夕べの雲

夕べの雲

1,353円 (税込)

6pt

何もさえぎるものない丘の上の新しい家。主人公はまず"風よけの木"のことを考える。家の団欒を深く静かに支えようとする意志。季節季節の自然との交流を詩情豊に描く、読売文学賞受賞の名作。

...続きを読む

夕べの雲 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    はっきり言って何も起きない、筋書きがあるともいえない、ないないづくしの家族小説(大きな出来事は落雷くらい)。なのだけれど、この平凡な家族の生活をいつまでも見ていたいような、不思議な気分に浸ってしまった。そう思わせるのは、解説が指摘するように、結局はこの平凡な生活が永遠には続かないことへの切なさが、背

    0
    2021年03月02日

    Posted by ブクログ

    なんでもない日常の光景が、こんなに輝いていたなんて。
    近所の野山で遊んだり、学校帰りに梨を買ったり、部屋にムカデが出たり、風邪ひいたり…。
    懐かしくて、温かくて、優しい毎日が、美しく移ろってゆく。
    ずっと浸っていたい空気がここにある。

    0
    2018年10月06日

    Posted by ブクログ

    丘の上の新しい家に越してきた家族が、その土地になじみ毎日を過ごしていく様子を穏やかに描いています。

    この小説には、萩、金木犀、山茶花、ムカデ、梨・・・といった季節季節の自然が出てきます。
    自然と交流しながら成長していく子供達、子供とのやりとりを楽しみ支えていこうとする主人公の父親、家族にそっと寄り

    0
    2009年10月07日

    Posted by ブクログ

    <poka>
    小田急線生田駅近くの西三田団地が舞台の家族小説。
    大学がその近くだったので懐かしかった。
    文体は穏やかで疲れることはありません。こんな文章を書きたくなります。

    <だいこんまる>
    ビートたけしは、生田大学のあの階段を上るのが面倒で大学を辞めたとか。

    0
    2009年10月25日

    Posted by ブクログ

    まず前提として、本書は“純文学”であるということを分かっていなければならない。決してエンタメ小説ではない。基本、“退屈でつまらない”、それが純文学である。人を楽しませるために書かれた本ではない。
    前情報なく、本書を読み始めると、「何だこの退屈な小説は」と思い、途中で投げ出してしまうかもしれない。なの

    0
    2023年12月29日

    Posted by ブクログ

    なんて事のない日常が淡々と描かれているのだが、花や木、果物、虫などの描写が季節を感じさせ、自然と関わりながら生活する家族の様子が理想に思えた。何気ない家族の行動や会話の描写がおもしろく、読みながらクスっと笑えたり、あーそうそうと同感できたりして、心が温まる一冊だった。各章のタイトルも素敵だった。

    0
    2023年05月03日

    Posted by ブクログ

    なんということもない日常なのに、心惹かれる。
    私がこの当時の世俗を知らないということを抜きにしても滋味深い小説。

    0
    2020年06月29日

    Posted by ブクログ

    おそらく何周もしないとたどり着けないだろう普通さ。高等な普通さとでも言うべきか。小津『お早う』なども連想した。

    0
    2019年09月20日

    Posted by ブクログ

    須賀敦子が日本を説明するのにということでイタリア語訳したという。

    中井久夫の言によると、「家族の日常を描いて筋があるかなきか」の小説。しかし、ここには筋はなくとも家族のかおりのようなものがある。私自身の子供時代とは20年くらいのずれがあるものの、なつかしい気分にさせられる。これから私の家族にも、時

    0
    2018年11月05日

    Posted by ブクログ

    静かだけど、毎日変化している 自然と 家族を リンクさせて記述した短編集。各章のタイトルが出てきたところを起点に 物語が転じる


    「うまくいかないことは目立つが、うまくいっていることは案外 目立たない」が この本のテーゼ



    風は 大きな変化、自然破壊、戦争 を意味するのではないか。そんな中でも

    0
    2017年03月11日

夕べの雲 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社文芸文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

庄野潤三 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す