夕べの雲

夕べの雲

小説・文芸
1,760円 (税込)

8pt

何もさえぎるものない丘の上の新しい家。主人公はまず"風よけの木"のことを考える。家の団欒を深く静かに支えようとする意志。季節季節の自然との交流を詩情豊に描く、読売文学賞受賞の名作。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社文芸文庫
  • タイトル
    :
    夕べの雲
  • タイトルID
    :
    230002
  • ページ数
    :
    325ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年11月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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夕べの雲 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    癒される。五人家族の、特に落ちもつかない日常の他愛無いエピソード群を、周りの自然や季節とのかかわりを盛り込みながら綴っているのだけど、それが平和で愛おしい。だれかの生活を遠目から見たらそれは眩しいものなんだろうなと思った。温度感はこちらのほうが落ち着いているけれど、舞台が昭和三十年代ということもあって、『ALWAYS三丁目の夕日』を思い出した。

    0
    2026年09月07日

    Posted by ブクログ

    次男の正次郎が風邪をひいて冬至の柚子湯に入れなかった時に、母と姉が洗面器でその湯を汲んで、その中に柚子の汁をしぼり入れて、そこに浸したタオルで顔をふいてやるとか、ほのぼのエピソードがいっぱい。
    世の中がどんなに変わろうとも、庄野潤三の世界観のようなものを、自分の中の片隅に置いておきたい。

    0
    2025年08月09日

    Posted by ブクログ

    一家族の何気ない日常、でもそれは二度とはない日々の連なり。そういったものを小説に描いた一作。
    なのでストーリーに頼った(それが悪いと言ってはいないです、誤解なきよう)小説のように大きな出来事が起こることはない。
    なのに読んでいて楽しい。それは家族の会話だったり、周りの人との関係性が暖かかったり、季節や気候、または動植物への視座と描写。作者の巧み且つわかりやすい表現でとても味がありました。
    全13話(章?)にわかれ繋がってはいるものの短編としても十分読めるので、好きな話を何度も読みたくなる、とても好きな1冊になりました。

    0
    2024年07月17日

    Posted by ブクログ

    はっきり言って何も起きない、筋書きがあるともいえない、ないないづくしの家族小説(大きな出来事は落雷くらい)。なのだけれど、この平凡な家族の生活をいつまでも見ていたいような、不思議な気分に浸ってしまった。そう思わせるのは、解説が指摘するように、結局はこの平凡な生活が永遠には続かないことへの切なさが、背後に流れているからだろうか。

    本作は、1964年9月~65年1月の『日本経済新聞』夕刊連載小説。つまり、東京五輪とまさに同時期なわけで、五輪の「華やかさ」で印象付けられる年に、こうした静謐な作品が連載されていたことに、高度成長という時代の多面性も感じた。

    0
    2021年03月02日

    Posted by ブクログ

    なんでもない日常の光景が、こんなに輝いていたなんて。
    近所の野山で遊んだり、学校帰りに梨を買ったり、部屋にムカデが出たり、風邪ひいたり…。
    懐かしくて、温かくて、優しい毎日が、美しく移ろってゆく。
    ずっと浸っていたい空気がここにある。

    0
    2018年10月06日

    Posted by ブクログ

    丘の上の新しい家に越してきた家族が、その土地になじみ毎日を過ごしていく様子を穏やかに描いています。

    この小説には、萩、金木犀、山茶花、ムカデ、梨・・・といった季節季節の自然が出てきます。
    自然と交流しながら成長していく子供達、子供とのやりとりを楽しみ支えていこうとする主人公の父親、家族にそっと寄り添う母親が目に浮かびます。

    一見して、平凡で当たり前で目立たない、落ち着いた生活を見つめた作品です。
    しかし、作者の柔らかく美しい文章が、そうした生活の尊さや深さに気づかせてくれます。

    0
    2009年10月07日

    Posted by ブクログ

    <poka>
    小田急線生田駅近くの西三田団地が舞台の家族小説。
    大学がその近くだったので懐かしかった。
    文体は穏やかで疲れることはありません。こんな文章を書きたくなります。

    <だいこんまる>
    ビートたけしは、生田大学のあの階段を上るのが面倒で大学を辞めたとか。

    0
    2009年10月25日

    Posted by ブクログ

    まず前提として、本書は“純文学”であるということを分かっていなければならない。決してエンタメ小説ではない。基本、“退屈でつまらない”、それが純文学である。人を楽しませるために書かれた本ではない。
    前情報なく、本書を読み始めると、「何だこの退屈な小説は」と思い、途中で投げ出してしまうかもしれない。なので、巻末の解説を最初に読むことをおすすめする。

    「幸せとは何でもない日常にこそあるのだ」
    確かにそうだろう。そう思って読んでいた。退屈を愛でること、それこそが幸福であると。
    しかし、どうやらそんな単純な話ではないことに途中気づいた。
    当たり前の日常は、当たり前“だけ”ではない。退屈な日常は、実は、退屈ばかりではない。
    そこには必ず、“危うさ”が潜んでいる。
    当たり前も、退屈も、いつそれが消えてなくなってもおかしくない。実はとても不安定で、危ういものである。夕べの雲のように、いまの形は次の瞬間には変わっている、言い換えれば、いまの形は次の瞬間には“消えている”のである。そう考えると、いまの平凡な日常が、“いま”であるはずなのに、どこか懐かしく思われてくる。

    ただただ退屈を愛でるだけでは、退屈な日常を真に理解しているとはいえない。
    「幸せとは何でもない日常にこそある」
    確かにそうであるが、その裏側に潜む“危うさ”もセットにして日常を捉えること。
    「懐かしい」には、「哀しい」が含まれている。懐かしいと思うとき、そこにはどこか哀しい気持ちも含まれている。そのような、懐かしくて哀しい気持ちをもって、今を、日常を、見つめる。ありふれた日常がまた違って見えてくる。私は退屈を愛でるだろう。

    私の幸福は、不幸と表裏一体であることで存在している。常にそういった気持ちでありたい。

    最後に。
    小説なのだが、どこか詩的な感じがした。詩を読んでいるような気持ちになった。
    また、途中、「梶井基次郎の作品っぽいな」と感じたのだが、作家案内にもあったように、やはり影響を受けているのかなと思った。
    少々長く感じたので、『静物』くらいの長さでもよかったかも、というのが正直な感想。

    1
    2023年12月29日

    Posted by ブクログ

    昭和39年に新聞に連載された小説
    大阪から東京の丘の上の一軒家に越してきた
    大浦一家
    風除けの木の選定に悩む物書きの主人とその妻
    3人の子供達の日常が主人の目線で語られていきます

    ムカデに刺されたり雷が家の中に落ちたり
    と事件らしいこともあるけれど

    夏休みの宿題を子供達以上に必死に段取りをする両親 ぼんやりとなすがままの子供達の姿に既視感を覚え
    父と息子がお昼ご飯の時一緒にお湯を沸かす一部始終が妙に可笑しかったり

    家族以外の人達にはどうでも良い
    平凡でつまらない家庭内の出来事や約束事が
    何でこんなに面白いんだろう
    読みながらずっとニヤニヤしていて
    そして思い出した
    気がついた

    家族との何でもない日常
    記憶にも残らないそんな毎日が
    とても暖かくて楽しい時間だった事
    それは現在進行形でもある事

    60年以上も前の昭和の家族風景
    自然と昆虫が人にとても近しい存在だったけれど
    みんなが普通に穏やかに生きている毎日は
    昔も今もこれからも同じ
    幸せな風景




    0
    2026年04月30日

    Posted by ブクログ

    著者の出身地の近くに現在自分が住んでいる事もあり、以前から作品を読んでみたいと思っていたが、先日読んだ島田潤一郎「古くてあたらしい仕事」にも触れられていたので読んでみた。

    著者の日記の様な作品であるし、実際事実に基づいた部分も一定以上あるだろう。日常を土台とし、飛躍はない。エンターテイメント性は皆無だが、読み進めて行くとずっと読んでいたくなる中毒性も含まれる。他人の日記を読む面白さにも似た感じか。

    ホームドラマへの懐古趣味と切り捨てられるかも知れないが、日々を丁寧に生きる姿は今も共通して尊いものだ。

    蔦谷書店京都岡崎店にて購入。

    0
    2024年08月24日

夕べの雲 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社文芸文庫
  • タイトル
    :
    夕べの雲
  • タイトルID
    :
    230002
  • ページ数
    :
    325ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年11月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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