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Posted by ブクログ
かなり前の話になるが、一時期、東京の街中で『京都市東山知恩院前上ル 一澤帆布製』というタグがついたバッグを持った人をよく見かけた。私が気付くくらいだから相当流行っていたのだろうし、私の目に留まるくらい目を引くものだったのだろう。布製のバッグが欲しいなと思った時に思い出して探してみたのだが、『信三郎帆布』というタグのものも出回っていて「いろいろあるのかー?よくわからんな~。」と思って買わずじまいになってしまった。有名だったらしいお家騒動も有りがちなことかと思いあまり興味がなく今日まできてしまった。興味がない、というのは全く恐ろしいことである・・・。ひょんなきっかけで目にしたこの本で、ああ、あのバッグ!と思いだし、今回は興味を惹かれて読んでみた。ひえ~、こんなことになっていたのねと、あまりの理不尽さに腹立ち、京都の人たちの懐の深さ、情の厚さ、その粋に心を打たれる。
とかく正義はどこに?と思わされるような世の中である。信念を貫き、逆境に負けずに戦い続けた人たちに、心からの笑顔が戻って、本当によかった。
京都のお店に、いつか必ず行ってみようと思います♪
Posted by ブクログ
この本を手にすることができて本当にうれしい。
でも、それだけで終わってはいけない。僕らはこの本を読めることに感謝すべきである。
西の都の老舗で勃発したできごと。
遠く離れた東の都にいる僕らは、このできごとを直接見聞することはできないし、新聞を始めとするマスコミの報道は乏しくかつ断片的なものであった。
インターネット情報は多々あったものの、何を信じていいかわからず、僕らの勝手な心配は募るばかりであった。
2008年11月の逆転勝訴という判決があったからこそ、僕らはこの本を目にすることができる。
裁判を勝利に導いた(協力した)すべての人に感謝したい。
その頃、僕らが知りたかった真実がここにある。しかも僕らの期待を良い意味で裏切るように、赤裸々なまでの情報公開。僕が気にしていたこれからの方向についても触れられている。
綿密な取材に基づくノンフィクションではあるものの、作者の筆力と描かれている信三郎夫妻の人柄によるものだろうか、ドロドロした感じになっていないのはさすが。
先代である3代目、信夫氏のインタビューや、かばんが作られるまでの工程も帆布が好きな人だけでなく、たくさんの人に読んでもらい、京都に一風変わった「かばんや」があることをもっと多くの人に知ってもらいたい。
Posted by ブクログ
先代の信夫の死が巻き起こした「お家騒動」の記憶も新しい一澤帆布、その後を追ったルポルタージュ。信夫の三男・信太郎とその妻、職人たちと、彼らを支える京都の人々の人間模様を背景に、裁判での勝利までを追っている。
なお「一澤帆布」という会社は、今年7月8日から営業をストップしており、分家した「一澤信三郎帆布」が事実上正式な後継会社となっている。そういえば今夏、サントリーが一澤帆布とタイアップした商品(プレミアムモルツ六缶が一澤帆布プロデュースのバッグに入ってるやつ)を出していたのを見て(買って)「え、一澤ってこんなことやるとこだったっけ?」となんとなく訝しく感じたものだが、このビールが出たころには「一澤帆布」はすでに潰れていたことになる。だからどうという話でもないが。
本書が朝日新書から出たのは、信三郎本人が元朝日の記者だったことに起因する。信三郎サイドから史実を明らかにするという目的に異論はないが、裁判の性質上、記述の公平性を保つためにも他の出版社から出すべきではなかったか(少なくとも、妙な疑いを持たれないためには)。敗者側の弁も訊いてみたい。
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