進学校においても必須のものであるといえる。著者は、キャリア教育といっても、特別なことをしなければいけないと考えずに、普段から行っている教育（授業や学校行事、生徒指導等）をキャリア教育の視点で見直せばよいと指摘している。著者の示す具体的な取組みはどれも実践的で、キャリア教育に関心のある教員には有益であると思われる。
本書の中では、著者が生徒に対する指導として重視していることとして、「挨拶」「掃除」「提出物の期限を守ること」の３点を挙げているのが印象に残った。
また、教育政策に必要なこととして、教員の増員を指摘し、社会人経験者や定年退職者等を活用することを提案しているが、これについては、問題意識については共有するとともに、地方財政が厳しさを増す中、教員の増員にも限界があると感じつつ、定年退職者等の活用については一考の価値があると思った。