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Posted by ブクログ 2016年08月15日
【田紳有楽】
骨董屋の部屋を訪れた男が、自己流処世術を語り庭の池に飛び込むところから物語は始まる。
男は池に沈められている朝鮮生まれの抹茶茶碗の柿の蔕(ヘタ)。地下水脈を通って出歩いたり人に化けたりしている。
池の中には偽物陶器たちが埋められ、五十六億年後の弥勒説法の成仏永世を得るまでなんとかうまい...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月14日
血とコメディ。水木しげる先生のマンガを想起しました。或いはブルーズロックであるとか。攻撃的でありながら自嘲的であり、外在化した鏡のなかの己、人型としての己、を、鏡の外から見詰めている感覚。人間悪も人間善もごくフラットに並べて、千里眼で透き通る結晶の花と化させている、そんな感覚。ブルーズのライトモチー...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月09日
自身の読書体験の中で5本の指に入る衝撃と感銘だった。
『田紳有楽』は異質な物語手法に陶器への深い愛情と知見、ブッディズムが合わさり他には無いぶっ飛び作品になっている。
特に『空気頭』は静閑な私小説的世界に、鋭いナイフの様な一言や衝撃的なフックが混ざり合う天下無双の作品。読後はしばらく考えが纏まらず...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年01月25日
田紳有楽はとにかく素晴らしい。
池に放られた茶碗は妖怪の様でいて人間臭い。
静物である筈の彼らは皆うるさい。
どれがイカモノでどれが本物なのかがわからなくなる。
それは空気頭にも同じことが言える。
著者自身の創作のスタンスもそうなんだろうか。
空想と現実が混同していく様子は、一体何が偽物で何が本当な...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年04月05日
私小説を書く作家だけど、すごぐ変な本ですよ、と教えてもらって勢いで購入した本。
田紳有楽は、冒頭、話の脈絡がまったくつかめなくて、???の連続。
難しそうな本だと構えて読み始めたのに、これはSFか、ファンタジーなのか、おもしろいではないか!と新鮮だった。
部屋に戻るといきなり白シャツを着た男がいて...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年07月12日
焼き物になりたいという願望を持つ弥勒菩薩の主人公、その主人公が買った焼き物を池に沈め、その沈められた焼き物が生き物としての特性を獲得して己のルーツを語る「田紳有楽」、私小説「空気頭」の二編いり。
風景描写の美しさに圧倒された。そんなにたくさん書かれているわけじゃないんだけど、田紳有楽の一ページ目は...続きを読む
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