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「泥沼」「確執」「骨肉の争い」。京の老舗ブランドで何が起きたのか。すべてを失ったかに見えた一澤帆布の経営者・信三郎夫妻が、スタッフらと新ブランドを立ち上げるまでを綿密な取材でまとめたノンフィクション。手間ひまを惜しまず作られる「信三郎帆布」の全てを紹介。
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Posted by ブクログ
かなり前の話になるが、一時期、東京の街中で『京都市東山知恩院前上ル 一澤帆布製』というタグがついたバッグを持った人をよく見かけた。私が気付くくらいだから相当流行っていたのだろうし、私の目に留まるくらい目を引くものだったのだろう。布製のバッグが欲しいなと思った時に思い出して探してみたのだが、『信三郎帆...続きを読む布』というタグのものも出回っていて「いろいろあるのかー?よくわからんな~。」と思って買わずじまいになってしまった。有名だったらしいお家騒動も有りがちなことかと思いあまり興味がなく今日まできてしまった。興味がない、というのは全く恐ろしいことである・・・。ひょんなきっかけで目にしたこの本で、ああ、あのバッグ!と思いだし、今回は興味を惹かれて読んでみた。ひえ~、こんなことになっていたのねと、あまりの理不尽さに腹立ち、京都の人たちの懐の深さ、情の厚さ、その粋に心を打たれる。 とかく正義はどこに?と思わされるような世の中である。信念を貫き、逆境に負けずに戦い続けた人たちに、心からの笑顔が戻って、本当によかった。 京都のお店に、いつか必ず行ってみようと思います♪
お家騒動よりも、信三郎氏と職人さん達の真摯で手抜きのない、しかしあそびのあるモノ作りが印象に残った。その意味で、タイトルが「一澤帆布物語」でないのは正しい。実際に双方の帆布鞄を見比べたことがあるが、質の違いは明らかだった。まさに、品物自身が雄弁に真実を語っていた。
事件の全貌をやっと知ることが出来た。 結果は真実に収束した。 信三郎さんたちが作ったあの鞄があったからこそ。 みんなは分かっています。 野暮ですが率直に思うのは、騒動を起こした長男の消息がどうなったのか。
【日本縦断参考本】 京都の帆布のカバンでお馴染みの“一澤帆布”のお家騒動にまつわる物語。今は“信三郎帆布”という形でその見えない歴史を受け継いでいる 職人さんと血の通ったモノ達の 闘いの日々を綴った本です。 名前は変わってしまっても 気持ちを継承してくれたお店と職人さんが残ったことが嬉しかったです...続きを読む。 頑張れ!!
一澤信三郎のモノ作りへの思いが伝わってくる本。分かりにくい筆跡鑑定、2回にわたる裁判で逆転勝訴したことなどが詳しく分かった。それにしても骨肉の相続争いを公平に記述するのは簡単ではないと思うが、長男と四男側に全く取材していないのが気にかかる。
有名な一澤帆布について。なんとなく知ってたけど、ニュースではわからない裏側や真実を知ることで、一澤帆布に対する認識が大きく変わった。事件の真相云々も大切かもだけど、それ以上に信三郎さんたちの鞄作りの真撃な姿勢と対面できたことが心に残る。いいものづくりをされているのだな。わたしも目の前の溢れる商品に惑...続きを読むわされることなく、想いの込められている本当にいいものを選んでいきたい。
この本を手にすることができて本当にうれしい。 でも、それだけで終わってはいけない。僕らはこの本を読めることに感謝すべきである。 西の都の老舗で勃発したできごと。 遠く離れた東の都にいる僕らは、このできごとを直接見聞することはできないし、新聞を始めとするマスコミの報道は乏しくかつ断片的なもので...続きを読むあった。 インターネット情報は多々あったものの、何を信じていいかわからず、僕らの勝手な心配は募るばかりであった。 2008年11月の逆転勝訴という判決があったからこそ、僕らはこの本を目にすることができる。 裁判を勝利に導いた(協力した)すべての人に感謝したい。 その頃、僕らが知りたかった真実がここにある。しかも僕らの期待を良い意味で裏切るように、赤裸々なまでの情報公開。僕が気にしていたこれからの方向についても触れられている。 綿密な取材に基づくノンフィクションではあるものの、作者の筆力と描かれている信三郎夫妻の人柄によるものだろうか、ドロドロした感じになっていないのはさすが。 先代である3代目、信夫氏のインタビューや、かばんが作られるまでの工程も帆布が好きな人だけでなく、たくさんの人に読んでもらい、京都に一風変わった「かばんや」があることをもっと多くの人に知ってもらいたい。
父親に「こんな本あるよー」と言われ、読ませてもらった一冊。一澤帆布が2つに分かれたという漠然とした話は聞いていたのだけど 、こんな理由だったとは…遺言書はちゃんした方がいいね、特に財産のある人は。
会社でもらった本。 一澤帆布の騒動と、いかにモノ作りがなされてきたか。 なにかを産み出すのは簡単ではなくて、その力を持ってるのはすごいことであると実感。 今度帰ったら久々に買いに行こうかな。
先代の信夫の死が巻き起こした「お家騒動」の記憶も新しい一澤帆布、その後を追ったルポルタージュ。信夫の三男・信太郎とその妻、職人たちと、彼らを支える京都の人々の人間模様を背景に、裁判での勝利までを追っている。 なお「一澤帆布」という会社は、今年7月8日から営業をストップしており、分家した「一澤信三郎...続きを読む帆布」が事実上正式な後継会社となっている。そういえば今夏、サントリーが一澤帆布とタイアップした商品(プレミアムモルツ六缶が一澤帆布プロデュースのバッグに入ってるやつ)を出していたのを見て(買って)「え、一澤ってこんなことやるとこだったっけ?」となんとなく訝しく感じたものだが、このビールが出たころには「一澤帆布」はすでに潰れていたことになる。だからどうという話でもないが。 本書が朝日新書から出たのは、信三郎本人が元朝日の記者だったことに起因する。信三郎サイドから史実を明らかにするという目的に異論はないが、裁判の性質上、記述の公平性を保つためにも他の出版社から出すべきではなかったか(少なくとも、妙な疑いを持たれないためには)。敗者側の弁も訊いてみたい。
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